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フィジビリティスタディとは? システム導入プロジェクトを成功に導く手法と実施タイミング

2026年3月3日
新たにシステムを導入する際、その意思決定前にどれだけの検証ができているでしょうか。どうしても機能比較や予算ありきでシステムを選定しがちですが、導入したシステムで業務が回り、期待どおりの効果を得るには、最終決定前の検証が重要になります。それが「フィジビリティスタディ」です。


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フィジビリティスタディとは

Feasibility Study - フィジビリティスタディ(フィージビリティ・スタディとも)は、主に「実現可能性の調査」と訳される言葉で、文字どおりプロジェクトが実現できるかどうかを調査する取り組みです。

フィジビリティスタディが実施される場面は、システムの導入プロジェクトだけではありません。新規事業を立ち上げる、新しい地下鉄を建設する、街の再開発事業を行う━━など、様々な場面で実施されます。

システム導入プロジェクトにおいても、その成功率を高めるためにはフィジビリティスタディが大変有効です。一方で「実態が見えない」「無駄な工数が増えるのではないか」という心配の声もよく聞かれます。フィジビリティスタディの意義とはなんでしょうか。そして、いつ実施するのが最適でしょうか。

フィジビリティスタディの意義と実施するタイミング

システム導入プロジェクトにおけるフィジビリティスタディの意義を見ていくために、コンタクトセンターシステムの導入を念頭に、よくあるプロジェクトの進め方を整理しておきましょう。

フィジビリティスタディがないプロジェクトの進み方

フィジビリティスタディの意義は?
フィジビリティスタディの意義は?
上の図のように、プロジェクトの構想があり、そこから調査フェーズに入ります。調査フェーズでは、次のような項目を実施するかと思います。

・現状課題整理
・As Is業務フロー
・システム情報収集
・機能比較
・見積り取得

この調査フェーズを経て意思決定がなされ、そして構築に入っていくわけですが、肝心な「業務フローの検証」については構築後に具体化することが多いのが実情です。これでは、意思決定後に新たな課題が出てくる可能性があるのも頷けます。

フィジビリティスタディは構築が始まる前に実施する


続いて、フィジビリティスタディを実施するプロジェクトの進め方を見ていきましょう。

フィジビリティスタディは、プロジェクトの構想が終わってから構築が始まる前までに行うのが一般的です。フィジビリティスタディは様々な業界の新規プロジェクトで用いられる手法ですが、コンタクトセンターのシステム導入に当てはめると、下の図のようなフェーズが想像しやすいと言えます。
フィジビリティスタディは構築が始まる前に実施する
フィジビリティスタディは構築が始まる前に実施する
ひとつ前の図にある構築部分の曖昧さが、フィジビリティスタディの実施によって解消され、進行の確実性が担保されることが分かるかと思います。とくに、課題の中心となっている業務フローのTo Beをあらかじめ想定しておけることが最大の強みです。また、使い方を含め、現場の評価をあらかじめ確認しておけるので、導入後の運用定着がスムーズに進むことも大きなメリットです。

PoCとの違いは?


PoC(Proof of Concept:概念実証)もよく用いられる手法ですが、フィジビリティスタディはPoCより広い範囲をカバーします。PoCが「一部の機能検証」にとどまるのに対して、フィジビリティスタディは「その機能をもってどのように全体に組み込むか」といった視点で見ていきます。

なんとなく「フィジビリティスタディが有効そうだ」という想像はついたと思いますが、ここからは、実際の進め方と事例を見ていきましょう。

フィジビリティスタディではどんな軸で検証・評価をするのか

フィジビリティスタディを実施する際、どのような軸で検証・評価を行えばよいでしょうか。一般的には市場/技術/財務/運用の4軸で語られますが、ここではコンタクトセンターに合わせて、顧客への影響/技術・機能/採算性/運用の4軸でまとめてみました。
フィジビリティスタディ、4つの軸
フィジビリティスタディ、4つの軸

顧客への影響


まず、顧客への影響です。コンタクトセンターのシステムは顧客接点そのものであることも多く、この影響を慎重に検証、評価する必要があります。顧客に与える影響があるか、業界/市場に与える影響があるか、その検証が十分にされているか……といったことを調査します。

技術・機能


機能は、機能一覧表では網羅されているか否かだけではなく、それが自社の業務で本当に使えるのかが重要です。システムが、要件に対して適切な機能を提供できるか、性能は妥当か、機能の利用に問題はないか……といったことを調査します。

採算性


次に、採算性です。コストの妥当性や、投資対効果を調査します。

よくあるのが「基本機能内で実装できると思ったら、オプションを使わないと実現したいフローに落とし込めない」という問題です。結果としてコストが膨れ上がることも「システム導入プロジェクトあるある」ですので、その点でも事前に検証できることは大きな意義があります。

運用


最後に運用です。フィジビリティスタディでは、こちらが最も重要といえます。運用フローにのせたときの、運用負荷の検証、KPIへの効果、リスクの洗い出しなどを、フィジビリティスタディの段階でクリアにしておきます。

システム導入で失敗しないためのポイント

フィジビリティスタディの意義と実施内容についてご紹介してきましたが、ここまでを踏まえて、システム導入プロジェクトにおける「失敗と成功の分かれ道」を見ていきましょう。以下に挙げるポイントを見落とさなければ、成功する可能性が高まります。

1. フィジビリティスタディの評価指標が部分的でないこと
2. ひとつのフローへの過度な期待ではなく、全体最適で評価すること
3. とくに見落としてはいけないポイントである「運用面の評価指標不足」に注意すること

よくある落とし穴は「導入部門だけの視点」や「単一の機能だけの視点」といった部分最適です。
部分最適に陥らない、全体視点を持つこと
部分最適に陥らない、全体視点を持つこと
言い換えれば「部分最適に陥らない、全体視点を持つこと」こそが、システム導入プロジェクト成功の鍵となります。

おわりに

構築前にフィジビリティスタディを実施することで、そのシステムを導入すると「どこに、どのような影響があるのか」を見極めることができ、乗り越えるべき課題も明確になります。

システム選定の最終決定の手前で問題点が見つかり、結果として「このシステムはマッチしない」と判断されることもあるでしょう。あまり起きてほしくはないことですが、構築が始まってからプロジェクトがとん挫するよりは大幅に後戻りが少なくなるのも、フィジビリティスタディのメリットです。

システムの導入プロジェクトには多大な労力を必要としますが、この記事を通じてフィジビリティスタディについて知っていただくことで、皆様が携わるプロジェクトが成功へと近づくお役に立てれば幸いです。

ご不明な点や、コンタクトセンターにおけるシステム導入についてお悩みなどございましたら、ぜひお問い合わせください。
本セミナーの企画・実施
村木 友子(Omnia LINK事業本部)
コンタクトセンターの改善・教育設計を担当するビーウィズの品質管理部門にて、社内外プロジェクトへの教育企画・サービス提供に10年以上に渡り携わる。2022年、Omnia LINKのマーケティング企画部門が発足すると同時に部門長に就任。翌年からはOmnia LINK事業本部の副本部長を兼任し、2025年より本部長。これまでのオペレーション課題解決の経験を活かしプロダクトのマーケティングやプロダクト設計・サービス運用設計を担当。

小笠原 大介(Omnia LINK営業部)
20年以上にわたりコンタクトセンターを中心としたシステムソリューションに関わる。2014年よりビーウィズ株式会社に合流し、業態変革に向けた取り組みを加速しているビーウィズにおいて、デジタルビジネスの推進を牽引。現在Omnia LINK営業部長として、プロダクト提案はもちろん、クライアントコンタクトセンターの課題解決・改善提案などのコンサルティング面のサポートにも多く携わる。

<おことわり>本記事は、ビーウィズが「コールセンター/CRM デモ&コンファレンス 2025 in 大阪」および「コールセンター/CRM デモ&コンファレンス 2025 in 東京」の「事例&ソリューションセミナー」に登壇した際の講演内容を一部アレンジして記事化したものです。当時のセミナー内容とは一部異なる点もございます。ご了承ください。


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