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電話の受発信の基本

電話はどうしてつながるの? コールセンターからスマホまでつながる仕組みを解説!

2022年1月30日
コールセンターシステムについて、分かりやすく説明するこのコラム。第1回目は、電話がつながる仕組みについて解説します。

私たちは日々、プライベートや仕事などさまざまな状況で、電話で人と話します。それにしてもどうして遠くにいる相手と時を置かず、互いに言葉を交わせるのでしょうか? 考えてみると不思議ですね。そんな疑問に答えつつ、固定電話からコールセンターの電話、さらにはスマートフォンまで、電話がつながる仕組みについて見ていきましょう。

電話のはじまり

電話が発明されたのは1876年。スコットランド生まれのグラハム・ベルが現在の電話の基本を築いたとされています。その14年後の1890年には、日本でも電話の使用が開始されます。

そもそも電話は、2つの電話機とそれをつなぐ電話線があれば互いに話すことができます。分かりやすい例を挙げると、紙コップに糸を通した「糸電話」のイメージです。コップが電話機で、糸が電話線ですね。

では、なぜ、糸電話で声が伝わるのでしょうか? それは声の分子の性質によるものです。

声は、空気中の分子が揺れることで伝わっていきます。つまり声を出すことで空気の波動が起こっているのです。しかし、そのままでは周囲に拡散してしまい、遠くまで聞こえません。糸電話では糸を通じて空気の振動が伝わることで、離れた相手に声が届くのです。
糸電話では空気の振動が伝わる

電話交換機がハブの役割に

電話には、糸電話のような物理的な糸がありません。その代わり、空気中の分子の揺れを電子化して遠く離れた相手に届けています。

電話をかけた時に最初の空気の振動である声は電子になり、電話交換機という装置でデジタルに変換され、その後、逆の順をたどって聞き手側に声として届きます。

このように相手に声を届ける電話ですが、糸電話のようにそれぞれの電話機と電話機を直接電話線で結ぶとなると、通信する相手の数だけ電話線が必要になり、とても非効率です。

そこで電話機とNTTの「電話局内の電話交換機」を電話線でつなぎ、その電話交換機がハブとなって相手先の電話に通じる電話線に接続することで効率的に通信を行う仕組みが生まれました。
2台の電話機がつながる仕組み
もっとも、この「電話局の電話交換機」の機器が普及するまでは、「電話交換手」という職業があり、電話線と電話線を人力でつないでいました。

電話をかける人は、まず電話交換手に「△△につないでください」と伝え、これを聞いた電話交換手が、その人の電話線を持って、相手の電話線につなぐという仕組みでした。今の電話からはまったく想像がつきませんね。
初期の電話は交換手が電話線をつないでいた
日本では、1923年の関東大震災からの復旧をきっかけに、先述のような電話交換機が徐々に採用され、電話交換手が担っていた作業が自動化されていきます。

そして戦後になって、この電話交換機は市外電話(=市外通話、長距離通話)でも採用されるようになります。その後、1979年に全国の電話の完全自動化が完了しました。

人が担っていた仕事をシステムに置き換えていく、これは今の時代で言うところのDX(デジタルトランスフォーメーション)そのものですね。
左が昔の電話がつながるイメージ。今は右のように電話交換機を経由してつないでいる

日本をつなぐ電話交換機ネットワーク

上述のとおり、固定電話からダイヤルされた電話は、電話線を通じてNTTの電話局の電話交換機で識別され、相手の電話機に声が届きます。

この間、デジタル化された声は、各地の電話交換機をリレーして運ばれますが、電話線が長すぎると音声品質が悪くなって聞こえなくなります。

そのため電話線は平均で2.2kmほどの長さになっており、その距離をカバーするためにNTTの設備は全国各地に設置されています。

このように日本中を何台もの電話交換機がつながって、電話交換機ネットワークが作られています。このネットワークを「公衆網」や「公衆回線」(PSTN/Public Switched Telephone Networks)と呼びます。
家の電話と公衆網の関係

オフィスの電話やスマホのつながり方

ただ、オフィスの電話は少し事情が異なります。

企業のオフィスでは、複数の電話機を使用します。コールセンターであれば、数百台の電話機を使うことも珍しくありません。

その場合、それらの電話機をまとめるために「電話局の電話交換機」のオフィス版として「オフィス内の電話交換機」というものを経由します。これがPBX(ピービーエックス・Private Branch eXchange)と呼ばれる電話システムで、オフィスやコールセンター等、つまり企業の拠点内での電話環境を提供しています。

仮に、ある会社の総務部に電話をしたとします。会社側から見れば、いわゆる「外線」の着信です。会社には部署別などで複数の電話番号が存在するので、かかってくる電話を適切に振り分けるような交通整備の機能が必要です。そこで公衆網(PSTN)から会社のPBXにつながった後、PBXがその電話を制御して総務部に着信させるようにします。
固定電話とオフィスの電話の違い
このPBXからNTTの電話局までの間を「網側(もうがわ)」と呼びます。網側はPBXの外なので、NTTの領域です。一方、PBXからオフィス内は「PBX側」とされ、こちらは企業側の領域になります。

仮に電話がつながらないなどのトラブルがあった時、その原因が「網側」なのか「PBX側」なのかによって、対応先が変わってきます。「網側」の場合は、通信キャリアでの対応となりますが、「PBX側」の場合は、社内の電話環境を担当する部門で設定確認などの作業が必要になってきます。

企業の拠点内で「3階にいる総務部の佐藤さんから、5階にいる営業部の田中さんに電話をする」といった内線電話は、あくまでも自社の拠点内における通話なので、通信キャリア側、つまり網側に出ていくことはありません。

また、例えば企業の代表電話番号に着信した外線電話を総務部で受け付けて、相手の要件を聞いたうえで適切な内線番号へ転送するといった場面でも、PBXが活躍しています。

従来のPBXは企業の拠点内にハードウェアが置かれていますが、近年では、PBXをクラウド上にソフトウェアで置く「クラウドPBX」の導入が、急速に増えています。クラウドPBXに対して、従来のPBXを「レガシーPBX」と呼ぶこともあります。

なお、今回は割愛しますが、小規模なオフィスでは「ビジネスフォン」が導入されているケースも多いことでしょう。ビジネスフォンには主装置というものが存在し、PBXと同じように外線と内線を取り持っていますが、扱える回線数や電話機の台数など、規模に限りがあります。
さて、固定電話やオフィスの電話について見てきましたが、多くの人が利用しているスマートフォン(携帯電話)はどうでしょうか?

スマホは無線でつながっていますが、この無線は基地局のアンテナを経由してつながります。

このアンテナはさまざまな場所に設置されています。というのも、先述のように、固定電話においても電話線が長すぎると音声品質が悪くなるため一定の距離に設備を設けていますが、基地局のアンテナも届く範囲が限られているのは同じだからです。

また、携帯電話は固定電話とは異なり、「場所が移動する」のも特徴です。そのため、今どこにいるかといった位置情報を管理することで、携帯電話の場所が移動しても通話が途切れずにつながるようになっているのです。

[最終更新:2023年12月1日]
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