? IVRの活用方法を紹介!_5分で学べるコールセンターコラム

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電話の受発信の基本

教育の最適化や機会損失防止に役立つIVR、その活用方法や新たなサービスを紹介!

2022年3月1日
今回フォーカスするのは「IVR」です。これは「Interactive Voice Response」を略したもので、自動音声応答システムのことです。コールセンターにお客様から入電があると、あらかじめ用意した案内を音声ガイダンスで自動的に流す仕組みで、用件別に番号を入力してもらうとその用件に適したオペレーターに電話を振り分けるというものです。最近では音声ではなく視覚的に伝えるIVRも登場しています。

IVRで「教育の最適化」「満足度維持」「機会損失防止」

コールセンターで使われることが多いIVR。改めて、利用シーンをおさらいしておきましょう。具体的な流れは以下のようになります。

お客様がコールセンターに電話をかけると、音声ガイダンスが自動で流れ、用件に合った問い合わせ先を選ぶよう促します。お客様が電話機のプッシュボタンを押すと、電話番号ごとに割り当てられているピ、ポ、パという音声から音をデジタル化します。そのデジタル情報をIVRが読み取り、次の音声ガイダンスを流してさらに選択をしてもらったり、窓口に電話をつないだりします。

では、このIVRをコールセンターに導入する目的は何でしょうか?
端的に言うと、オペレーターが対応する領域やスキルを絞ることで、効率的な業務習得を可能にするためです。

仮に、IVRで事前に振り分けることなく、あらゆる種類の問い合わせがオペレーターのもとに寄せられると、そのオペレーターが対応する領域やスキルが広範囲になってしまいます。それだけのスキルを覚えるのには時間を要しますし、対応できなければ応対品質が下がり、顧客満足度の低下を招きます。
<IVRがないとどうなる?>
IVRで用件ごとにオペレーターの接続先を振り分ければ、オペレーターは自分が担当する領域のスキルを磨くことに専念できます。その結果、スキルの範囲が絞られることで習熟までの期間を短縮できます。
見方を変えると、あらゆるコールに対してすべてのオペレーターが対応できるようにするには教育コストが見合わないのです。IVRを使うことでオペレーターの専門領域を絞り、教育に投じるコストを抑えることにつながります。

ただ、そのようにコールを振り分けることは、お客様に負担をかけることになります。お客様からすれば、電話をかけるとすぐにオペレーターにつながって対応してくれるのが一番ありがたいわけです。しかし、ご説明したようにコールセンターの人材活用としてそのようなオールラウンドプレーヤーを育てるにはコストが見合いません。
そこでお客様には音声ガイダンスに沿って操作をしてもらうという手間をかける分、コールセンター側は問い合わせ内容ごとにその分野に精通したオペレーターを配置し、一定の顧客満足度を維持するという考え方で運用されています。
<IVR導入イメージ>
こうしたオペレーターの教育コストや顧客満足度の維持に加え、IVRはコールセンターに電話が集中した際の「あふれ呼」や「放棄呼」への対策にも活用できます。
ピーク時のコールをIVRで受け付けて、コールバック(折り返し電話)の予約をしておきます。センターの業務がピークを過ぎて(ピークアウトして)落ち着いた段階で、改めてオペレーターが連絡します。この仕組みを使うことで「あふれ呼」や「放棄呼」による機会損失を防ぎ、顧客のストレス低減にもつながることが期待できます。

上記をまとめると、IVRの導入の目的・利点として、
 ○ オペレーター教育の最適化
 ○ 顧客満足度の維持
 ○ 機会損失の防止
と定義できるでしょう。

ガイダンスの選択肢を設定する際の注意点

IVRでは音声ガイダンスを案内して、お客様に用件を絞り込んでもらいます。プッシュボタンの1番は「注文」、2番は「問い合わせ」、3番は「その他」といった具合に設定するのですが、こうした選択肢を設定する際にはいくつか注意が必要です。
押さえておくべき事柄を見ていきましょう。

◆ 寄せられる問い合わせ内容のうち多いものから順に配置
例えば通販の窓口で、最も多い用件が「注文」、次が「住所変更」、その次が「解約」であれば、プッシュボタンの番号1は「注文」で、2番は「住所変更」、3番が「解約」といった順で設計します。少ない問い合わせは最後に「その他」に集約します。
お客様は自分の用件が音声ガイダンスで案内されるまで待っているので、その時間を短くするために問い合わせが多いものを先に通知するのです。というのも、待っている時間が長引くほど満足度は低下してしまうからです。
このように順番を付けていくためには、お客様から寄せられる電話の用件、これを「コールリーズン」と呼びますが、コールリーズンをしっかりと分析して、問い合わせの内容を把握しておく必要があります。

◆ 「その他」から入ってくるお客様は多い
選択肢を設定する際、どのように設計しても「その他」を選ぶお客様は意外と多いです。ですから、「その他」に寄せられる問い合わせ内容をしっかりと精査し、IVRの設計を定期的に見直すことも大事でしょう。
そして問い合わせの内容が多種多様であることから、「その他」を担当するオペレーターは高いスキルを持ったベテランを配置しておくといいでしょう。

◆ 誤って選択したお客様への対応は丁寧に
しっかりとコールリーズンを分析して音声ガイダンスの選択肢を正確に構築しても、必ず選ぶ先を間違うお客様は存在します。これは絶対にあると断言してもよいでしょう。
そうしたIVRの選択を誤ってしまったお客様に対して、企業側の分かりにくいルールをお客様に強いていることを踏まえて、オペレーターは丁寧にやさしく対応することが大事です。そのような時こそ、企業の応対力が試されます。
こうした場合に現場のオペレーションにおいて専門部署に転送するのか、折り返しにするのか、その場合はどれくらいの時間で折り返しにするのかなど、運用方法をセンターで検討しておくとよいでしょう。

◆ 選択肢の数は多くても5つまで、階層も少なめに
選択肢があまり多すぎるのも考えものです。お客様はいつまでも音声ガイダンスを聞かないといけなくなります。選択肢は多くても5つ程度までにしておきたいです。
また、最初に1番を選択し、次にまた音声ガイダンスが流れて2番を選択し、その次に1番、そしてさらに3番といった具合に、絞り込む階層が多すぎると、満足度がどんどん下がっていきます。階層と満足度は反比例すると言えます。絞り込んでいく回数が増えないように設計することが大切です。

注目される「ビジュアルIVR」

最近のIVRサービスとして注目されているものに「ビジュアルIVR」というものがあります。

従来のIVRのように音声ガイダンスが流れるのではなく、ウェブページやアプリ上で選択肢を配置し、ビジュアルで視覚的に伝えるのが特徴です。
ビジュアルIVRには、SMS(ショートメッセージサービス)に専用のURLを送信するものや、専用アプリを用いて画面表示するものなどがあります。

この仕組みを使うと、お客様はウェブサイトやアプリの画面に表示されたメニューからチャットやLINE、FAQ、チャットボット、有人の電話窓口などのチャネルに接続ができます。

コールセンター側のメリットとしては、お客様が自分で操作してチャットボットやFAQで自己解決ができるため、コールセンターにかかる電話を少なくする、いわゆる「呼減(こげん)」が期待できる点です。オペレーターの確保が難しくなり、採用コストも高くなっている昨今、このような省人化につながる仕組みは注目されています。

また、ビジュアルIVRは、チャットボットなどを活用することで24時間自動受付が可能になります。営業時間外の電話を別のチャネルに誘導することで「あふれ呼」対策となり、機会損失の低減にもつながります。

多くの消費者がスマートフォンを持ち、いつでもディスプレイから問い合わせができる今、呼減につながるビジュアルIVRの利用は今後ますます広がるかもしれませんね。
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