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コンタクトセンターDXと進化する業務運営を学ぶ

あなたのセンターのDX耐性が分かる! システム導入を成功に導く本当のプロジェクト設計 ~システム導入のゴールはどこか~

2025年12月23日

はじめに

今、AIの進化とDXの推進で、コールセンターに変革が求められています。その際に、避けて通ることができないのが「システムの導入」です。

システムの導入による変革をよりよいものにしていく上で、コールセンター管理者はどのような組織づくりを行い、どのようにプロジェクトを進めればよいのでしょうか。

企業のDX推進状況を取り巻くデータを見ながら、皆様といっしょに考える機会になれば幸いです。


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世の中みんな困っている!?DX推進

そもそもDXとは


「DX」。皆様はこの言葉をどのように定義されていますか? 「実は社内の各メンバーが曖昧の定義をあいまいにしたまま議論を進めている」というケースも、多いのかもしれません。同じ言葉でもその捉え方は様々ですから、DXの定義を揃えておくことはとても重要です。

経産省が発表している「デジタルガバナンスコード」から引用しますと、DX(デジタルトランスフォーメーション)とは「デジタル技術やツールを導入すること自体ではなく、データやデジタル技術をつかって、顧客目線で新たな価値を創造していくこと」です。
そこに至るまでには、下記のステップがあると定義されています。
DXとは
DXとは
DXは、デジタイゼーション→デジタライゼーション→デジタルトランスフォーメーションにステップアップするとされています。まず土台となるのは、デジタイゼーションです。パーツのデジタル化により「その先」に備えておくことが重要です。そして、デジタライゼーションではそのデジタル化項目を機能の塊として、フローとして繋ぐことで機能の効率化を実現します。業務前提の視点から見れば、部分最適の状態です。

そこからさらに、組織全体を変革し新たな価値を創造していくことがDXといえます。

では、世の中はこのDX成功しているのでしょうか。

実はゴールが決まっていない?日本のDX

日本におけるDXの取り組み状況について、IPAの「DX白書2023」および「DX動向2025」からデータを引用し、ご紹介しましょう。

DXの取り組み状況


日本におけるDXの取り組み状況を、米国と比較したデータがあります。このデータを見ると、日本においてDXは、浸透は進んでいますが、DXを謳いつつの「デジタライゼーション」つまり部分最適にとどまっているのかもしれない現実が見えてきます。細かく見ていきましょう。
世の中のDX事情:DXの取り組み状況
世の中のDX事情:DXの取り組み状況
全社的にDXに取り組む企業が増加しているが、伸び悩んでいる

最新のデータでは、米国と比べ少なかった「全社的にDXに取り組んでいる」割合が、年々上昇しています。ただし同時に、その上昇率は伸び悩んでいることもわかります。

部署ごとに個別」でDXに取り組んでいる企業も多い

一方、「部署ごとに個別」でDXに取り組んでいる割合は米国を上回り、更に拡大傾向にあります。

DXとは本来、企業の組織全体で取り組むものではありますが、日本企業の実態としては「部署ごとの推進力が求められる」ケースが多いのです。

DXの取り組み成果


「DX白書2023」および「DX動向2025」では、DXの成果をどのように認識しているかについても、調査されています。

日本において「取り組みの成果が出ている」と回答した割合は、米国のおよそ66%

2024年度の調査では、「取り組みの成果が出ている」と回答したのは57.8%です。米国は、87%が「取り組みの成果が出ている」と答えています。成果に大きな開きが出ている背景にはどのようなことがあるのでしょうか。次のデータで考察してみましょう。

世の中のDX事情:DXの取り組み成果
世の中のDX事情:DXの取り組み成果
日本は米国より「成果が出ていない」「わからない」と答えた企業の割合が多い

日本において「成果が出ていない」と回答した割合は、2022年度で米国の3.7倍、2024年度でもなお米国の2倍です。さらに「わからない」と回答した割合は、2022年度で4倍、2024年度はなんと5倍にもなっています。

この「わからない」状況こそが、課題であると読み取ることができます。つまり日本の企業において、DXの「目的」や「成果の測り方」が曖昧になっている可能性があるのです。

デジタル化の目的は何か?

では、そもそもデジタル化の目的にはどのようなものがあるのでしょうか。国別に集計された下記データでは、大きく5つの目的に分類されますが、日本においては「生産性向上」がもっとも多く挙げられています。一方で、DXの本来の視点である「新規ビジネス創出」「商品・サービスの差別化」「顧客体験の創造・向上」に関しては、米国・ドイツ・中国と比較して低い割合です。
世の中のDX事情:デジタル化の目的
世の中のDX事情:デジタル化の目的
先ほどの、DXの取り組みの成果について「成果が出ていない」「わからない」という回答が多いということと併せて考えると、多くの日本企業においてDXを推進する上での目的の整理とゴール設定が、曖昧になっており、その適切なゴール設定こそが、DX成功のカギを握っていると言えるのではないでしょうか。

DXを推進する上での課題や障壁


企業がデジタル化を進める上での課題は何か、そして何が障壁になっているのか、こちらも各国を比較したデータがありますので、そちらを見てみましょう。
世の中のDX事情:課題や障壁
世の中のDX事情:課題や障壁
主なポイントは、以下の3つです。

・日本は「人材不足」及び「デジタル技術の知識・リテラシー不足」という回答が多い
・「アナログな文化・価値観が定着している」という意識的な問題も多い
・日本は「明確な目的・目標が定まっていない」という回答の割合が、他国より圧倒的に多い


このように、日本では「人材」や「リテラシー」を挙げた回答が多いのですが、「明確な目的・目標が定まっていない」という回答が多い点も注目です。

「DX動向2025」で紹介されている2024年度の調査においては、DXに取り組みんでいる日本企業のなんと6割以上が成果指標を「設定していない」と回答しています。

ここまでをまとめますと、日本におけるDXの取り組み状況は、

・各部の推進力に求められることが多い
・DXの目的・ゴール設定が曖昧なことが多い
・コールセンターDXを進める際も、コールセンター当事者の工夫に依存することが多い


といえます。

コールセンター管理者としてDXを成功させるための「3つの視点」


このようなDXへの取り組み状況を踏まえると、DXを上手に進めるためのポイントはこちらの3つと定義できるでしょう。

・組織体制
・目的と要件整理
・運用設計・調整


後半では、この3つの視点を深掘りしていきます。

システム導入PJTに求められること

DXを上手に進めるための3つのポイント、ひとつ目は「組織体制」です。

DXと組織体制


プロジェクトを推進する組織体制として、皆様はどのようなものをイメージされるでしょうか。恐らく多く企業においては、次の3つに当てはまることでしょう。


DXと組織体制:プロジェクトを推進する組織体制
DXと組織体制:プロジェクトを推進する組織体制
・まずは「IT部門主導型」
・そして、その反対といえる「センター主導型」
・最後に、中間ともいえるポジションの「プロジェクト型」


どの組織体制にもメリットデメリットがありますから、正解はありません。しかし、各体制の特性を捉えて進めていくことが大切です。

ただ、正解がないとはいえ、どのような組織であっても、プロジェクトにおいて求められる役割がありますから、その役割を担える体制になっているかどうかは、確認しておく必要があります。

では、プロジェクトで求められる役割・スキルにはどのようなものがあるでしょうか。各フェーズにおいてどのようなスキルが求められるかを整理したのが、次の図です。
DXと組織体制:プロジェクトで求められる役割・スキル
DXと組織体制:プロジェクトで求められる役割・スキル
プロジェクトを推進するにあたっては、推進役であるリーダーが全体像を理解し、チームメンバーの役割とスキルを整理して、穴がありそうな部分をケアすることが重要になります。

導入の目的と要件


次に「導入の目的と要件」です。「DXの目的は?」と聞かれて、少し悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。一緒に整理しながら、具体的に見ていきましょう。

考えられる目的

コールセンターのDXを推進する目的として主に考えられるのは、3つです。

・経営視点:「DX推進」「価値創造」といった全社の取り組み。
・マネージャー視点:「工数削減」「エラー回避による精度向上や無駄の削減」「効率化による量対応」などより現場が想像しやすいメッシュ。
・現場視点:「●●の処理を楽にしたい」「入力選択ミスを無くしたい」「あのレポートを楽に出したい」等の日々の運営視点。

DXの目的
DXの目的
さて、DXの目的として正しいのはどれでしょうか。実はどれも正解で、重要なのは「すべての視点に言い換えられること」です。

経産省が中小企業向けに紹介しているDX推進の事例の中にも「身近な小さなことから始めよ」と書かれています。言い換えれば、まずは「デジタイゼーションしなければ始まらない」ということです。しかしデジタイゼーションだけでは視野が狭くなりがちで、道半ばといえます。そこから更に改革を進めていく上では、マネージャー視点、経営視点まで俯瞰する必要があります。

つまり、DXを推進するにあたっての目標は、「すべての視点に言い換えられるようにしておくこと」が理想です。

要件の整理

DXの目的を具体化できたら、次に「要件を整理すること」が求められます。

要件の整理は、「欲しいものリスト」で書き出すと、全体像を捉えることができず失敗してしまうケースがあります。重要なのは、ある程度の網羅性をもって書き出すことです。このとき、「オペレーターレベル」の行動のフェーズに分けて整理すると、後々の運用調整まで持っていきやすくなります。
DXの要件整理:具体化したら要件を整理
DXの要件整理:具体化したら要件を整理
コールセンターで言えば、入電から後処理、そしてレポートや管理業務まで、行動レベルに落とし込みます。上図に示したような細かさで書き出すことで、機能要件が可視化しやすくなります。

要件をもとにしたシステム選定

要件の整理ができたら、いよいよシステム選定に入ります。

「システム」と「実業務の要件」を近づけることは意外と難しいことですが、要件が整理されていれば、それをシステムベンダーに明確に伝えることができ、機能の対応・非対応を着実に確認できます。

では、システムベンダーを選定する際には、どのようにして絞り込めばよいのでしょうか。世の中にはたくさんのシステムがあるため、整理が難しいのも事実です。
DXの要件整理:要件を元にしたシステム調査
DXの要件整理:要件を元にしたシステム調査
流行りのAIシステムで失敗しないために

ところで、昨今は多種多様な機能をもつ「AIシステム」があります。そしてシステムインテグレーションにより、システムの全貌がつかみにくくなったことで、システム選定の難しさも加速していることは間違いありません。本コラムの本題とは少しそれますが、AIとシステムという観点で、少し触れておきます。

AIの軸となる技術には「予測」という大きな概念が存在します。すべてのAIは、この予測をどのように繋げて、実用性の高いシステムにしていくかに繋がっていくのです。

そして、その予測を取り巻くように「分類」という概念を置くことが出来ます。徐々に利用用途を想像しながら意思をもって分類することを学習しているイメージです。

最後に「実行」という、最も細かい単位に分けられたプログラム走らせることになります。ここまで広げると、利用用途が多岐にわたり、業界により求められる機能も異なってきます。

AIの進化により、様々な実行フェーズまでをもたらすシステムがありますが、実行するためには、その業界の知見が必要であることは間違いありません。したがって、その知見が十分に反映されたツールであるかどうかを見極める必要があります。

要件定義をしっかり持っておけば、流行りのシステムに飛びづいて失敗することも減りますし、冷静にシステムの持つ機能要件を見極めるきかっけにもなります。

目的達成のための運用設計


続いては、システムの運用調整です。システムは、ただ導入して終わりではありません。プロジェクトを成功させるには、システム導入後のオペレーションフロー設計することが重要です。

システム導入後は、多くの影響があります。他部署と連携しているデータであれば、そのデータの型が変わることについて調整・協議する必要があります。オペレーター目線では、オペレーションの穴が無いように細かくケアする必要があります。

ここでは、業務フローのメッシュの細かさについてご紹介します。
システムの運用調整
システムの運用調整
ひとつは「モジュールレベル」です。受注・後処理のような機能単位で捉え、他部署連携などの全体像を見極めることができます。

もうひとつは「活動レベル」です。オペレーターの動作ひとつひとつを想像して書き出す必要があります。こうすることで、現状と変更後のオペレーション設計の精度が格段に上がります。

まとめと「DX推進チェックリスト」

ここまでお話しした、コールセンターDXのためにシステム導入プロジェクトを動かす上で「押さえるべきポイント」をまとめました。大きく4つのステップに分けることができます。
検討ステップのまとめ
検討ステップのまとめ
STEP1:まずは、デジタル化に関する現状分析をして「デジタイゼーション~DXまでのどの段階にあるのか」を考えます。
STEP2:そして、その段階に合わせた「プロジェクトの組織」を決めます
STEP3:目的は「大きなメッシュ」と「細かなメッシュ」で整理、要件はフェーズ別などで網羅して、優先順位とともにまとめておくことがポイントです。
STEP4:最後に運用調整です。システムを導入しても、このSTEP4でつまずいてしまい、ご相談をいただくケースも少なくありません。モジュールレベルのフロー化を行い、連携や全体像を確認するとともに、活動レベルのフロー化によって細部まで運用を調整します。

よりイメージしやすくするために、チェックリストもご用意しました。かなりの項目がありますが、ぜひこれを参考にしていただいて、皆様のセンターの現状をチェックしていただければと思います。
DX対策の準備チェックリスト
DX対策の準備チェックリスト
本セミナーの企画・実施
村木 友子(Omnia LINK事業本部)
コンタクトセンターの改善・教育設計を担当するビーウィズの品質管理部門にて、社内外プロジェクトへの教育企画・サービス提供に10年以上に渡り携わる。2022年、Omnia LINKのマーケティング企画部門が発足すると同時に部門長に就任。翌年からはOmnia LINK事業本部の副本部長を兼任し、2025年より本部長。これまでのオペレーション課題解決の経験を活かしプロダクトのマーケティングやプロダクト設計・サービス運用設計を担当。

小笠原 大介(Omnia LINK営業部)
20年以上にわたりコンタクトセンターを中心としたシステムソリューションに関わる。2014年よりビーウィズ株式会社に合流し、業態変革に向けた取り組みを加速しているビーウィズにおいて、デジタルビジネスの推進を牽引。現在Omnia LINK営業部長として、プロダクト提案はもちろん、クライアントコンタクトセンターの課題解決・改善提案などのコンサルティング面のサポートにも多く携わる。

<おことわり>本記事は、ビーウィズが「コールセンター/CRM デモ&コンファレンス 2023 in 大阪」および「コールセンター/CRM デモ&コンファレンス 2023 in 東京」の「事例&ソリューションセミナー」に登壇した際の講演内容を一部アレンジして記事化したものです。当時のセミナー内容とは一部異なる点もございます。ご了承ください。


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