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新入社員のメールはなぜ失礼なのか。「社会人業界のしきたり」ってちっとも本質的じゃないですよね?について考えてみました。

  • #新入社員
  • #社会人マナー

HUMAN

形柳亜紀

2024.04.17

新入社員のみなさん、ご入社おめでとうございます。長い社会人人生の始まりですね。
さて、今回の現場ドリブンで言いたいことは以下です。

  • 新入社員は大体「社会人業界のしきたり」のような一見表層的なことを注意されます
  • 下手すると、「大学生業界」のほうがよっぽどクリエイティブで独創的だったと思うかもしれないです
  • しかし「社会人業界のしきたり」は必要であることと、その理由を説明します
  • そして、「社会人業界のしきたり」が今後の社会人人生において、時として極めて有効的で、かつクリエイティブな仕事になる可能性についても説明します

新入社員のメールはなぜ失礼なのか

もちろん中にはしっかりとした新入社員もいると思いますが、おそらく大半の人が1度は失礼なメールを送ってしまいます。これはなぜかというと、「社会人業界におけるメールのしきたり」の理解がないためでしかありません。知っているか、知らないかの世界。

例えば、新入社員が幹事をする飲み会の連絡で、多くの目上の人に対して、
「お店の予約の都合上があるため、壮行会の出席について早めに連絡してください。」
と直接的に書いているのが、もし自分の新入社員の部下だったらと思うと、ヒヤッとします。

社会人業界では
お店の予約の都合上、大変恐縮ですが、壮行会のご出席については、〇日までにご連絡をお願いできますでしょうか。」

とクッション言葉と依頼形で書くのが基本であるということです。このテンプレートで社会人業界が構築されているので、そうではないメールが来ると、若干失礼だなと感じるものなのです。

同じように、メールのタイトルが「おつかれさまです」だと、「あー」って思うし、「XXの資料をいただけますでしょうか?(理由不明)」とかだと、これまた、社会人業界のテンプレートと違うなと思います。

社会人と大学生の違いは何なのか

大学生業界は、意外と型はありません。まず、自分のやりたいことを考えて、どのサークルに入るかを決めないといけません。必修の科目もあるけど、自分で決められる選択科目もあるし、卒論のテーマも自分で決めます。自分で自己分析し、「どういう人間になりたいのか」を考えて、就活します。それは言い換えると、大学生業界は、「自分」を内面から見つめ、「自分に何が必要なのか」を考えることが求められる世界なのです。

また、大学生業界はフレームワークの活用とか、戦略論とかが発達していない(学生によってはきっと身についているのだろうと思いますが)ために、フレームワークを使わずに、ゼロイチの世界観で、生きていかないといけません。それはそれで、苦しい世界なんだろうなとも思います。

一方で、社会人業界は、意外と型があり、テンプレートがあります。文章の書き方、会議の進め方、議事録の取り方、電話の取り方、社会人1年生から見える景色は大体がテンプレート化されているのではないでしょうか。

この社会人業界で発達した「テンプレート」は先人たちが開発した賢い知識です。しっかりと身に着けて利用することで、まだスキルが十分に備わっていない新入社員の皆さんでも、それなりに受け入れられるアウトプットが可能です。

社会人業界には、フレームワークがあり、戦略論があります。これも大枠では「テンプレート」の種類に含まれます。社会人は「フレームワークや戦略論」を大体の人が知ってだろうという相互理解の上で、例えば「SWOT分析」に沿って説明をすると、自分の考えが多くの人に理解されます。腹落ちしやすいストーリーになるわけです。
社会人というのは、大学生とちがって、無から何かを生み出すのではなくて、誰かが作ったイチ(例えばフレームワーク)を活用して、ニにしたり、サンにしていくことのほうが多い世界なのです。

これは、「方程式や因数分解がわかれば、簡単に解ける算数の問題を、小学生は方程式や因数分解を使わずに解かないといけないから逆に難しい現象」に似ています。フレームワークとか戦略論は、難しく聞こえるのかもしれませんが、方程式や因数分解と同じで、理解して使いこなしてしまえば、なかった時のやり方がわからなくなるくらい、仕事が簡単になります。

社会人業界のしきたりは重要?

社会人1年目は、先ほど記載した通り「社会人業界」の考え方の理解が深まっていないので、「社会人業界のしきたり」ばかり、注意されるかもしれません。例えば、「会議の席次」「飲み会の代金の回収方法」「名刺交換は相手より下を通せ」「メールの締めはよろしくおねがいします、じゃなくて、よろしくお願いいたします、だろ」みたいなことです。

「自分とはいったい何なのか」を内面から見つめてきた新入社員は、「仕事ってそんなに表面的なものですかね」と思ってみたり、「もっと本質的なことってありませんか」と思ってみたりすると思います。しかし、きちんと理解してほしいのは「社会人業界のしきたり」という科目で、現時点で赤点を取っているからであって、「社会人業界のしきたり」が重要だからではありません。

「社会人業界のしきたり」で赤点を取るって言うのはどういうことかというと、「どれほど車庫入れが上手でも、赤信号無視したら、危険すぎて免許取れないでしょ」とかそういう世界のイメージ。「社会人業界のしきたり」が本質ではないことなんて、先輩は全員わかっています。しかしどうでもいいことだからこそ、無駄に赤点を取って、上司やクライアントに「未熟だな」と思われないようにしたいという先輩の思いを、新入社員のみなさんにはぜひ理解してほしいと思います。

実際に、「教科書的にはここが上司の席だけど、今日は資料投影があるから、あえて自分がそこに座る」というような本とは違うシチュエーションをあえて行うことだって、実践の場ではたくさんあります。

だから、言いたいことは「社会人業界のしきたり」は平均点まで押し上げたら、卒業しなければいけないということもお伝えしたいです。それを知っておくことは、来年後輩が入ったときに「社会人業界のしきたりだけを言ってくる、ウザい先輩」にならずに済みます。

自分の目も大事にしてほしい

大学生の時にやたら求められた、「自分の意見や自分の見方」みたいなことは、社会人になったら役に立たないのか、というと、それは全く違います。

いつの時代も「自分で考えること」「自分の意見を持つこと」は重要です。皆さんがこれからどのようなキャリアを歩んでも必ず必要になることです。しかし社会人と大学生で決定的に違うのは、時に「自分の意見によって、不利益を被る人」がいたり、「傷つく人」がいたりします。

「森鴎外は嫌いです」と言ったところで、森鴎外は傷つかないですが、「A部門はもっと戦略的に物事を進めるべきだ」と言えば、A部門の人は傷つきます。

森鴎外が嫌いならば、森鴎外を研究しないで、太宰治にすればいいわけですが、仕事では本当にA部門の仕事の進め方が問題なのであれば、改善しなければ仕事がうまくいきません。

「自分の意見」を持ったうえで、「誰も傷つけずに」または「最低限の傷つけ」で、物事を進めるには、「言い方を考える」とか「根回しする」とか「調整する」というような、一見本質的ではなさそうな行為が思い当たります。皆さんの考える「本質」の世界では、誰かが気持ちよく働くために行われるこのような調整が、「本質的ではない」ように見えるかもしれません。しかし、これらが問題解決に必須なのであれば、本質的な仕事であるとも言えます。いつか、問題解決のために「社会人業界のしきたり」を応用して使いこなすような日もくるでしょう。それは、「社会人業界のしきたり」がクリエイティブになる瞬間です。

長い社会人生活。「本質的なことは何なのか」という「繰り返される問い」はいつも優先順位が変わります。今、目の前にある「仕事の本質」は何なのか、常に考え続けること。

結局これが、社会人業界の重点テーマなのかもしれません。

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