? 「FAQ」の最新事例を紹介_5分で学べるコールセンターコラム

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コールセンターで使われる「FAQ」は、オペレーターの通話のサポートや作業効率の向上などさまざまな役割を担っています。最近では音声を認識してテキストに変換する「Speech to Text (STT)」という技術を活用したFAQも登場し、現場の効率化アップに貢献しています。今回は最新のコールセンターのFAQの事例や、FAQを扱う際の注意点などを紹介します。

テキスト化された会話からAIが最適なFAQをおすすめ

お客様からの問い合わせに対してオペレーターが適切に回答する上で、コールセンターのオペレーター向けFAQが役に立ちます。FAQではお客様の質問に合わせた回答が提示されるため、オペレーターはその回答を参考に受け答えを行います。
オペレーター向けのFAQによって、お客様に対する応対品質を維持・向上できるだけでなく、オペレーターのストレスや不安感を払しょくすることにもつながります。その意味では、コールセンターのFAQは現場で非常に重要な役割を果たしていると言えます。
そのFAQが今、進化を遂げています。

以前であれば、オペレーターはお客様が尋ねている内容を理解して、自分で問い合わせに合ったFAQを検索し、回答を導き出していました。こうした作業を行うため、オペレーターがうまく検索できるかをチェックすることもありました。
というのも、FAQを的確に検索するにもコツが必要だからです。ほしい回答が見つからなければ、たどり着くまで検索キーワードを変更したり足したりしなければならず、コツを知らない新人のオペレーターなどは、検索に時間がかかってしまうことがありました。
<これまでのFAQ>
ところが最新のFAQには、自動のレコメンデーション機能が搭載されています。音声認識を行うSTTの技術を活用してオペレーターとお客様の会話をリアルタイムでテキスト化。そのテキストからお客様が知りたい内容をAIが予測し、最適なFAQの候補を表示します。会話内容をもとに、マッチするFAQかどうかをAIがリアルタイムで点数化して、一定の点数以上のものを表示する仕組みになっています。
オペレーターはレコメンドされたFAQをもとに回答するだけでよいのです。以前のようにFAQを検索する必要はありません。もちろん事前に検索の仕方を習得する手間も省けます。
<進化したFAQ>
このAIによるFAQの自動レコメンデーションは、会話内容に応じておすすめするFAQが順次変化していきます。同時に、前の会話でおすすめしたFAQの中からオペレーターが見返したいものがあればすぐに確認することも可能です。
<ビーウィズの提供するAI-FAQ「シークアシスト」画面_テキスト化された会話をもとにAIが最適なFAQをレコメンド>

そもそもFAQがない場合は?

AIによるFAQの自動レコメンデーション機能は非常に便利で、オペレーターの作業効率を高め、応対品質向上を実現します。多くのコールセンターでFAQが用意されているので、STTを使った自動レコメンデーションを活用してもらいたいと思います。

とはいえ、中にはFAQを用意していないコールセンターもあります。そうしたケースでも、最近ではテクノロジーの力を使うことで、比較的簡単にFAQを作成することができます。作成方法を簡単に説明すると、以下の通りです。

まず一定期間、通話データを蓄積します。集まった通話データは音声データですので、それをSTTを使ってテキストに変換します。テキスト化された会話の中から同じような趣旨のやり取りをグループごとに分類する「クラスタリング」という作業を行います。これによってよくある質問のパターンを把握でき、FAQの土台となる要素がそろいます。あとは質問に対する最適な回答を用意すればFAQが完成します。

【FAQ作成ステップ】
・通話データの蓄積
・音声データのテキスト化
・クラスタリング (同じような趣旨のやり取りをグループごとに分類)
・良くある質問パターンを把握
・重要度の高いQAから整理、作成

ただ、注意すべきなのは通話データを蓄積する期間です。仮に4~6月の3カ月間、お客様とのやり取りのデータを貯めて、それをもとにFAQを作成したとします。それでは、データ収集を行った以外の季節に対応していません。つまり年末にだけ多く寄せられる問い合わせ内容があったとしても、FAQに反映されていないという事態が生じます。こうしたことがないよう、季節ごとの傾向などを踏まえたFAQを作るには、1年間のデータが必要になります。

FAQのマスターを本気で作成・管理するかが問われる

コールセンターでFAQを活用する上で大事になるのは、FAQのマスターデータをしっかりと管理して更新することです。
このマスターデータは、オペレーター向けの通話中のFAQだけでなく、後処理の際のFAQ、あるいは企業のウェブサイトに掲載する外部向けのFAQ、さらにはチャットボットなどにも応用できるものになります。さきほど紹介したFAQの自動レコメンデーション機能は、オペレーターが通話中に見るためのものですが、それ以外にもさまざまなシーンでFAQのマスターデータが活用できるわけです。

こうした点を考慮すると、FAQを活用するということは、FAQのマスターデータを本気で作成・管理するかどうかが問われると言っても過言ではないでしょう。そして、本気で取り組めば、FAQの種類ごとに以下のようなメリットが期待できます。

・通話中のオペレーター向けFAQ
→オペレーターがFAQを検索する手間を減らし通話品質を高めることができる
・後処理中のオペレーター向けFAQ
→オペレーターが後処理作業にかかる時間を削減できる
・ウェブサイトに掲載する外部向けFAQ
→お客様の自己解決を促してコールセンターの呼減に寄与する

このようにオペレーター向けFAQで作業効率や顧客満足度を高めたり、外部向けFAQで呼減してコストを圧縮できたりします。こうしたメリットが期待できるため、FAQのマスターデータはしっかりメンテナンスすることが大切です。
ただし、そのためには専任のスタッフを確保するなど一定のリソースを割く必要があるので、そのリソースの分だけ成果が出るかは冷静に見極めたほうがよいでしょう。

ちなみに、ビーウィズのAIによるFAQ自動レコメンデーション機能「seekassist(シークアシスト)」を導入したセンターの中には、新人研修の時間を72時間から46時間にまでスリム化し、約36%の研修時間削減をした事例もあります。その結果、研修にかかるコストが大幅に低減しました。また、一般的に新人研修の期間が長くなればなるほど離職率は上がります。「シークアシスト」で研修時間を短くできたことで離職率は5分の1になり、大きな離職抑止効果が出ています。

STTを使うならリアルタイムテキスト化でフル活用を

ここまで見てきたように、コールセンターのさまざまな業務でリアルタイムテキスト化の技術を活用することが可能です。

見方を変えると、リアルタイムテキスト化を多岐にわたって活用しないと、STTを使う際の費用対効果が見合わないとも言えます。もし、STTをしっかりと使いこなすことができれば、コールセンターの生産性は上がり、効率的な運営が可能になるでしょう。

STTはまだVOC分析にしか使っていないというセンターもあるかもしれません。VOC分析は手間がかかる割に、その効果が限定的だったり、せっかくやってもそこから得られるインサイト(気付き)が少ないといった指摘が現場からは出ています。

総合的に判断すると、STTを使うのであれば、リアルタイムテキスト化まで踏み込んで、さまざまなシーンでフル活用することをお勧めします。多少の手間がかかったとしても、それをすることでセンター運営には間違いなくプラスに働くと思われますので、ぜひ試してみてください。

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