在宅コールセンター事例:東京海上日動火災保険様(2022年版)
コロナ禍を背景に在宅コールセンターを構築
応対品質の維持・向上に貢献
東京海上日動火災保険株式会社
- インバウンド
- アウトバウンド
- 事務処理
- 金融
- センター運営企画
- 生産性の向上
国内有数の損害保険会社である東京海上日動火災保険株式会社様(以下、東京海上日動火災保険様)。長年にわたりビーウィズと連携しながら、保険代理店の業務を支援するアシストセンターを運営してきましたが、新型コロナウイルスの影響を考慮し、在宅中でもコールセンター事業を継続し、応対品質を維持できるよう、システム環境を整備しました。
Before
- コロナ禍により出社が制限され、アシストセンターのお客様応対品質低下が懸念された
- 在宅環境での業務に不安を抱えるオペレーターの、不安を払拭する必要があった
- 在宅コールセンターの運営時でも、応対品質を維持する必要があった
After
- 「Omnia LINK」の導入により、緊急時の在宅コールセンター環境の整備が推進できた
- 在宅環境でも、SVがオペレーターを管理・フォローしやすいおかげで、オペレーターの不安を払拭できた
- 「Omnia LINK」と「Qua-cle」の連携で、以前の応対品質を維持、向上させていく仕組みができた
導入の目的:予期せぬ感染症拡大時でも、センターの応対品質を高水準で維持したい
東京海上日動火災保険様は、保険代理店の業務を支援し、お客様に自ら情報を発信する機能を持つアシストセンターを、2007年には東京・新宿に、2008年には長崎にそれぞれ設立しました。そして自社で定めた、お客様に提供する商品・サービスに関する品質基準「安心品質」を満たすため、ビーウィズと連携しながら、センターの応対品質水準の維持・向上に努めてきました。(詳しくは前回の記事をご覧ください)
こうした中、全世界で猛威を振るう新型コロナウイルスの影響から、密を避ける行動が求められるようになり、多くの企業が従業員の出社制限に踏み切りました。東京海上日動火災保険様も感染拡大を防止するため、社内の各セクションで従業員の出社を制限することになったのです。これにより、応対できるオペレーターの数が減ってしまい、比較的制限の軽い長崎センターが必死にカバーしましたが、時には電話がつながらない、連絡が行き届かないなど、お客様応対品質低下が懸念されました。
こうした状況を、パートナーであるビーウィズに相談したところ、解決策として提案されたのが、在宅コールセンターを実現するシステムです。確かに、在宅環境でもコールセンター業務が実施できるのであれば、現状の問題を解決できる施策となり得ます。しかし、在宅コールセンターを実現するにあたり、東京海上日動火災保険様にはいくつかの懸念事項がありました。
「特に心配していたのは、セキュリティーの担保です。保険商品は個人情報の塊のようなもので、万が一にも漏洩することは許されません。応対するオペレーターも不安でしょう。ですからオペレーターが在宅環境で使用する電話機やPC、ネットワークなどのインフラには、強固なセキュリティー対策が必要です。さらに、現場と同じように在宅環境でもスーパーバイザー(SV)がオペレーターを管理したり、フォローしたりできるかどうかも懸念していました」(長瀬様)
このようにいくつかの懸念事項を抱えていた東京海上日動火災保険様でしたが、ビーウィズが提案した「Omnia LINK」は、これらの不安を全て解消した上で、在宅環境でのコールセンター事業の継続を可能にするシステムでした。
選定のポイント:安全かつ在宅でも従来と同環境で応対できる安心感が決め手に
東京海上日動火災保険様は、「Omnia LINK」の安全面はもちろん、新宿センター・長崎センター・自宅での応対状況が一覧で把握できるwatchover機能、お客様とオペレーターの会話内容がオンタイムでテキスト化されるSTT機能など、オペレーターの管理やフォローがしやすくなる機能を高く評価。さらに、従来システムと同様の画面UIやレポート機能を備えていること、ほぼ同じ金額で導入できることも決め手となり、「Omnia LINK」の導入を決めました。
ただ、いきなり新システムを業務に活用することにしても、オペレーターの不安を完全に払拭することはできません。そこで、まずは新宿・長崎に次ぐ第3拠点を開設し、そこを自宅と見立てて「Omnia LINK」を使用。新システムに慣れてもらい、オペレーターの不安を取り除いてから、新システムを活用した在宅コールセンターへと移行しました。また、ここでの使用感がとても良好だったことから、その後新宿センター、長崎センターの従来システムも「Omnia LINK」に入れ替えました。
また、以前からアシストセンターでは、応対品質の継続的改善に注力すべく、SVの業務効率向上に取り組んでいます。その過程で東京海上日動火災保険様は、ビーウィズから提案があったコールセンター向け品質改善プラットフォーム「Qua-cle」を前年度に導入し、応対品質の向上をはかってきました。
「当社ではオペレーターの応対を録音したデータをSVが聞き、フィードバックする人モニタリング業務を実施しています。これがSVにとって大きな業務負担でした。営業時間はどうしても現場の対応が優先になるため、残業時間に従事していたのです。モニタリング自動評価機能を持つ『Qua-cle』なら、SVの業務省力化にも活用できるという期待がありました」(小林様)
東京海上日動火災保険様は、この「Qua-cle」を出社制限という状況下で、オペレーターの研修にも巧みに活用しています。日時と場所を決めて集めてと、アナログで実施していた研修ですが、「Qua-cle」のおかげで現在はリモート環境でも研修が実施できるようになりました。
導入の効果:平時とほぼ変わらない環境でセンター運営ができ、応対品質が改善
「Qua-cle」および「Omnia LINK」を導入した東京海上日動火災保険様は、現在在宅コールセンターの運用を順調に進めています。主要なKPIは、この新システムの活用によって大きく改善しています。また、各オペレーターが今どのような応対をしているかがわかるwatchover機能と、会話内容を自動テキスト化するSTT機能が、SVの業務効率化だけではなく、オペレーターの安心感にもつながっています。
「SVは、オペレーターの応対内容をオンタイムでも後からでも確認できます。おかげで遠隔でもしっかりオペレーターのフォローができますし、オペレーターとしても『ちゃんと見守ってもらえている』という安心感につながっているようです。もちろん、SVの人モニタリング業務の効率化につながっています。少し余裕ができた時間を使って、SVの皆さんが独自の研修動画を作り『Qua-cle』で共有しています。こうした自主性と創造力の向上という点でも効果を感じています」(長瀬様)
「感染予防対策として従業員の安心につながっていること。そして、平時とほぼ変わらない環境で業務が実施できて、変わらないアウトプットができつつあること。この点からも、在宅コールセンターが実現して良かったと考えています。2022年度には、長崎センターでも在宅システムを導入する予定です。このことは、在宅勤務ができる職場ということで採用面での優位点になると思いますし、退職率や欠勤率の低減にもつながるのではないかと期待しています」(小林様)
コロナ禍による出社制限という、これまでにないアシストセンターのピンチを、ビーウィズとの連携で乗り越えつつある東京海上日動火災保険様。今後も何らかの問題に直面するでしょうし、さまざまな時代背景を踏まえた進化・変革も求められるでしょう。そうした際には、これまでと同じように速やかな解決につながる提案を、ビーウィズに期待しています。
お客様プロフィール:東京海上日動火災保険株式会社
東京海上日動火災保険様は、1879年の創業以来、人々の「挑戦」を実現することで、より良い社会の創造に貢献してきました。現在では「新興国・途上国の発展」「産業のイノベーション創出」「企業の海外進出」「地方創生」といった、世界中の難題・課題の解決にまで、挑戦の領域を拡大しています。
会社名 | 東京海上日動火災保険株式会社 |
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所在地(新宿センター) | 〒163-1032 東京都新宿区西新宿3-7-1 新宿パークタワーS棟 32階 |
所在地(長崎センター) | 〒850-0033 長崎県長崎市万才町7-1 TBM長崎ビル7階 |
設立 | 1879年8月 |
資本金 | 1,019億円 |
代表者 | 広瀬伸一 |
従業員数 | 17,176名(2021年3月31日現在) |
ビーウィズ担当者コメント
新型コロナウイルスの影響によるオペレーターの出社制限、それに伴う「安心品質」の低下が喫緊の課題として出ていた状況でしたが、東京海上日動火災保険様のご協力の基で、当社の保有する「OmniaLINK」「Qua-cle」を活用することにより従来のセンター運営と同等以上の品質を担保することが可能となりました。
今後は新宿センター/長崎センター/在宅環境の併用によるハイブリッド型の運営、また当社の保有するデジタルソリューションを活用しニューノーマルに対応する新たなセンター像を東京海上日動火災保険様と一緒に作り上げていきたいと考えております。