コンタクトセンター事例:日立健康保険組合様
LINE公式アカウントの開設から運用までを支援し、効果的な健診受診促進を可能に
日立健康保険組合
- コンタクトセンター
- その他
- 業務の効率化
- センター運営企画
- 生産性の向上
日立健康保険組合様(以下、日立健保様)は、被保険者・被扶養者を合わせると約40万人が加入している、単独の企業グループで運営する単一健保としては最大規模の健康保険組合です。2017年からビーウィズへコールセンター業務と一部の事務業務の委託を開始し、徐々にその委託範囲を拡大してきました。そして、2022年には被扶養者として加入している家族の特定健診受診促進のためLINEアカウントを開設し、そこで発生する応答業務もビーウィズに委託。チャットでの健診予約など、さらなる利便性向上に努めています。
Before
- 被扶養者の特定健診受診率に課題があった。
- 今までの電話、ダイレクトメールによる案内の効果には限界があり、未受診者層に直接アプローチできるチャネルの整備が急務であった。
After
- 日立健保が求めるセキュリティーレベルや各種要件を担保したLINEチャネルを短期間でリリースできた。
- 細かくセグメントされた各層にチャネルミックスで届けたい情報をダイレクトで届けられるようになり、受診率向上に必要な環境が整った。
導入の目的:家族加入者の健診受診促進のため、LINEで直接的に情報提供したい
紙申請書への記入・郵送や、住民票などの紙証憑の添付など、今なお健康保険に関する申請は紙でのやり取りが中心です。そうした中、日立健保様はコンプライアンスに配慮しつつ、いち早くWeb申請を導入するなど、できる限り加入者の手間を減らすよう努めてきました。また、健康寿命の延伸やヘルスリテラシー向上などの問題解決にも積極的で、健康経営に取り組むグループ各社への支援にも注力しています。
ただ、加入者約40万人の健康保険組合を限られた職員数で運営していることから、サービス対応の品質を高水準で維持するため、そして職員の業務負荷を軽減するため、定型化・標準化できる業務に関してはBPOを検討し、まずはコールセンター業務の委託を開始しました。そして、他社運営を経て、2017年からコールセンター業務を委託しているのがビーウィズです。
「決められた業務手順を順守することは大切ですが、それだけでは手順書にない想定外の問題が発生したときに、相手の立場になって対応することが難しい。オペレーターには日立健保との一体感を持っていただき、能動的に自分事として対応していただくことが重要だと考えています。その点でビーウィズは、オペレーターの教育体制がしっかりしていますし、月1回の定例会議で話した日立健保が目指す重点目標等がしっかりオペレーターのみなさんに浸透しており、同じ目標に向かって取り組んでいただいている実感があります。ビーウィズにお任せして良かったと思いますし、感謝しています。」(菊池様)
はじめは、退職者とその家族からの電話問い合わせ対応がビーウィズへの委託範囲でしたが、そこから徐々にその範囲を拡大。2020年にはBCPの実現に向けてコールセンターを長崎へ移管し、万が一首都圏で大規模災害等が発生したとしても、長崎センターでのサービス継続を可能にしました。さらに、新型コロナウィルス感染拡大を機に、すべての電話問い合わせ対応や限度額適用認定証の郵送・回収なども委託業務に加わりました。
そして2022年に、日立健保様は懸案だった家族加入者の特定健診受診促進の加速化に着手しました。2021年度の実績では、従業員の特定健診受診率がほぼ100%だった一方で、被扶養者として日立健保に加入している家族は約半数が年1回の健診を未受診、毎年受診する習慣がある方は約3分の1という状況だったのです。そのため日立健保様は、電話による加入促進やリーフレットを作成して郵送するといった、従来の健診の案内方法を見直すことにしました。
「リーフレットを郵送するよりも、電子メールで健診を案内したほうが申込率が高いことは認識していましたが、家族加入者のメールアドレスは取得しておらず、私たちから直接アプローチできる方法を新たに検討する必要がありました。そうした中、他健保の取り組み事例で、LINEを活用した情報発信が有効だと知ったのです。そこでSNSの中でも全世代で利用率が高いLINEを活用して、日立健保も家族加入者に健診受診を直接的に働きかけられないか、と考えました。」(菊池様)
選定のポイント:従来の電話・事務業務での実績をLINE導入に活かし積極提案してくれた
LINEの活用にあたり、SNSは双方向のコミュニティーツールであることから、コールセンターの運営をお任せしているビーウィズに相談。そこから、このプロジェクトが本格的に前進し始めました。
プロジェクトの中で、日立健保様が心配していたことがセキュリティー面です。
「LINEは国内で高い利用率を誇りますが、情報セキュリティー上の問題をたびたび指摘されてきたことから、安全面で不安を感じる加入者は少なくないと考えていました。事前の情報収集では、この問題の解決策は見つけられませんでしたが、ビーウィズに相談したところ、この懸念点を払拭する提案をしていただきました。また、ビーウィズの電話・事務業務での実績をLINE導入時のChatbot構築に活かせると思いお任せすることを決定しました。」(菊池様)
その後、仕様の策定とデータのやり取りをする部分の構築に十分な時間を割きつつ、具体的な方針の確定後は関係各社が連携して一気に作業を進め、半年弱という短期間での構築を実現しました。とりわけ、ビーウィズは指示待ちではなく自発的に提案し、コールセンター運営の実績とノウハウを基に、加入者にとって使いやすいリッチメニューの設計や、Chatbotシナリオを作成できました。日立健保様は、この点を高く評価してくださっています。
導入の効果:数万人の加入者をセグメントし、チャネルミックスで届けたい情報を迅速に届けられるようになった
日立健保様は、2022年10月にLINE公式アカウントを開設し、3カ月で約1万7000人の友だち追加と資格認証を達成しました。これは同様のLINE活用事例と比較しても、高い結果を得られています。ただ、その結果に満足することなく、お友だち登録者数の目標である5万人を目指して、デジタルギフトのプレゼント、タレントを起用したヘルスリテラシー向上を目的とする健診受診啓発動画作成、健康情報の配信などの施策も積極的に打っています。
また、これまで健診の受診申し込みは電話を中心としていましたが、今回のLINE活用によりチャットでの申し込みが可能になり、加入者の希望に合わせて複数のチャネルを選べるようになり、家族加入者の利便性が向上しました。日立健保側としても、従来型のダイレクトメール郵送だけでなく、年齢ごと・性別ごと・地域ごとなどのセグメントによって、情報を出し分けることができるようになりました。例えば、A県で特定健診の実施予定がある場合、 A県とその近隣県に在住で受診申し込みが未完了の加入者にだけ案内をLINEで送信する、といったことが可能です。業務効率化はもちろん、郵送費の削減、SDGsの観点で紙資源の削減も実現できます。
「日立健保としては、届けたい情報を迅速に対象者へ届けられるツールができました。そして、実際に利用された皆さまからは、チャットで簡単に健診予約ができてありがたいなど、お褒めの言葉もいただきました。今後もさらなる利便性向上に努めていきたいと考えています。ビーウィズからは、LINEでのやり取りを蓄積・分析した結果に基づいて、さらに使い勝手を良くするための改善提案を受けています。今後も共にユーザー視点での改善を進めていければと考えています。」(菊池様)
LINE公式アカウントの利用者数アップと共に、より利便性が高まるよう改良していくご予定の日立健保様。日立グループ全体を対象範囲とした、加入者の健康寿命の延伸やQOLの向上を達成するため、これからも挑戦を続けていく方針です。そして、その挑戦をパートナーとして引き続き支えてほしい、とビーウィズに期待を寄せています。
お客様プロフィール:日立健康保険組合
日立健康保険組合様は、日立グループに所属する従業員の被保険者や、特例退職被保険者(60歳以上75歳未満の退職者で健康保険制度への継続加入者)を中心に、被扶養者(家族)を合わせた約40万人が加入している、日本最大級の規模を誇る企業健康保険組合です。日立グループ安全衛生ポリシーの基本理念である「安全と健康を守ることは全てに優先する」を不変の基本姿勢とし、安全活動とともに従業員の健康保持・増進活動である「健康経営」を推進しています。
会社名 | 日立健康保険組合 |
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所在地 | 〒101-0063 東京都千代田区神田淡路町二丁目29番地 東お茶の水ビル |
設立 | 1986年4月1日 |
代表者 | 田中憲一 |
ビーウィズ担当者コメント
2017年のお取引開始当初より当社をパートナーとして扱っていただき、日立健康保険組合様と一丸となって各種課題解決ができていると感じています。今回のLINEアカウント開設についても当社に重要なタスクをお任せいただき、無事にリリースできておりますが、引き続き日立健康保険組合様と加入者様の視点に立った改善提案を積極的にさせていただき、LINE活用を通じての加入者様の利便性向上と業務効率化を図っていきたいと考えております。