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CTI連携・CRM連携だけじゃない! コールセンターのシステム連携をまるっと解説

2024年3月29日
今回は、クラウドPBXやコールセンターシステムの導入およびリプレイスの際によく聞く「コールセンターシステムと他システムとの連携」について紐解いていきます。

コールセンターでお問い合わせの受付や発信といった業務を行う上では、電話の受発信だけではなく、顧客情報の参照や対応内容の記録等のために、様々なシステムを利用することがあります。この各システムを連携させることによって、コールセンター業務の効率化が可能です。

新たなコールセンターシステムを導入する際には、往々にして「システム連携」の部分も作り直す必要があります。しかし、コールセンターの現場で働いている方からすると、耳なじみのない言葉も多いことでしょう。

この記事が、システム連携を理解する一助になれば幸いです。

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コールセンターシステムで「連携」といったら主役はCTIとCRM

システム連携とは、かんたんに言えば、異なるシステム間で情報(データ)を受け渡したり、紐づけたりすることです。詳しい呼び方はさておき、まずは「何と何が連携するのか」の例をご紹介します。

代表的なのは、電話のシステムとCRM(Customer Relationship Management、顧客関係管理、いわゆる顧客管理システム)の連携です。ここでは、電話とコンピューターシステムを統合する仕組みの「CTI(Computer Telephony Integration)」が活躍します。

コールセンターでお問い合わせを受け付けたときの、着信後のオペレーターの行動に沿って追って、見ていきましょう。

問い合わせを受け付けたとき、本人確認のために氏名と電話番号を聞くのは一般的ですよね。そして過去にお問い合わせがあるかどうか、問い合わせ管理システム(CRM)を確認します。その際のオペレーターの動きは、例えば下記のような2種類が考えられます。

パターンA:


・お客様からヒアリングした電話番号をオペレーターがPC上のCRMに手打ち入力して顧客情報を検索
・検索結果から詳細情報を開き氏名を確認
・その他の必要な情報をヒアリングして本人確認

パターンB:


・オペレーターのPC上では、CRMに顧客情報が自動表示されており、オペレーターは画面を見ながらその他の必要な情報をヒアリングして本人確認

ここまで読んでお気づきの方も多いとは思いますが、上記の「パターンA」では、電話のシステムとCRMとが連携していません。両者を比較すれば、パターンBのほうがオペレーターの手間が少なくて、間違いが起きにくいことは明らかですね。

パターンBは、電話のシステムとCRMが連携することで、お客様が発信された電話番号をもとにして、CRMが顧客情報を自動で表示しています。コールセンターで「システム連携」と言えばこのように、電話とコンピューターシステムを統合する「CTI」と、顧客情報を管理する「CRM」の連携を指すのが一般的です。「CTI連携」や「CRM連携」と呼ばれますが、Omnia LINKでは、「CTI連携」と称しています。
電話番号をもとにして情報を自動表示する流れ

その他のシステム連携の例

CTIやCRMの連携の他にも、いろいろな「システム連携」があります。

コールセンターのCRMと他システムとの連携


代表的なものは、コールセンターで使用しているCRMと、顧客情報を扱う他のデータベースやCRM、その他システムとの連携です。例えば、下記のものが挙げられます。

・CRMと顧客情報管理システム(データベース)の連携
・CRMと他のCRMの連携
・CRMとSFAの連携
・CRMとECシステムの連携

※SFA(Sales Force Automation):営業支援システム。営業先の企業や顧客、商談情報等を管理する。CRMとSFAの連携の他、電話システムとSFA がCTI連携することも多い。代表的なSFAは「Salesforce」。
※EC(Electric Commerce):Eコマース。インターネット通販サイトやアプリ等でのショッピング。

先ほど紹介したような、入電時に発信元の電話番号をもとにCRM上で自動表示される顧客情報は、元をたどればお客様がWebサイトから会員登録をして、顧客情報管理システムに保存されたもの……というのが、よくあるシステム連携のケースです。

また、インサイドセールスのような、コールセンターからお客様に電話をかける「アウトバウンド」が中心の業務では、SFAに登録されている顧客情報に対して、ダイヤラーを用いて自動発信していくといったことが行われますが、ここでシステム連携が活きてきます。

コールセンターで使用するCRMはあくまでも「コールログシステム」として使われており、大元の顧客情報は別システムで管理されているケースがほとんどでしょう。そこで「連携」が必要になってくるのです。

コールセンターのCRMと後工程との連携


そして、システム連携は何も「CTI連携」や顧客情報の連携に限ったことではありません。例えば、お問い合わせの内容に合わせて、「情報の更新」や「ワークフローの送信」といった後工程まで、各システムを連携させることもあります。システム連携したほうが「あっちのシステムの画面を開いて、こっちのシステムにコピペ」とやるよりも効率がよく、ミスも起きません。

システム間の連携方式に関する、知っておきたい5つのことば

「連携する」とは、要するにデータを受け渡したり、紐づけたりといったことです。その方法には、いくつかの種類がありますが、ここでは大きく5つに分類して紹介しましょう。それぞれの言葉の意味にはオーバーラップする部分も多いのですが、あまり難しく考えず「そういうものがあるんだ」と知っていただければ幸いです。
システム間の連携方式に関する、知っておきたい5つのことば

1.ブラウザー連携


ブラウザー連携は、PCのWebブラウザーからシステムを操作する際によく使われる手法です。システムによっては「URL連携」と呼ばれていることもあります。

例えばコールセンターに着信があり、コールセンターシステムからCRMへと発信元の電話番号を連携したいとき、連携に必要な情報を盛り込んだURLを作成します。そのURLをWebブラウザーが開いて、システムにログインし、発信元の顧客情報を表示させるところまでを自動化します。

コールセンターシステムだけでなく、様々なシステムで使われている連携方法です。

2.API連携


APIとは、「アプリケーション・プログラミング・インターフェース(Application Programming Interface)」の略で、あるアプリケーションの機能を、別のアプリケーションで呼び出して利用するための窓口のようなものです。

このAPIを使ってプログラム(アプリケーションやソフトウェアと呼ばれるもの)同士が連携することを「API連携」と呼びます。中でもWebアプリケーションのAPIを「Web API」と呼び、私たちが日常的に使用しているGoogleやX(Twitter)、Facebook、ECサイトなど様々な場面で使われています。

例として、「ソフトウェアA」が「ソフトウェアB」からデータを得たいケースで説明しましょう。「B」はあらかじめ「こういうふうに聞いてくれれば、こんなかたちでお望みのデータをお渡ししますよ」という決まり事を作り、外部に公開します。いわば「メニュー表」のようなものです。「A」はそのメニュー表に従って注文をして、「B」から返ってきた品物を受け取ればよいのです。

コールセンターシステムの場合ですと、CTIとCRMが連携する際、CRM側で用意されているWeb APIを利用するケースが考えられます。

APIがあることで、ソフトウェアやWebサービスを連携させるための開発が容易になり、ひいてはそれらを使うユーザーが便利になります。

3.データベース連携(DB連携)


データベース連携(DB連携)は、文字通りデータベースの情報を参照したり、データベースとデータベースが紐づいたりして連携することを言います。先ほど紹介したAPI連携も、連携先がデータベースであれば「データベース連携」と呼ぶことができますし、この後に紹介する方法でも同様です。ひと口に「データベース連携」と言っても、その範囲はだいぶ広いものです。

狭い意味で説明すると、データベース連携とは、データベースに格納されているデータを参照することや、複数のデータベースが同期することを指します。例えば、コールセンターで使用しているCRMと、ECサイトのシステムとの間で、常に、もしくは一定間隔で顧客情報が同期する、といったことです。

データベースによってはAPIが用意されている場合があるほか、データベースどうしを連携させるためのツールも存在します。お使いのシステムに合わせて、連係の仕組みを一から開発するということもあるでしょう。

4.ファイル連携


ここまでAPI連携やDB連携について紹介しましたが、読んでいて「なんだか難しいなあ」と感じた方も多いのではないでしょうか。でも、すべてのシステム連携が難しい仕組みを使っているわけではありません。比較的簡単なシステム連携としては「ファイル連携」が挙げられます。

ファイル連携とは、あるシステムからデータを「CSV形式」や「XML形式」で書き出して(エクスポート)、別のシステムに取り込む(インポート)ことです。書き出しと取り込みは、頻度が少ない場合や単発の作業であれば、手動で行います。また、1日1回だけデータが連携すればよいようなケースでは、毎日決められた時間に自動でプログラムが実行されて、エクスポート~インポートするといったことも行われています。

リアルタイムに連携する必要がなくて、データの数もそれほど多くない(データ容量が小さい)場合、このファイル連携はとてもリーズナブルで有効な手段です。

5.RPA連携


人に代わってPC上での様々な作業を行ってくれるのが、RPA(Robotic Process Automation)です。例えば、上で触れたばかりのファイル連携を行う場合でも、ファイルの書き出しから取り込みまでの作業を、RPAに任せているケースも、もはや珍しくはありません。

RPAはきちんと設計すれば、人間の手作業と違ってミスを起こさないというメリットがあります。例えば、コールセンターでお問い合わせを受けた後、ヒアリング~記入した情報を基に別のシステムで申請などの後処理を行う場合も、RPAを活用すれば転記ミスや転機漏れを防ぐことができます。

RPAの処理スピードは手作業と大差ないケースが多いため、大量の作業を高速で処理したいというニーズには合いません。しかし、ロボットはずっとその作業を続けても、集中力が落ちたり眠くなったりはしません。業務の特性によっては、有力な選択肢となるでしょう。

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システム連携でコールセンターの外と情報がつながる例

コールセンターの業務効率化にシステム連携は欠かせない

ここまで解説したように、コールセンターのシステムは、電話やCRM等のシステムと連携することで、業務の効率を向上させることができます。システム連携は、お問い合わせ窓口等のインバウンド(受信)業務はもちろん、インサイドセールス等のアウトバウンド(発信)業務でも欠かせません。

そして、電話とコールセンターシステムの「CTI連携」や、各CRM間の連携にとどまらず、システム連携の領域は広がっています。後処理の自動化も、その流れのひとつです。

例えば、問い合わせ内容を記録した後、必要な処理(例:注文の変更、他部署への対応依頼、物品の発注等)までも連携により自動化していく動きがあります。また、電話でのお問い合わせを音声チャットボットで受け付けて、内容に応じてお客様のアクションを促すSMSを送信するといった仕組みも、システム連携が支えています。

コールセンター・コンタクトセンターのDXを推進していく上で、システム連携の重要性はますます高まっています。

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