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「TELハラ」って言われても 新入社員の電話への苦手意識を取り除くには
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HUMAN

形柳亜紀

2021.04.14

今どきの電話応対事情

新社会人の皆さん、ご入社おめでとうございます。
皆さんの職場にも、新入社員が入社されたことと思います。
ところで、ここ数日、「TELハラ」という言葉が話題になりました。


記事によると、「TELハラ」とは、“年齢や肩書によって電話対応を押しつけられる状態”の事を言うようです。
これを「ハラスメントとするのか」についてはいろいろと議論がありそうですが、固定電話の保有率も下がっているし、若年層になるほど固定電話を使用した経験値が下がっていることは確かです。

しかし、さかのぼると、20年弱前の新入社員であった私は電話応対に大変な苦手意識がありました。
更に言うと、私は大学時代にコールセンターでアルバイトしていて、電話応対がおぼつかなすぎて、本当にアルバイトをクビになったこともあります。
そのような経験を持ちながら、なぜかコンタクトセンターエージェンシーに新卒で入社してしまった私は、入社から1年半オペレーターとして受電をすることになりました。1か月に1000本くらいの電話をとっていたと思います。
そして、予測通り、電話応対力が非常に低かったため、今思うと多くの苦労がありました。
どういう苦労をしたかを、一言で言うと、私が電話を取るとお客様がご立腹される率が格段に高かったということです。
私は、マインドが低かったわけでもなくやる気がなかったわけでもありません。むしろ一生懸命に応対はしていたはずなのに。

電話応対が下手な人には、上手な人にはわからない世界があります。

コールセンターのSVは多くの方がオペレーターとして入社し、電話応対力が高く評価されてLDRやSVへとキャリアが上がってきた電話応対エリートです。そのため、指導的立場にいる方は電話応対が下手な人の世界をわからない可能性があります。

今日はこのような「電話応対が下手な人の世界観」にスポットを当てながら、本日は、今も昔も、若者は電話応対が苦手である、ということを前提に、新入社員の皆さんが陥りやすい状況と先輩として心がけることを中心にお話ができればと思います。

電話応対が下手な人の世界観

新入社員の皆さんはきっとまじめで、やる気に満ちていると思います。
そのような皆さんが電話応対をする際に陥りやすい点として、以下の4点があります。

①    キレイにしゃべれないといけないと思いすぎる
②    待たせたらいけないと思いすぎる
③    聞き返したらダメだと思いすぎる
④    お客様の都合と自社の都合を混同してしまう

①    キレイに話せないといけないと思いすぎる
新入社員は電話応対の研修を受けており、先生の素晴らしい応対がお手本になっています。
研修の中での先生のお手本は、「部長が席にいるかいないか」(極端ですが)の2択です。

  • 部長が席にいるときは「●●(部長名)におつなぎいたしますので、そのまま少々お待ちください」
  • 部長が席にいないときは「現在席を外しておりまして、折り返しご連絡させていただいてもよろしいでしょうか」

しかし現実には「現在席を外しておりまして、、、あ、今戻ってまいりましたのでおつなぎしますみたいな局面もあるわけです。
そのようなときの「あ、(部長戻ってきた!)」とか「!(よかった。すぐにおつなぎできる)」が往々にしてお客様にとって好印象になりうるのに、

 

 ・教科書では「あ、」は話癖なのでやめましょう

 ・「!」は語尾が強いですよ

 

というような指導になってしまいます。

 

私も、応対をする中で「あ、」という話癖の指摘を受けました。

その指摘を受けた私は、「「あ、」って言わない」と書いた付箋をモニターに貼っていました。

 

しかし、その「あ、」を言わないように心がけることが、結局雑念になったような気もするのです。

 

②    待たせたらいけないと思いすぎる
教科書では「3コール以内に取りましょう」「保留は30秒まで」と言われます。
待たせてはいけない、という気持ちがとにかくありました。それは私が極度にせっかちで、消費者として待つことが嫌いということにも起因していたかもしれません。

そのために、せっかく保留にしても「どうしよう、もう10秒経ってしまった。あ、もう30秒になってしまう」というように、保留にした目的を見失った時間を過ごしていました。そのために、お客様をお待たせしても調べが浅かったり、回答が整っていなかったりすることが多く、お客様応対の信頼感を下げる結果となっていました。

③    聞き返したらいけないと思いすぎる
研修では「お客様の話を聞きましょう。そのためにメモを取りましょう」と習います。
それを確実に実行するために、お客様がおっしゃるすべての言葉をメモしていました。どのくらいメモをしていたかというと、お客様が「請求書が届いたんですけど」とおっしゃったら「請求書が届いた」とメモをしていました。そのコールセンターの電話番号は請求書に書かれていたので、お客様の大半が請求書を見て電話をしているに決まっているにもかかわらずです。

そのため、一通話でノート1ページ以上を使って電話応対をしていました。4分の通話でノート1ページ以上を使うわけですから、これはもはや速記と言っても過言ではありません。そのうえで、通話中に顧客システムを検索してお客様の状況を調べたり、マニュアルを見ながらお客様と会話をするという、浮世離れした技術を発揮していたと思います。当然ながら、お客様のお話しに集中できるわけもなかったわけです。

④    お客様の都合と自社の都合を混同してしまう
これが一番私を悩ませました。
お客様に寄り添って対応をしなければならないと思い、お客様に精一杯共感をしたところ、「このケースではお客様は勘違いされておっしゃっているのだから、共感をしたり、謝ったりすると会社として非を認めたことになる」というような指導を受けることがありました。

そのような指導を受けたことで、「お客様のおっしゃっていることが間違っている場合は、寄り添ってはいけない」と思うようになり、応対スタンスが迷走しました。
「今は謝っていいのか?今は謝ってはいけないのか?」を応対中に悩んだ思い出があります。

コールセンターにはそのような局面もたまにあるのは事実なのですが、今思うと、言われたことをすべて実装しようとしていた私へのフィードバックとしては適切ではなかったかもしれません。
オペレーターさんに指導するべきは、お客様のおっしゃっている「こと」とお客様が感じられている「気持ち」を切り離し、「こと」については冷静に対処しながら、「気持ち」は寄り添いましょう、が正しい指導だったのであったでしょう。

新入社員が陥ることは、いきなり曲芸をしようとすること

やる気溢れる新入社員は、しっかりとしたトレーニングを受けたうえで、電話応対に臨むわけですので十分な理論を叩き込まれています。
そのため、教えられた通りやらなければ不合格、という感覚を持っているのですべてを満たそうとします。

その結果、曲芸の域で電話応対をしている可能性があります。
 
 ・「あっ」って言っちゃダメって気を付けながら
 ・すべてのお客様の言葉を聞き逃しちゃいけないので、全部速記して
 ・お客様を待たせちゃいけないので、話しながら、メモを取りながら、顧客システムを検索して
 ・このお客様の言葉に寄り添っていいのか悩んでいた

当時、電話応対をする中での悩みは、「音量を最大にしてもお客様の声が聞こえない」という、応対が上手な人には絶対に理解されない謎の現象がありました。聴力に異常はありません。
それはおそらく、上記のようなマルチタスクで電話応対をしていたので、「聞こえない」のではなく「聞いてなかった」のではないかと思います。

この状況を思うと、ヨガを思い出します。
ヨガも上級者は柔軟性が高く、曲芸のようなポーズをとりますが、ヨガの素晴らしいところは、どんなに難しいポーズでも「できない人は膝を曲げていいですよ。その代わり背筋は伸ばしてください」というように、先生が取捨選択して、大事なことをこぼさないようにアドバイスしてくれます。

これは電話応対も同じで、初めにマナーや正しいゴールを叩き込むのは大事なことです。そのうえで初心者には、「ここはいったん目をつぶるから、この点は絶対に捨てないで」というように、取捨選択して指導してあげるのが大切なのではないかと思います。

「全部大事」だし、「全部が構成要素」なのかもしれませんが、大事なことは電話応対をする本人が一番大事で本質的なことを見失わないことであるからです。

もし今の私が新入社員の頃の私に指導できるならば、「「あ、」って言っていいし、メモも取らなくていいし、システムの検索もしなくていいし、全件折り返しにしてお客様をお待たせしてもいいので、お客様がなぜ電話をしてこられて、何を解消したいのかをしっかりと聞き取ること」を指導してあげたいと思います。

新入社員のころに電話応対が下手だった私は、1年半電話オペレーターを経験する中で「お客様とフツーに会話をすればいいんだな」と自然と理解できるようになりました。それが理解できたのは、曲芸の成果なのか、数の成果なのか、わかりません。
いまだに私は電話応対が得意な方ではありませんが、それでもトーク研修の講師を経験するほどにはなりました。

さて、新入社員を受け入れる先輩の皆さん。
電話応対が下手な人の世界観を理解しながら、ぜひ素敵なアドバイスをしてあげてください。

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