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「前例のない時代」だからこそ求められるナレッジマネジメント。SECIモデルのススメ。
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HUMAN

形柳亜紀

2021.05.19

パワポに襲われる毎日

ある事情で3月後半からずっと、同じパワポに取り組んでいる。
作っているパワポは、抽象的であるが、書類に書かれていることや、人から話を聞いたこと、自分の解釈などを図解する、みたいなことである。一見簡単に思えるかもしれないが、この作業に非常に難儀している。

どれくらい難儀しているかというと、夢でもパワポが襲ってくる。寝ながらパワポの図解を考え続けているのだ。寝ながら考えるくらいだから、少しはいいアイデアが思いつけばいいんだけど、同じことをぐるぐる考えているだけで何も浮かばない。

このような生活を送っていたある晩、急に耳が痛くなった。
「中耳炎かしら?」など一通り騒いで、結局寝て忘れることにした。
そしたら、寝ている間に「この耳の痛さをどう図解すればいいのか」についてずっと考える夢を見た。
「この耳の痛さは丸で表現するべきなのか、四角で表現するべきなのか、グラデーションなのか、色はグレーなのか、はたまた茶色か」など。
朝になったら耳は治ったが、「耳の痛さすら図解しようとしてしまう生活」のつらさは残った。

先週の「ドラゴン桜」で「数の暗黙知」を得るために、小学2年生の計算を解き続けるというシーンがあった。
簡単な計算を重ねることで、体で覚えて、数をつかむということであると認識した。

私の図解力もその感覚に近い。私には「図解の暗黙知」がないのだ。

図解の暗黙知をどう獲得するか

さて、私が前段で申し上げた「暗黙知」であるが、辞書を引くと
経験的に使っている知識だが簡単に言葉で説明できない知識のことで、経験知と身体知の中に含まれている概念」とある。
もし仮に私に「図解の暗黙知」があれば、「経験的に使うことができる」わけなので、こんなに悩むこともないのだ。
結局1か月ほど悩みながら無理やり考えて上司に提出したところ、全然ダメだったのか瞬殺で私の1000倍わかりやすい図解が数ページ戻ってきた。これが、約1か月前の話。

そこから、章ごとに上司から「こういう方向で図解をしたらどうか」というアドバイスを受けたり、自分が言いたいことを上司に伝えたりしてすり合わせながら相談した。それが3週間前の話。
そこから上司に「形柳さん、だいぶわかってきたからここからはアドバイスなしでも作れるんじゃない?」と言われたのが2週間前。確かに、約1か月上司の知恵や経験を借りながら、図解をし続けると確かにちょっとわかってきた気もした。するとこれまでよりも、圧倒的な速さで図解ができるようになってきて、調子が出てきた。

そして、あることに気づいた。
「図解というのは結局丸を使ってサイクルにするか、矢印を並べてフローにするか、4象限にするか、ベン図にするかなど、よくある図で9割くらいが占められているのではないか」と。そして「サイクル」も「フロー」も「4象限」も「ベン図」も全部、私の家にある「図解の本」に載っていることにも気づいた。

そうなってくると、これまではGoogleで画像検索して図解を探し、オートシェイプで作っていた図解であったが、「もはやパワポのSmart Art」で事足りるのではないかと思った。
それに気づいて、パワポのSmart Artも活用(そのまま使うとダサくなるので、ちゃんと加工する)しながら、図解を作り、さらに生産性高く図解ができるようになってきた。ここまでが、1週間前の話。

そして、この1週間は「図解を作るとなるとサイクルか、フローか、4象限か、ベン図なので、ワンパターンになってきて結局つまらないパワポになってしまった。参考にするべきは、誰かが作った図解なのではなくアートなのではないか」と考えた。というように現時点でも新たな悩みが尽きない。

これは、ナレッジマネジメントであった

SECI(セキ)モデルというフレームワークがある。
SECIモデルは、一橋大学の野中郁次郎氏と竹内弘高氏が提示したナレッジマネジメントのフレームワークである。

SECIモデルでは、「暗黙知」と「形式知」の2種類の知識がある。
「暗黙知」は先ほどの説明通り「言語化ができないもの」であり、「形式知」は「主に文章・図表・数式などによって説明・表現できる知識」のことである。

始めは
「暗黙知」であった知識が、「形式知」に変換され、
「形式知」に変換された知識が、経験を通じてより高次元の「暗黙知」になっていき、
それをまた「形式知」にしていけば、組織の知識レベルが高まっていくという考え方だ。


さて、私のここまでの図解力に関する流れをSECIモデルに当てはめると以下のようになる。

①    共同化フェーズでは、知識や経験が共有される。人の暗黙知が注入されるフェーズ
私の場合は、「上司が私の作った下手な図解を1000倍素敵な図解に修正して戻す」があたる

②    表出化フェーズは、部署内でディスカッション等をして言語化や図解を試みるフェーズ
上司と毎日30分以内の会議をして、ページごとに図解の方向性を言語化したり、赤入れして検討した。
これによって、資料の方向性のすり合わせができた。

③    連結化フェーズは、より知識を体系化するフェーズ
私の場合は、ページごとに考えていた図解が、図解のパターンがあり世の中の図解はどれかしらに当てはまっているのではないかということに気づいたこと。そして、システマチックにパワポのSmart Artを使い始めたことがあたる。

④    内面化フェーズは、行動することで新しく気づいたこととこれまでの形式知を組み合わせ学習するフェーズ
③でパターン化された図解では不足があることに気づき、学ぶべきは既存の図解ではなくアートなのではないかと悩み始めている。

私の図解への悩みは尽きないのであるが、「言葉にしにくい暗黙知」を上司の力を借りながら少しずつ理解することで、1か月前よりは、間違いなく悩みが進歩していることにお気づきだろうか。

コロナ禍こそナレッジマネジメント

さて話は変わり、コロナ禍に入って、1年が過ぎた。
そして、それは、「前例のないことへのチャレンジ」を余儀なくされた1年だった。
当社においても、「出勤ルール」や「感染疑いのルール」など複数のルールが存在しており、かつ情勢が変わるごとに運用が変化している。

日々の担当業務においても、コロナによって変化したこと、コロナの感染拡大状況によって常に不透明さを抱えている日々ではないかと思う。そのような前例のない、つまりは「暗黙知」のない時代だからこそ、SECIモデルを活用した「暗黙知獲得」と「形式知への変換」をお勧めしたい。

ただし、コロナ禍でナレッジマネジメントを進める上で気を付けたいことは以下のようなことである。

①    共同化フェーズがリモートワークで減りがち
共同化フェーズは、自分の暗黙知と人の暗黙知をすり合わせて「経験を拡張する」作業であるが、実はこれは日々の雑談などで多く実行されている。コロナ禍では会食の機会やリモートワークで雑談の機会が減っているので、「共同化フェーズ」を意図的に増やす必要がある。チャットコミュニケーションの中で雑談や素朴な疑問などを交えたり、オンライン会議の始めに雑談するなど、意識的に増やす検討をしたい。

②    高速でサイクルを回す必要がある
コロナは日々情勢が変わってしまうので、高速で暗黙知を形式知に変え、新たな暗黙知を作っていかなければ取り残されてしまう。そのために、自分の中で形式知化されていないことは、「あえて会議を開催して表出化フェーズに持ち込む」なども必要になってくる。

③    毎日が前例のない日々だから求められる頻度が高くなる力
前例がない日々は「暗黙知」が多くなる。特に現場で、毎日リアルを経験する読者の皆さんにとって、感じることが多すぎるので「暗黙知」が増えていってしまう。しかし組織を「暗黙知」だけで動かすことは難しい。「カンでお金を使う」とか「カンで人を増やす」わけにはいかない。その「暗黙知」を「形式知」に変える力が必要だ。「数字に置き換える」「言語化してみる」「マニュアルにできるものはマニュアル化する」など、そのような努力を毎日が不透明だからこそ、進めていく必要がある。

今回は私が最大に今悩んでいる図解力というテーマから、ナレッジマネジメントについてお話をさせていただいた。
「暗黙知」もない時代だからこそ、ぜひナレッジマネジメントを進めていきましょう。

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