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早く成長したい新人にも、いつまでも成長したい中堅にも、ベテランにも知ってほしい~経験学習サイクルとの付き合い方

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HUMAN

仲江洋美

2023.11.07

旅のプランを考えるとき、観光地の「○○体験」が気になる。湖でカヌー、沖縄でシーサー作り、温泉地で陶芸など。気になるが、結局、私はあまりやらない。

アウトドア系は、あまりやらない、というかやれない。身体能力が致命的に低いので、ダサいだけならまだしも、この歳になって旅で怪我して迷惑をかけるわけにもいかないから、時々はやるけど、ほとんどやらない。

インドア系は、器用そうだと言われるが、実はやっていて居心地が良くない。「たかが体験」なのだが、1回目で納得できるものを作れる器用さは無い。「体験」とはいえ、やりながら「もっと小さいものにすればよかった」とか、「やっぱり赤系の色にすればよかった」とか数々の反省や後悔に襲われて、もうひとつ作りたくなる。反省をすぐに活かしたいのである。作ることを楽しみながらも、2個目を作れないことが、私にとって居心地が良くない理由である。

経験学習サイクル

そんな私が、この世でもっとも好きなフレームワークは「経験学習サイクル」である。

「経験学習サイクル」は、アメリカの教育学者コルブ先生が提唱し、日本では、松尾睦先生の“職場が生きる 人が育つ 「経験学習」入門”(2011年出版、ダイヤモンド社)により広まった。私は、出版から数年後、遅ればせながらこの本に出会い、既に不惑の年齢を過ぎていたが「私もまだ成長できそうだ」と大きな勇気をもらった。

現在は数々の研修会社で「経験学習」をテーマにした研修が行われていたり、教育系のコラムには必ずといって良いほど載っているので、ご存じの方も多いと思うが、その考え方を簡潔にまとめると、「経験学習サイクル」とは次のような考え方である


出所:職場が生きる 人が育つ 「経験学習」入門”(2011年出版、松尾睦著、ダイヤモンド社)を元に一部表記を変更


4つの要素を簡単に解説すると次のとおりである。松尾先生の説明を参考に、私なりの解釈や表現をさせていただいている。

経験する
まずは経験することから。やってみないとわからない。場数を踏もう。

振り返る(リフレクション)
やって満足、やりっぱなしではなく、うまくいった点やいかなかった点を振り返ろう。

教訓化する
振り返りの中から、なぜ成功したか、失敗したか、の教訓を見つけよう。

応用する・適用する
同じ仕事や類似する仕事をおこなうときに、教訓を応用して活かそう。

自分のために始める経験学習サイクル

経験学習サイクルはとても良いフレームワークだから、業種や業態を問わないし、どんな経歴の人にも当てはまる。
だから、職場の皆でこのサイクルをうまく機能させるためのツールやシートを準備し、仲間とともに高め合えたら、サイコーに素晴らしい。
しかし、それには大変なパワーが必要なので、ひとまずは、この考えに賛同した人は、分の成長のために、自らの毎日に、この考え方と上手に付き合ってくれるのが良いのではないか、と私は思っている。

では、個人でどのように経験学習サイクルと付き合うのが良いか。日記のように記録を残せたらとても素晴らしい。けれど、それがかえって継続できない要因になるならば、まずは仕事の帰り道でも、お風呂でも、寝る前でも良い、自分に合うタイミングで、振り返ることから始めてみてはどうだろうか。

例えばSVだったらこんな風に。



こんな感じ。

これ、実はけっこう難しい。

まず、振り返ること(リフレクション)も慣れないうちはなかなかできない。自分の強みは自分ではわかりづらい。そして自分の弱みに対して素直になることには勇気が必要である。

そして、教訓化はもっと難しい。先程、私は、お風呂の中で思い出すだけで良い、なんて気楽そうに書いたが、やっぱりそれはムリかもしれない。はじめのうち、慣れないうちは、振り返った内容を書き出して、その中から教訓のヒントを探す方がやりやすい。だからやっぱり書き出す方が良い。気持ちも頭の中もスッキリする効果もある。

リフレクション疲れ

振り返るテーマはなんでも良い。SVならば、クレーム対応、エスカレーション、フィードバック面談、会議の進め方、会議での発言、クライアントとの会話、上司とのやりとり。特に、社会人として成長のノビシロがたくさんある時期は、振り返るべきシーンが山ほどある。

でも、全部を振り返ろうとすれば、リフレクション疲れが起きる。

私は、コーヒーを1日に2杯飲んだら胃もたれする。紅茶を3杯飲んだら胃の壁がカサカサになって胃痛になる。リフレクションも、し過ぎると、胃と脳の潤いが全て吸い取られて、ガサガサになったような気分になって、翌朝、とても疲れてしまう。それなのに、ムリして頑張って、リフレクションを続けると、心もガサついてしまう。

何事もやりすぎは良くない、バランスが大切。リフレクションは、1日1テーマで良いし、2日~3日に1回でも良いし、1週間に1回でも良い。人にはそれぞれペースがあるだろうから、好きにしたら良い。今の私は、気が向いた時だけしか、じっくりリフレクションはしない。

というのも、それなりに続けていると、自分の強みと弱みは、既に言語化されていくので、ノートに向き合わなくても、お風呂に入りながら「あぁまたアレやっちゃったな、明日は気を付けないと」とライトに、くるっと、サイクルを回せるようになるからだ。

増えたら減らす、古くなったら更新する

長年、社会人を続けていると、教訓が増え、いろんなことが上手にできるようになる。教訓が組み合わされて、自分だけの勝ちパターンができあがる。とても良いことなのだが、その勝ちパターンに乗っかってばかりいると、パタッと成長が止まってしまう。時代や立場に合わなくなれば、とたんに負け始める。そこで必要になるのがアンラーニングという考え方だ。自分の教訓や強みを、やめたり変えたりするのである

社会人として長い年月を過ごしてきた最近の私は、もっぱらこのアンラーニングとの闘いである。

ややこしい交渉ごとを自分の力で解消する(のが強み)
会議で率先して私が意見を言うことで方向性が早く定まる(のが好き)
何事も誰にでもわかりやすいよう明瞭に説明する(のが得意)

このような強みを引っ込めたり、変容させたりするのがアンラーニングである。
我慢することが多くてあまり楽しくない気もするが、私の行動変容により、会議が活性化したり、企画の内容が豊かになったり、部下が成長していく姿を見れば、私がアンラーニングする意義と満足感を十分に得ることができる。

ある時、松尾睦先生と直接お話させていただく機会があり「アンラーニングって、もったいなくないですか」と質問した。
先生の答えは「得意なことを、いったん引き出しにしまっておくだけです。やっぱり必要だと思ったら、引き出しから出せば、得意な事は久しぶりでも上手にできるので、もったいなくありません」といった回答で、たいへん納得し、安心してアンラーニングできるようになった。

新しいことができるようになる喜びは、いつまでも味わいたい

「六十の手習い」という言葉がある。
習い事をするのに年齢制限は無い、何歳になっても始めるのに遅すぎることはないという意味。

あるひとつのこと(例えば仕事)を何十年も続け、アンラーニングの領域に達したことで、仕事の楽しみを得づらいというベテラン社会人の方は、仕事以外で何か新しいことを始めてみてはどうだろうか。四十の手習いでも、五十の手習いでも良い。新しいことができるようになる喜びを、仕事以外で味わってみるのも悪くないだろう。もしかしたら仕事にも好影響があるかもしれない。

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