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苦手意識を持っている方にこそ読んでほしいコミュニケーションの話

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2020.11.04

さて、皆さんはコミュニケーションが得意ですか?

首を縦に振れる人は、実は少ないのではないでしょうか。
コミュニケーションは、誰もが毎日経験し、毎日反省し、次の日に活かし続けている領域なのかもしれません。

でも世の中には、一目で「すごい!」と思えるほど、キラキラ感をまとった笑顔と会話を繰り広げられる人もいます。その方の努力も大変なものなのだろうなと思いつつ、やはり自分と比較して落ち込む経験をした方もいらっしゃると思います。もちろん私も同様です。

私は、研修講師という仕事をしています。そのため、「トーク」「コミュニケーション」「応対」といった点で研修することが多くあります。

その基本は、「キラキラ」の土台ができるようになるためのスキルなのですが、研修をしていると、必ず一部の方は、「キラキラ」に抵抗を感じて上手く自分を出せない、という事があります。

研修中には時間の都合上、その方々を十分に救ってあげることが出来なかったのですが、私はいつも思います。「あなたの良さがちゃんとある」と。別にあなたのキャラを崩壊させたいわけではないのだと。

そんな方々に続きで講義ができるのなら、こんなお話をしたいなという事を、今日は書いてみたいと思います。
このコミュニケーションのお話は、ビジネスにおける様々なシーンに通ずると思います。

たとえ、キラキラが出来なかったとしても、コミュニケーションの質は高められるのです。

コミュニケーションは、一様ではない

コミュニケーションは、人と人を繋ぐ大切な手段です。そしてコミュニケーションは、決して短絡的なスキルではありません。

ましてや定型で感じよくできるといった一部的なものでもありません。マナー・トークに始まり、コーチング、交渉術まで多岐に渡ります。

では、求められる素養やスキルは同じでしょうか?

実は場面によって少しずつ異なります。
そのシーンは多数に存在すると思いますが、今日は、相手と共有する時間に着目して整理したいと思います。

態度価値 と 経験価値 と 創造価値

私は、コミュニケーションにおける「態度価値」「経験価値」「創造価値」を意識することで、コミュニケーションは豊かになると最近よく考えています。(この価値分類は、恐れ多くも心理学者フランクルの人間価値から頂いたもの。実際の主張と解釈・使い方とは全く異なりますが、区分を引用するということでご容赦頂きたく。)

ではこの価値とコミュニケーションについて考えていきます。


◆ お客様とのコミュニケーション (初対面・限られた時間のコミュニケーション)

その場面が、「お客様」と「企業」であった場合、そのコミュニケーションの場は5分から10分の中で行う自己表現です。そのため、ある程度演じなければ、本当に伝えたい部分が伝わりません。

誤解を恐れずいうと、マナーは演じるという事です。しかし演じるのは、相手あってこそです。

相手に配慮するからこそできることであり、よく言われる印象を決定づける3つのV(Visual視覚・Vocal音声表現・Verbal言語表現)を意識することは、相手への配慮にほかならず、コミュニケーションの第一歩には、やはり欠かせない大切な要素です。

5分という短い時間では、「相手への配慮」という土台部分を欠落させてしまうと、信頼回復する間もなく、その方との関係性が終わってしまいます。だからこそ、笑顔や受け止めといった、すぐにわかる感じの良さは大切なのです。

これを「態度価値」と位置付けます。冒頭の「キラキラ」もこの態度価値の良さが大きく影響するものだと解釈しています。

販売員であれば、感じが良い方、つまり「態度価値」が体現出来ている方から買いたくなりますし、信頼もできます。話も明瞭で、清潔感があればいう事はありません。

さらに、「経験価値」とは、経験を共有し理解を深めることです。販売テクニックで言えば、「私も実は」「皆様も‥」という事例の共有が該当します。

やはり一歩踏み込んだ「経験価値」を提供できるとさらに、相手にとって印象に残るコミュニケーションになりそうです。さらに「創造価値」は、このシーンにおいては提案力と置き換えられます。

やはり3つすべての価値提供が、良いコミュニケーションに近づくポイントのように思います。


◆上司・同僚・部下とのコミュニケーション (マネジメントのコミュニケーション)

一方、仕事における上司・同僚・部下との関係性においては、接点が長くなります。

この場合は、時間を掛けて相手を理解していく、自分を表現していくことが求められます。その際に求められるのは、「態度価値」はもちろん嬉しいですが、他の2つの部分が大きく影響してきます。

平たく言えば、相手への敬意に加えて、共有している仕事・事象への興味や積極性の表れが大事だと思うのです。

つまり「経験価値」を共有することや「創造価値」に触れることで、積極性や主体性が感じられ、コミュニケーションに信頼と深みが出てきます。

先日私の部署では、「販売力」をアップするための研修企画を行っていたのですが、ある業界の販売職で経験豊富なメンバーが、「”売れる”販売員は、品物を出しすぎない。厳選して並べるのが上手い」と言っていました。

経験しているからこそできるこの話は、どんな理論を読むよりはるかに説得力があり、人を惹き付けます。

また自分の経験を今の事象と絡めて伝えようと思う姿勢自体に、積極性を感じ、仕事のチームワークにおける良い関係性を生み出すのは言うまでもありません。

さらに別のメンバーが「それ、研修の後半の●●の章のメインメッセージとして使えますね。是非活用しましょう」と反応したとします。これはまさに「創造価値」です。どちらの言葉からも積極性を感じます。

苦手意識を持ってきた人も、「態度価値」への努力は必要です(相手への配慮なのですから)。

しかしその面で悩み過ぎなくても、「経験価値」「創造価値」として自分の思いを伝えることをすれば、よいチームワークは生まれます。

配慮を示す「態度価値」、その場への積極性・主体性を示す「経験価値」や「創造価値」。

これが人との関係性、コミュニケーションにおいてはとても重要だといえます。もっといえば、マネジメントには欠かせない要素です。

今の時代だからこそ ~コミュニケーションの重要性

リモートで人と接することが多くなった現在では、より人とのつながりを考えることも多くなったと思います。

昨今のテレワークにおけるリモートマネジメントも、「コミュニケーションを」と言われていますが、前回の記事(リモートワークこそマネジメントだ)でも記載した通り、「できた?」「これやった?」という成果に言及したコミュニケーションを増やしてもあまりマネジメント効果は期待できないといえます。これだけでは「態度」「経験」「創造」もないやり取りです。

本質はリモートでこそ見えてくるかもしれません。私も、「態度」「経験」「創造」を伝えられるように、そして相手から引き出せるように、丁寧に関係性を紡いでいきたいと思っております。

皆様のこれからの「関係性の質」を考えるきっかけにしていただけたら幸いです。

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