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アジャイル型教育のススメ
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HUMAN

形柳亜紀

2022.12.07

英語の勉強にハマりすぎている。
英語をやりたいから、毎日早く帰りたいと思っているし、
日本中がサッカー日本代表の快挙に歓喜の声を上げている中、私は英語のヒアリング力向上のために、海外ドラマ(フレンズ)を繰り返し見ているので、生活にサッカーが入る余地はない。

勉強を楽しいと思うのは、人生で初めてだ。

英語の勉強はなぜ楽しいか。
長年、英語ができない人生を送っているから、ちょっとした自分の進歩に繊細に気付ける点が挙げられる。

でも、楽しくなったのはほんの最近。
1年くらい前から英会話スクールに通い始めたが、スクールの予習復習くらいしかしてなかった。それ以外に自発的に勉強を始めたのはここ半年くらいだ。この半年も、ほんの最近まではあまりに勉強がつらくて、机に向かう頻度もマチマチだった。

急に楽しくなったのは、2ヶ月前に単語の勉強法を変えてからだ。

それまでは、単語帳1冊を(1,500語)を1周してから、2周目を回すという方法で勉強していたが、
単語帳をいくつかのパートに分けて、同じパートを覚えるまでやり続けるという勉強法に変えた。

従来のやり方では、単語帳の1周目は知らない単語ばかりだし、1周目に時間がかかりすぎて、2周目に入ったときには何も覚えていない。あまりに何も覚えていないので机に向かうのが憂鬱になり、より記憶が薄れていくという悪循環。

新しいやり方では、はじめは知らない単語ばかりだが、同じ単語を1週間続けて勉強するとさすがに覚えてくる。覚えている単語の数が増えると、読める英語が増える。
そうなって来ると、飛躍的にモチベーションが高まり、毎日習慣的に単語帳を開くことができている、というのが今日現在の状況だ。

で、この新しい勉強法って「実はアジャイルなんじゃない?」と思ったのが今日の主題である。

アジャイルとウォーターフォール

システム開発の世界には、「ウォーターフォール型開発」という手法と「アジャイル型開発」という手法がある。

ウォーターフォール型は、一つひとつの開発工程を完了させて進めていくシステム開発モデル。各工程を確実に終わらせるので手戻りは生じず、大規模な開発でよく用いられる手法である。

それに対してアジャイル型は、「企画→設計→実装→テスト」というような開発工程を、1つの機能を単位とした小さいサイクルで繰り返す。このような小さいサイクルを繰り返すことで、個々の機能の開発が独立して完結する。

2つの開発手法は以下のような絵で示される。


ウォーターフォール型では、機能AもBもCも同時に企画フェーズに入り、設計フェーズに入って、実装フェーズに入り、テストをして完成する。実装フェーズから企画フェーズに手戻りはできない仕組みだ。

アジャイル型では、機能Aを作るためだけに、「企画」「設計」「実装」「テスト」を回す。機能Aの開発が終わってから、機能Bの開発に入るので、改めて機能を見直すことも可能だ。この点が、アジャイル型は柔軟である、と言われる所以であろう。

私の英語の勉強法をこの2つの開発手法に当てはめると、最初にやっていた学習法は、単語帳を1冊全部1周回してから、2周目を回し、3周目も回して、最後にテストをする、という流れなので、まさにウォーターフォール型だ。

一方で、今の学習法は、単語帳を「助走の400語」、「加速の300語」、「飛躍の200語」に分けて、1単元ごとに知識を固めていくという方法であり、アジャイル型なのだ。

アジャイル型で学習すると「助走の400語」をやった後に次の「加速の300語」をやったとき、「あれ、助走の400語で、adapt(適合する)って出てきたのに、もう1回出てきたじゃん」となったりする。しかしよく見ると「あ、今やっているのはadapt(適合する)じゃなくて、adopt(採用する)なんだ!」という気づきがあったりもする。

それは「adapt(適合する)」を最初に知識としてしっかりと定着させているからこそ、理解ができることなので、結果として次の単語を覚える時間を短縮することにもつながっている。


コンタクトセンター教育とアジャイル型

コンタクトセンター教育においても、ぜひアジャイル型を取り入れたい。

昨今、コンタクトセンターでは、業務知識として覚えることが非常に増えているので、初期研修は長期化する傾向にある。しかし、研修が長期化することで生じている問題として、研修脱落率の増加が挙げられる。

スキルを細分化し、スキルごとに「研修」と「実践」を繰り返すアジャイル型で徐々に知識を固めていくことが、オペレーターに自信をつけ、スキルを高めていく最善策なのではないかと考えている。


コンタクトセンターには幸いにもIVRというシステムがある。

IVRをざっくり説明すると、コールセンターの「受注の方は1番、配送の方は2番、返品の方は3番を押してください」という自動アナウンスが流れる機能であるが、コールセンター側からすると、新人オペレーターは受注だけ、ベテランは全部の窓口を担当、などオペレーターの業務習得度に合わせて、対応する窓口を変えることできるありがたい機能だ。

コンタクトセンターのオペレーター教育は、「アジャイル」という言葉が一般的になる前から、アジャイル型でできるよう設計されていたんだなと改めて実感する。

※IVRについては以下もご参考。
教育の最適化や機会損失防止に役立つIVR、その活用方法や新たなサービスを紹介!

同じことは、スーパーバイザー教育でも言えるのではないか。

センターにいた頃、新人のスーパーバイザーを受け入れるとき、「あなたにはまず新商品の研修講師をしてもらうから、とにかく誰よりも新商品に詳しくなってほしい」という指示をよく出していた。

「新商品」という狭いくくりで、スーパーバイザーとして「業務知識を習得」、「研修資料作成を経験」、「研修講師を担当」というように、一連の業務を経験してもらう。

新商品は他のスーパーバイザーも知識がなく、新人スーパーバイザーでもその領域には誰よりも詳しくなれるので、センターに早く馴染むことにつながる。それができるなら、次は化粧品全般、日焼け止め全般と商品カテゴリを増やしていくことで、気づけば一人前だ。

それを私は、「●●キャラに設定する」、というような言い方をしていて、私のセンターでは、いつもいろんなスーパーバイザーが、いろんなキャラに設定されていた。
この場合だと「▲▲スーパーバイザーを新商品キャラに設定」というような言い方になる。

私は、今でも、特に新人スーパーバイザーの教育には「キャラ設定」が何よりも重要だと思っていて、「キャラ設定」をしてあげることは、そのスーパーバイザーがセンターで立ち位置を作ることであると思っている。

今回、改めて「アジャイル型」について考えてみると、私の稚拙な言い回しでは「キャラ設定」という言葉になってしまうが、アジャイル的には、「成長の最初のサイクルを回そうね」ということだったのかな、と思ったりした。

アジャイル型のワナ

アジャイル型は、インターネットで検索すると〈「素早い」「機敏な」「頭の回転が速い」という意味です〉、書かれている。そのイメージが先行しすぎていて、「アジャイル型だから計画はいらない」「アジャイル型なので、品質が低くても大丈夫。トライアンドエラーが大事」というような誤解も生じているように感じる。

アジャイル型開発だからといって、開発された機能Aの質が低いことが許されるわけではない。
むしろ、次の工程を考えれば、現時点で得られる最大のアウトプットになるよう、計画は綿密に立てるべきである。

小分けに完成度の高いアウトプットを頻度高く行おう、というのがアジャイル型だ。
この特性を理解したうえで、ぜひ現場運営をアジャイル型にしてみてほしい。

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