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オペレーションを進化させる
現場のWEBマガジン
役割分担を少しズラすと、みんなが幸せになる
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  • #タスク

HUMAN

仲江洋美

2022.05.11

配属の季節です。
当社の新人も今月末には研修期間を終え、それぞれの現場へ配属されていきます。連休中は街中のお店や駅など色々なところで新人とベテランらしきペアを見かけました。新人が第一歩を踏み出す季節ですね。温かく見守りましょう。

チームに新しいメンバーを受け入れることは嬉しいことです。新しい出会いに互いの期待感が膨らみます。少しでも早くチームに馴染んでほしい、そしてイキイキと活躍してほしい。でも、歓迎の気持ちだけで受け入れが成功するかといえば、それが難しいのもまた現実です。

チームから人が去る時、その人が担ってきたタスクを、残るメンバーでどのように割り振るか、とても真剣に考えます。そして、その人が「ムードメーカー」や「しっかり者」など、キャラ的な役割も果たしているならば、そこにぽっかりと穴が空いてしまうことを憂います。

新人を受け入れる時は浮かれて嬉しい想像が先行します。
いいんです、嬉しいことですから、浮かれることは悪くありません。
でも忘れてはならないのは、「人が入ればなんとかなる」わけではないということ。人が去る時と同じくらい、新人が入る時も、妄想したり準備したりしなければ、かえって互いが不幸になってしまうことだってあります。でも人が去る時に比べると、妄想も緊張感も足りないような気がすることがあります。

チーム全員が100%の力を発揮できれば強いチームになります。でも全員が100%の力を発揮するのは、実はそんなに簡単なことじゃない。役割分担を誤ればポテンシャルの60%に留まってしまうこともあるのです。そこで、チーム全員に100%いや120%の力を発揮してもらうために私がやってきた「少しズラす役割分担」について紹介します。

新人の役割を少しズラす

去るAさんの抜けた後を、新人Bさんで埋める。Aさんのメインタスクもサブタスクも、新人Bさんが丸ごと引き継ぐ。まったく悪い話ではありませんし、よくある話です。でもココであえてベテランCさんを挟むことで引き継ぐタスクをズラす。下の図を見てください。メインの黄タスクはそのまま引き継ぎ、サブの赤タスクはベテランCさんへ、代わりに青タスクを新人Bさんに。これが少しズラす役割分担です。


ズラさないとどういうことになるのでしょうか。

仮にズラさずに、前任のAさんのタスクを、まるごと新人Bさんが引き継ぐと、なんだか新人BさんがAさんと同じ形の箱に収まろうとしてしまう気がするんです。
BさんにはBさんの知られざる良さがあるはずなのに、本人も周囲も箱に収まろう、収めようとしてしまう。だから新人Bさんには、青タスクをやってもらうことで、Bさん“らしさ”を発揮してもらう環境を作ります。こうすると前任のAさんと単純比較しづらいという点も、新人Bさんをプレッシャーから解放してくれます。

さらには、仕事で関わる人が増えます。これもオンボーディング(新人が組織に馴染む)においても大変良い効果です。育成担当が固定的になることは育成が進むかもしれないが実はリスクも伴う。いくら教育熱心な先輩だとしても相性の良し悪しはあります。多くの人がかかわることで、新人Bさんをチームみんなで育てていくという雰囲気づくりにもズラすことは効果的です。

3人いるなら3人ともズラす

受け入れる新人は1人とも限りません。数名を同時に受け入れることもあるでしょう。この時も役割をちょっとずつズラします。メインタスクは同じでもサブタスクをズラして、それぞれをキャラ付けするのです。

でも実はこれ、本人たちがイヤがることもあります。一緒に仲良く成長していきたいのに別々のタスクを振られることを不可解に感じたり、割り振られるタスクの人気度も難易度も異なるのでどうしても不平等感が生じます。

でも、同じタスクだけを与え続けた場合、数か月後には、必ず差が生じます。同じタスクだけをやっているので、順位が明白です。順位が付くこと自体は悪いことではありませんが、優秀でポテンシャルのある人が1位として駆け抜けてくれるかと言えばそういう時代でもない。優秀な人は、自分が出る杭にならないよう力を調整してしまうかもしれないんです。

そして下位の人は、言葉にせずともなんとなく劣等感を感じて毎日を過ごす。これって本人たちにとっても、チームにとって良くないなと思います。だから順位だけに注目が集まらないよう、サブタスクはズラしてキャラ付けし、それぞれがのびのびと活躍できる領域を作ります。


この時、やってはならないことがあります。
リーダーが役割分担を決めず「役割分担は自分たちで決めてごらん♪」と本人たちに決めさせてしまうことです。「本人たちの意見を尊重したい」「誰がリーダーシップを取れるか試したい」「競争心を芽生えさせたい」というのがリーダーの言い分ですが、経験上、この結末はたいてい悲劇であると言えます。

だって、こんなにも酷なことってあります?自分でタスクを決めて、例えば失敗した場合、あまりにも本人の逃げ場が無さすぎるのです。それから、タスクを決める過程で、意見の食い違いや不平不満が出ても、その矛先はリーダーではなく自分たちになってしまう。仲良く一緒に成長するはずだったのに、仲間割れの原因を作ってしまいかねないことも忘れてはいけません。

長所も少しズラそう、新しい魅力に気づいてほしい

では、どのタスクを誰に割り振るか。
リーダーは「何が得意なの?」と、これまでの経験や長所を、新人に聞くことになるでしょう。今も昔も就職活動をする学生は「自己分析」を十分にしていて、長所や短所を上手に言うことができます。もちろん本人の考えは尊重しますが、リーダーも本人もそれだけにこだわりすぎないよう、私はいつもどこかで「この人の魅力はもっと別のところにもあるんじゃないか!」と別の可能性を探るよう心掛けています。そして時折それを言葉にして本人に伝えるようにしています。

というのも、職場の新人には「学校で一番面白かったからヨシモトに入ったのに、ヨシモトではむしろ面白くない方だった」的現象が起きている可能性があるからです。「コミュニケーションを取るのが得意」なハズだったのに、そういう人がたくさん集まっている職場では、その得意技は普通のことになります。そのせいで、新人は自分の長所が活かせないことにひそかに焦っているかもしれません。

本人が思う「長所」の輪郭なのか核なのかを少し残しつつ、そこに本人がこだわりすぎることが無いように、長所のポイントを少しずつズラして変容させていけるよう助言してあげることも必要です。

多くの物語がそうであるように

「ドラえもん」も「クレヨンしんちゃん」も、映画ではスキルとキャラに、より磨きがかかります。数々の物語は、壮大な冒険や奇跡的な偉業を成し遂げるには、チームのメンバーのスキルとキャラクターが十分に発揮できる環境が大切なのだと、教えてくれます。“ズラす”という言い方をしましたが、その効果のひとつは「スキルとキャラを確立しやすい環境」を作ることと言えます。

でも私たちの毎日は奇跡的な偉業や勇敢な冒険ばかりではありません。そして、毎日は日常です。“逃げ道” というとネガティブに聞こえるかもしれませんが、“レジリエンス” と言えばポジティブに伝わるでしょうか。

みんな毎日毎日、そんなに強い意思で仕事はできないという前提に立てば、ズラすことがちょっとした “逃げ道” や “しなるためのあそび” になり、チームの全員がイキイキとノビノビと仕事できるなら、それは素晴らしいことで、奇跡の日々と言っても過言ではありません。

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https://www.bewith.net/gemba-driven/download/entry-130.html


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