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「キャリアってなんか怖い」そんな心理と構え方

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2023.09.13

キャリア(Career)。
皆さまはこの言葉にどのような印象を持つでしょうか。実はタイトルの言葉の主は、過去の筆者自身です。そして、キャリアについて聞かれることが多々ありますが、いまだにしっくりくる回答を用意するのは難しいと感じます。

「どんなキャリアプランを描いていますか?」

いやはや、このシンプルな質問を漠然と問われたときほど難しいものです。
それなりに素直で自分らしい回答をしたいと努力はしているのですが、どこかしっくりこないのです。色んな言い訳をしたくなったり、前提情報をつけたくなったり、長ったらしくなったり、とにかく心から納得のいく回答をできたり、記載できたりしたことはありません。キャリアという言葉にまだ勝てていないのですね、全戦全敗です。

―「多様性の時代」「女性管理職」「キャリア実現」という社会的意義と、一個人としての正しいキャリア理解を深め、キャリアを敵にしない考え方をここでどうにか手に入れたい―
今日はそんな私の悩みにも一つの決着をつけるべく同じ悩みを抱える皆様の参考になれば嬉しいなと思い、筆をとる次第です。

「どんなキャリアプランを描いていますか?」が何故難しいのか

まずは、今思いつく限りの難しさは3点あります。
①    「キャリア」という言葉の定義が曖昧であること
②    キャリアを描くことが前提になっていること
③    他者も含め、正解パターンを持っていない為、仮説や絞り込みも出来ないこと

というのが今の仮説です。
では、一つずつその理由と対策を考えていくこととしましょう。

「キャリア」は、何を指しているのか?

Careerを直訳すると(経歴・職業・仕事)などの意味ですが、キャリアこの言葉の放つイメージは、とてつもなく強く、激しく、ちょっと眩しい、それが率直な私の感想です。

ちなみに、小6の我が息子は、「キャリア?あーなんとなく知ってるよ。経歴みたいな感じ?ドラえもんで言うとスネ夫っぽいよね。」と表現します。小学生にも浸透していて、かつ“なんだかカッコつけたスネ夫”を連想させていることが、この「キャリア」という言葉にイメージ戦略があるとしたら、若干の“失敗“感を感じます。恐らく狙ったものではないですものね。私は、少し「キャリア」に同情したくなりましたし、ちょっと可愛く思えるようになりました。(息子よ、ありがとう。)

さてそんなキャリアですが、人事的観点で言えば、また異なります。厚生労働省の『キャリア形成を支援する労働市場制作研究会』の報告書によると、下記のように示されています。

キャリアの概念:時間的持続性ないしは継続性を持った概念

では、「時間的持続性ないしは、継続性を持った概念」とは何でしょうか。
私が解釈するに、つまりは“その人の価値観”なのだと思います。
職歴等の経験を積み重ねたことで得られる信頼性や人間性行動力といった、今後の個人に影響する価値観に影響をもたらす、これまでの経歴という解釈と思えます。


時間的持続性ないしは、継続性を持った概念 としてのキャリアのイメージ

時間的持続性ないしは、継続性を持った概念 としてのキャリアのイメージ

この「時間的継続性ないしは継続性を持った概念」、少し曖昧さを含みますが、私は嫌いではありません。むしろ少し気に入りました。なぜなら、この言葉からは、「キャリア」というややキラキラした表舞台や結果として得られた強いイメージの背景にある、奮闘ぶりや泥臭さを連想される「時間」というプロセスを感じられたからです。
人さまに語れるほどの立派なポジションや分かりやすいスキル、認知度の高い職種ではなかったとしても、どんな職にもプロセスはあり、そのプロセスで得られることもすべてキャリアとして語ってよいのだと肯定された気持ちになり、私は勇気が出たのも事実です。

と言いますのも、コールセンター業界一筋の筆者は、やはりなかなか分かりにくい経歴を歩んできました。スーパーバイザーってなんだ、品質管理者ってなんだ、研修企画ってどんなもんだ、クラウドPBXの販売ってなんだ・・。
しかし数々の職場とポジションを経験していなくとも、その場で長く頑張っているプロセスも、もちろん、時間的継続性を伴った経歴ですし、今後に間違いなく影響を及ぼす経験です。ちょっとしたスキルも、努力も、築いてきた関係性も、価値観もすべてが自分を語る武器と考えると素敵ですね。

それを今後の強みに変えていける自分自身の分析・理解がまずは大切です。
「私には、キャリアなんてない」というのは間違いで、ポジションや職種だけにとらわれないプロセスを洗い出すことで、全員に素晴らしい違ったキャリアが出来上がるはずなのです。名もない仕事に名を付けるのもとても大事なことだと思います。

★ポイント①:キャリアはみんなにある。仕事経験だけでなく、そのプロセスをしっかり洗い出そう。
・培った技術・スキルや知識
・経験した役割やポジション
・そこで学んだ思考、ポリシー、行動性など

キャリアは描くもの?キャリアは計画性がモノを言うのか

さて次に“キャリアプランはあって然るべきだろう”という論調について。ここに多くの人は悩んでいるのではないかと推察します。

・仕事でやりたいことが見つからないのは、自己分析が足りない
・やりたいことが見つからないのは、周辺知識が不足している、世の中を知らない

こんなことを言われたら、それは誰だって悩みます。しかし本当に自己分析が足りないのが原因なのでしょうか、世の中を知ればキャリアプランが見えてくるのでしょうか。少し整理して考えてみます。

まず、整理するために考えたい一番わかりやすい王道のキャリアプランは、下記のようなものでしょうか。

・野球が大好きで得意だ
・宇宙に行きたい
・世界中の人を救いたい

このような偉人達の言葉が、素晴らしい計画性あるキャリアの原動力であることは分かりやすく想像できます。これらの言葉が迷いなく出る時点でもう、それは才能だと思います。
しかし、誰もがここまで強い意志を持てるとは限りません。そしてその意志を持てぬまま大人になった私たちにはすこし眩しい領域です。
すると、一段階シフトして考えるようになるのです。例えば「好き」から「得意」に、そして「夢」から「現実」へと。

そこでよく語られるのは、計画的にスキルや経験を積み、就きたい、希望の職種ではないでしょうか。

・薬剤師
・研究職
・経理職
・栄養士
・WEBデザイナー
・広告

やっと身近な人気職種になってきました。ここでやりたい職種が見えている方は、きっとこの記事に頼らずとも自分の道を見つけていることでしょう。きっとここまで読んでくださっている方は、ここの職種を選択するという点にも躊躇をしている方なのではないでしょうか。

筆者も実はその一人です。でも私は、ここに答えを見いだせなかったとしても落胆しなくていい、ということに気が付きました。
職種でキャリアを考えずとも、いいのです。なぜなら、これまで語ってきたことは「何をしたいか」という問いに過ぎないからです。「何」に重きを置いて仕事をする人もいれば、「どんな風に」「どうやって」「どんな環境で」など、仕事にはたくさんの動機があります。どこにこだわりを持ってキャリアを選択したって良いと思うのです。


―バックキャストのキャリアばかりじゃない! 
上記のような「何」主義ではなく、プロセスやモチベーションや環境に求めたって良いと思えたのは、下記の理論のおかげです。

「計画的偶発性理論」(Planned Happenstance Theory) by.ジョン・D・クランボルツ

計画的偶発性。この言葉だけでちょっと希望を持った方はいないでしょうか・・。私にとっては、理論の中身を見る前からもうすでに惹かれるネーミングです。筆者は計画を立てるのは好きなので計画性が全くないわけではないと思っているのですが、もっといいものがあると思ったら変更もすぐしたい派です。それが私の好きなプランニングです。その感じにとても近い表現だなと思っています。

さて、余計な感想はさておき、この理論がどんな理論なのかを簡単に説明しますと、キャリアのターニングポイントの実に8割は偶然の出来事が影響しているということ、そして行動や努力が、その偶然の力を押し上げること(セレンディピティに近いですね)です。

決して後ろ向きではないのに、明確なゴールが語れずに悩んでいる方、「何」を明確に持っている人に引け目を感じている方を、私はたくさん見てきたような気がします。そんな方に是非共有したい理論です。

何をやりたいのかを明確に持っていて、そのゴールに向けて何をやるべきなのかを問い、行動に移す強さはもちろん素晴らしいです。その一方で、今を楽しみ好奇心をもって何でもやってみる行動力・集中力から、未来の道を広げるのもまた素晴らしいことです。

未来を持っていることこそ正しいという風潮ではなく、ここから未来を見つけようと今一生懸命努力していることもまた正しいのだと言える文化にしたいものですね。

★ポイント②:バックキャストで考えるのが難しければ、フォアキャストで見たっていい。

否定も称賛もないキャリアプラン、だから難しい

さて、ここまで語ってきて、まだ触れていないのが、自己分析とその結果をどう持っておくかについてです。ここまで“ああこう”と書いてきた筆者自身も、最初に申し上げた通り、キャリアプランについては上手く語れませんでした。しかし、ここまで書いたように、職種だけに目を向けない、フォアキャストで考えてもよい、その場の行動力や努力を無駄にしない、ということを主軸に過去を整理すると見えてくるものがあると思います。

アウトプットが難しく感じるのは、他の人の回答を見る機会が圧倒的に少ない分野だからではないでしょうか。
ここまで整理してきて、やはりキャリアは自分なりの言葉で語ってもいいということは明白です。何かと答え合わせをしようと思いすぎず、今の自分の状況をしっかりと語れればいいですね。

★ポイント③:キャリアは、自分なりに考えればそれが正解。比べなくていい。途中で変わったっていい。悩み途中だってかまわない。見せたくなったら見せたらいい。

最後に。
今回改めてキャリアについて考えてみて感じたのは、やはりどんなプランであったとしても、Growthマインド(自身が成長できる、変われると思い続けるマインド)が前提になっていることです。ゴールを決めてバックキャストで考えて行動に移していくにも、偶発性を受け入れて選択していくにも、やはりそれなりの対応力・挑戦力が求められるものだと思うからです。どんなキャリアプランでも、自分を信じて自分を奮い立たせることは欠かせないなと気づき、いつもと同じ毎日を少しだけ元気に過ごせた本日でした。

過去を整理することで未来への活力につながることが多いので、恐れずにたまには向き合い労わることも大切ですね。皆様の毎日の活力に少しでも繋がれば幸いです。

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