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コンタクトセンターDXと進化する業務運営を学ぶ

「Fit to Standard」と「Fit & Gap」の違いとは? システムを業務になじませるための導入プロジェクト

2026年3月3日
企業がDXを推進する上で新しいシステムを導入する際、業務フローはどの程度変更されるべきでしょうか。業務をシステムに合わせる「Fit to Standard」か、それとも業務に合うようにシステムを開発する「Fit & Gap」か。今回は、両者の違いを見ていきます。


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システム導入の全体像を捉えてみよう

「Fit to Standard」と「Fit & Gap」の違いを見る前に、システム導入の全体像を考えてみましょう。

コンタクトセンターのDXを推進する上で必要不可欠となるのが「システム導入」です。しかし、新たなシステムを導入すれば、当然その影響範囲は広いものとなります。

では具体的に、どのような影響が考えられるでしょうか。その全体像を捉えてみましょう。
DXによるセンターの変化
DXによるセンターの変化
まず、システムを変えるとダイレクトに影響を受けるのが「業務フロー」です。では、単に業務フローの再設計をすればよいのかというと、それだけではありません。システムが変われば、システムを扱う「人の問題」も出てきます。システムや顧客接点が変われば、そこにかかわる教育や、人材要件も変わってくる可能性もあるのです。

また、システム導入後の最終的な成果としては、やはりセンター価値が向上しなくてはなりません。そのための「PDCAサイクル」や、そこで語られる「KPIの設計」も必要です。

つまり、働く人、そしてそれを支える仕組み、全てに影響しうるのです。

このことから「システムと業務フローを合わせる」という取り組みは実に深く、システム導入プロジェクトを成功に導く上での根幹であると言えるのです。

システム選定時によくある「機能の網羅性」という落とし穴

新しいシステムを業務フローになじませるうえで、大事なことは何でしょうか。ここにひとつ、大きな落とし穴があります。その穴とは「欲しい機能が、そのシステムに網羅されているか」にばかり目が行ってしまう、というものです。

機能が網羅されてさえいれば、そのシステムでスムーズに業務が遂行できるかと言えば、答えは「ノー」です。
DXシステム導入に対応するには?
DXシステム導入に対応するには?
様々なシステムが、広告やプレゼンテーションの場で、搭載している機能の網羅性を強調することで、その機能がもたらす効果を訴求しています。そしてシステムを選定する側も「機能比較表」を重視し、機能の網羅性こそが「自分たちの業務にフィットするか」を左右する……という議論になります。

もちろん、システム選定の入り口としては「機能の網羅性」は重要です。しかし、機能が網羅されていれば効果が担保されるわけではありません。

では、機能と効果の間には何があるかというと、プロセス設計です。いざ、システム導入に当事者として参加すると、システムの機能を比較して安心してしまいがちですが、大切なのは「得たい効果」をしっかり設計することです。

そして「得たい効果」と「現状」とのギャップを整理した上で、プロセスを意識した機能検証を行うことが重要になってきます。

これ自体はとてもシンプルな話で「そんなことは分かっている」と感じられた方も多いかと思いますが、世の中のシステム導入が100%成功……といかないのは、このあたりにも原因があると考えています。

DXの成功は業務フローを変えたから? それとも変えなかったから?

ここで、ビーウィズが2025年に、コンタクトセンターを対象にAIを含むシステム導入の成功と失敗に関するアンケート調査を行った結果の一部をご紹介します。
DXの成功と失敗の差は何?
DXの成功と失敗の差は何?
上図の左側は「DXの成功したポイント」の回答、そして右側が「DXが失敗したポイント」の回答です。

実は両方ともに、1位は「ベンダーの質」を問うものでした。2番目に多いのがシステム導入時の研修の充実度で、現場になじませることの重要性が見て取れます。

次に続くのが、業務フローによる影響です。面白いのは「フローを変えたから成功したと」いう企業もあれば、「フローを変えたから失敗した」という企業もあることです。フローを変えなかったケースを見ても、同様に成功と失敗が見られます。

つまり、業務フローを「変える・変えない」に秘訣があるわけではなく「どのように業務フローをとらえたか」が大切であると言えます。

そのヒントとして、次の項目をみてみましょう。

Fit to StandardとFit & Gap とは何か

さて、いよいよ「Fit to Standard」と「Fit & Gap」に迫っていきます。

システム導入時、業務フローを変えるのか変えないのかの議論で思い浮かぶのが、この2つの言葉です。クラウドシステムが当たり前になりつつある今、皆さんも耳にする機会が増えてきたのではないでしょうか。
要件とシステムの機能は完全には一致しない。ではどうするか?
要件とシステムの機能は完全には一致しない。ではどうするか?

・Fit to Standard


Fit to Standardは、業務要件とシステムを比較したときに、システムの仕様に業務要件を合わせていく考え方です。昨今は技術革新が早く、システムの提供する業務フローに添って業務自体を設計したほうが、機能を網羅的に使いこなせる……という思想が広まっています。

・Fit&Gap


一方、Fit&Gapは、業務要件とシステムを比較して、マッチしない部分があった場合はそのGapをカスタマイズ・開発で補い、業務要件を守ろうとするやり方です。
業務をシステムに合わせるのが「Fit to Standard」、業務に合うようにシステムを開発するのが「Fit&Gap」
業務をシステムに合わせるのが「Fit to Standard」、業務に合うようにシステムを開発するのが「Fit&Gap」
どちらも正解ということはないのですが、どちらにすべきなのかというご相談をお受けする機会も少なくありません。Fit to StandardとFit & Gapについて、もう少し整理しましょう。
Fit to StandardとFit & Gapの違いは、開発の有無、導入プロジェクトの期間とコスト、業務の負荷などに差となって現れてきます。下図の赤丸のところが、負荷が高いと考えてください。
2つの違いは? どっちがいいの?
2つの違いは? どっちがいいの?
Fit to Standardでは、追加の機能開発はなく、短期間で導入が可能で、コストも低くなります。その意思決定はトップダウン型であり、業務フローを変革することが前提となるので、業務への負荷はかかります。

一方Fit & Gapは、Gapの部分をカスタマイズや開発で埋めていきます。それゆえ、導入プロジェクトの期間は長くなり、コストも嵩みます。ボトムアップ進め、業務フローを踏襲しますから、業務負荷は低くなる傾向があります。

Fit to Standardでは、業務変革の覚悟と、その差分の可視化が求められます。
Fit & Gapは業務フローを守り抜く意義と、開発管理の可視化が求められます。

このように、Fit to StandardとFit & Gapには両極端の特性があります。したがって、どちらを採用するのか、部分的にどちらも採用するのか……最初から方針を決め打ちするものではありません。業務フローを描き、吟味した結果の方針であり、最初から決めるのは難しいのです。

業務ごとに、正解があるのです。どちらを採用するにしても、求められるのは「業務にマッチさせる」ことです。

鍵を握るのは「フィジビリティスタディ」

元も子もない言い方になってしまいますが、Fit to Standardで進めても、Fit & Gapで進めても、結局のところ業務フローには何かしらの影響を及ぼします。そして、どのシステムを選ぶかによって、望む効果を得るために必要な業務プロセスが異なってきます。

従前のシステムと新システムが同じ機能をもっていたとしても、欲しい結果を得るための道順が異なっていたり、結果の見え方が異なっていたり……というのは、当然の話です。
業務プロセス設計はどうして難しい?
業務プロセス設計はどうして難しい?
では、どうすればよいでしょうか。その答えのひとつが、システム導入に期待するゴールの実現可能性を検証する「フィジビリティスタディ」です。

フィジビリティスタディを実施することで、例えば「全体としては新しいシステムに合わせて業務フローを刷新しよう(=Fit to Standard)」「でもこの部分の業務フローは絶対に動かせないから個別開発が必要だ(=Fit & Gap)」といったような、切り分けと決断ができます。

Fit to Standardで進めるにしても、Fit & Gapで進めるにしても、事前のフィジビリティスタディは非常に有効です。このフィジビリティスタディの進め方については、別記事にてご紹介いたします (コチラ)
本セミナーの企画・実施
村木 友子(Omnia LINK事業本部)
コンタクトセンターの改善・教育設計を担当するビーウィズの品質管理部門にて、社内外プロジェクトへの教育企画・サービス提供に10年以上に渡り携わる。2022年、Omnia LINKのマーケティング企画部門が発足すると同時に部門長に就任。翌年からはOmnia LINK事業本部の副本部長を兼任し、2025年より本部長。これまでのオペレーション課題解決の経験を活かしプロダクトのマーケティングやプロダクト設計・サービス運用設計を担当。

小笠原 大介(Omnia LINK営業部)
20年以上にわたりコンタクトセンターを中心としたシステムソリューションに関わる。2014年よりビーウィズ株式会社に合流し、業態変革に向けた取り組みを加速しているビーウィズにおいて、デジタルビジネスの推進を牽引。現在Omnia LINK営業部長として、プロダクト提案はもちろん、クライアントコンタクトセンターの課題解決・改善提案などのコンサルティング面のサポートにも多く携わる。

<おことわり>本記事は、ビーウィズが「コールセンター/CRM デモ&コンファレンス 2025 in 大阪」および「コールセンター/CRM デモ&コンファレンス 2025 in 東京」の「事例&ソリューションセミナー」に登壇した際の講演内容を一部アレンジして記事化したものです。当時のセミナー内容とは一部異なる点もございます。ご了承ください。


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