? 通話録音システムの目的と利用_5分で学べる、なるほど!コールセンターシステム

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活用範囲が広がる、通話録音システムの目的や利用方法について徹底解説!

2022年3月15日
今回はコールセンターで使われている「通話録音システム」について解説します。お客様とオペレーターとのやり取りを録音しておく機能で、コールセンターの現場では以前から活用されていました。最初は応対の事実確認用の記録であった「通話録音」ですが、徐々に利活用の範囲が広がり、今では非常に重要な音声データとなりつつあります。それでは詳しく見ていきましょう。

トラブル発生時の事実確認に利用

通話録音システムは、「ボイスロギングシステム」や「ロガー」とも呼ばれます。
全通話を録音したり、特定のオペレーターや業務を選択して録音したり、一定の割合でサンプリング録音を行うことが可能です。録音した音源を長期間保存しておくことや、検索することもできます。

この通話録音、十数年前はアナログのテープに録音しており、テープがいっぱいになるとメールで通知が届き、人が新しいテープに交換するといったことをしていましたが、今ではクラウドに音声データを保存する方法が主流になっています。
<ロガーの変化>
では、そもそもなぜ通話録音が必要になるのでしょうか?
通話録音を行う目的として、以前から重視されて今もベースとなっているのが、「応対内容を記録・保存することで、顧客とのトラブル発生時に事実確認に活用する」という考えです。つまり「言った・言わない」といった問題に対して、しっかりと記録を残しておくわけですね。このように、トラブルなどに対する「保険」という意味合いが通話録音を行う際の大前提にあります。

教育や確認、さらにはVOC分析でも活用

先述のとおり、通話録音システムを使う大きな目的は、トラブル時の事実確認に利用することです。ただ、せっかく録音・保存している音声データを活用しないともったいないという観点から、「教育」という側面でも活用されるようになります。
録音している応対内容の中からお手本になるものをスーパーバイザー(SV)などの管理者が選び、新人オペレーターの教育や研修に利用するのです。
<教育シーンでの活用イメージ>
これ以外にも、オペレーターが通話後の「確認」に利用するケースもあります。
通話終了直後にオペレーター自身が自分の応対内容を聞き直し、入力間違いや漏れがないかを確認するのです。以前はSVしか通話録音システムにログインできない仕様でしたが、今ではオペレーターが自分で通話を確認できるようになっているものが多いです。
もっとも、心配性なオペレーターだと、自分の通話すべてを聞き直して時間がかかってしまう可能性もあるので、確認作業をする場合はSVに報告するなど運用方法を事前に決めておくとよいでしょう。

そして、通話録音の利用方法として昨今注目されているのが、「VOC(顧客の声)分析」や「感情解析」といった場面で音源を活用するケースです。お客様との対話内容から真意やニュアンスを把握するための元データとして使うのです。AI(人工知能)の登場もあり、音声データがさまざまな分析に用いられるようになってきています。

このように通話録音は、トラブルなどの際の「保険」から、オペレーターの「教育」、さらには通話内容の「確認」という用途に使用され、最近では「VOC分析」や「感情解析」にも使われています。
<ロガーの目的変化>
これ以外にも通話録音によって期待できる効果として、オペレーターの心理的な不安を取り除くということがあります。通話の最初に「録音している」という趣旨のガイダンスを流しておくことで、悪質なイタズラ電話や迷惑電話の抑止となり、結果的に業務に当たるオペレーターが安心して受電できることにつながります。

「モノラル」と「ステレオ」の違い

さまざまな用途に活用される通話録音ですが、その手法は大きく「モノラル」と「ステレオ」の2種類に分かれます。

モノラルは1つのマイクで音を拾い、ステレオは2つ以上のマイクを使います。これによって録音する音に違いが生まれます。最も大きな違いは、モノラルではオペレーターとお客様のやり取りが混ざった状態で録音されますが、ステレオだとオペレーターとお客様とで通話の内容を分けて記録できます。これを「話者分離(わしゃぶんり)」と言います。
<録音のイメージ>
そのため、ステレオで録音していれば、チャンネル1とチャンネル2のように切り替えて、お客様の声だけを取り出したり、オペレーターの声だけを聞くといったことが簡単に行えます。もちろん時系列に沿って互いのやり取りを聞くことも可能です。

なお、VOC分析や感情解析などを行う際は、音声データが話者分離されていないと活用できません。というのも、その声がオペレーターの発話かお客様の発話かを判別できなければ、分析ができないからです。そのため分析や解析に通話録音を活用する際は、ステレオで通話録音されている必要があります。

CRMから音声データを聞き起こす

通話録音の応用編として、CTI連携によってCRMシステムに紐付ける方法があります。例えば、あるお客様が通販で化粧品を購入したとします。そのやり取りの通話録音データをCRMの受注履歴に自動的に紐付けることができるのです。その結果、CRMの画面から簡単にその時の音声を聞き起こすことが可能になります。

実は、録音データを検索して目当てのものを見つけ出すのは、かなり大変で時間がかかります。膨大なやり取りの中から特定の応対履歴を探し出すわけですから、何らかの検索や絞り込みがなければ、トライ&エラーを何度も繰り返すことになります。CRMシステムを使って各工程の音声データを簡単に聞き起こせることができれば、現場の作業効率を高めるため、非常にありがたいと言えます。ですから、通話録音システムを使う際には、CTIと連携させてCRMシステムに紐付ける方法も試してみてはいかがでしょうか。
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