? トール・フリー回線でできること_5分で学べるコールセンターコラム

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今回取り上げるのは、着信課金サービスです。これは電話を受ける着信側が通信料金を支払う通話料無料サービスのことで、いわゆる「フリーダイヤル」や「フリーコール」です。この「フリーダイヤル」や「フリーコール」はキャリアのサービス名称で、これらの総称が「トール・フリー」と呼ばれています。それでは、詳しく見ていきましょう。

トール・フリーは「通話料無料」の意味

トール・フリーは、英語表記だと「toll-free」です。意味は「(通行料などが)無料の 」「通話料無料の」。つまり、トール・フリーサービスと言うと、発信者側は無料で通話ができる通話料無料サービスのことを指します。通話料金は電話を受ける着信者側が負担するので「着信課金サービス」と呼ばれることもあります。
なお、のちほど触れますが、「ナビダイヤル」はトール・フリーの“兄弟”のような位置付けで、電話をかける発信者側が全額または一部通話料を負担する仕組みになっています。
トール・フリーは通話料金を着信側が負担する
このトール・フリーですが、あくまで通話料無料の「総称」です。各キャリアがサービスを展開するにあたり、それぞれサービス名を付けています。
例えば、「フリーダイヤル」はNTTコミュニケーションズが提供するサービス名です。NTT東日本とNTT西日本は「フリーアクセス」、ソフトバンクは「フリーコールスーパー」、KDDIは「フリーコールDX」という名称でサービスを展開しています。
基本的にどのサービスも、電話番号は「0120」から始まりますが、フリーアクセスやフリーコールスーパーには「0120」のほかに「0800」もあります。
キャリアごとのサービス名称
以下にトール・フリーサービスのメリットを列挙しました。

〇発信者の通話料金が無料にできるのでお客様の負担を下げられる
〇IVR(自動音声応答)機能が充実している
〇コールセンターの移転や統廃合に対応しやすい
〇発信の際にどこからでも同じ番号で通知できる

などが挙げられます。
これら以外にも、各キャリアがお客様の利便性を高めたり、コールセンターの運用を効率化したりする狙いから、トール・フリーサービスにオプションを設けています。

複数番号をあたかも1つの電話番号のように見せる

トール・フリーサービスのオプションの一例を挙げると、「電話をかける発信者側(企業にとってのお客様)に対して、複数の電話番号を1つの番号のように見せる」というものがあります。

ある製品の問合せを複数のコールセンターで受電する場合、通常であれば拠点ごとに着信番号が必要です。しかし、フリーダイヤルなどのトール・フリーを使えば、「0120」から始まる1つの番号に各センターの電話番号を紐付けることができるので、発信者側にはあたかも1つの電話番号のように見せることができます。

これがいかに大事なサービスであるかは、複数のコールセンターで問合わせを受ける際にトール・フリーサービスを利用しない場合を想定してみると分かりやすいでしょう。
同じ問合わせを受けるコールセンターなのに、東京のセンターは03-XXXX-XXXX、大阪のセンターは06-XXXX-XXXXと、複数の電話番号を公開する必要が生じます。こうなると、お客様はどちらの電話番号にかければよいのか分からなくなってしまいます。

トール・フリーを活用すれば、そうした事態を避けて番号を一元化してシンプルに見せることができるというわけです。

このほかのオプションに、発信者側の地域によって指定した着信先に振り分けたり、着信割合(コール量)で自動的に着信先を振り分けたり、時間帯で着信先を振り分けたりできるほか、あるコールセンターで取り切れずにオーバーフロー(受信しきれない着信呼で「あふれ呼」とも言う)した呼を別のセンターに振り分けるといったことも可能です。

こうした機能を活用すると、災害時などのBCP(事業継続計画)対策でも有効になります。関東と関西に拠点を持つ場合、関東で何らかの災害が発生してコールセンターが使えなくなれば、関西の拠点に着信を振り分けるといったイメージです。
このように発信地域や時間帯、着信割合、オーバーフローなどさまざまな状況に応じて、拠点間でコールを振り分けることを「ルーティング」と呼びます。

これ以外のオプションとしては、「発信端末拒否」というのがあります。これは指定した電話端末からかかってくる電話だけを着信するというもので、携帯電話や公衆電話は受け付けないといった設定ができます。

カスコンでリアルタイムにコールを振り分け

トール・フリーのサービスの1つとして、「カスタマーコントロール」というサービスを使うこともできます。
カスタマーコントロールは通称「カスコン」と呼ばれており、ウェブ上でリアルタイムにコールの状況を確認したり、着信時に流すガイダンスの設定を変更したりできます。
例えば、ある地域のコールセンターで呼量が急増した場合、別のエリアのセンターに着信を振り分けるといったことがウェブ上の操作で簡単に可能になります。

カスコンで設定が可能な内容の一例を以下に記載しました。
〇代表グループの登録/変更
〇転送機能の登録/変更
〇指定着信情報の登録/変更
〇スケジュール情報の登録/変更
〇契約情報の照会

ナビダイヤルは通話料金を発信者が負担

「フリーダイヤル」や「フリーコール」といったトール・フリーとは別に、NTTコミュニケーションズの「ナビダイヤル」というものがあります。

「0570」から始まるナビダイヤルでは、トール・フリーと同様に電話番号は1つの番号に統一することができますが、電話をかける発信者が通話料金を負担します。
発信者が負担する通話料金は設定ができます。発信者の全額負担だけでなく、発信者の満足度を高める目的で、通話料金の一部を着信者側(企業側)が負担することもできます。
NTTコミュニケーションズのナビダイヤルは「0570」から始まる
このナビダイヤルで電話をかけると、「ナビダイヤルでおつなぎします。△△秒ごとに、およそ◇◇円でご利用いただけます」といった料金通知ガイダンスが事前に流れ、その後から通話料金が発生する仕組みになっています。
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