{site_name}

オペレーションを進化させる
現場のWEBマガジン
「管理」や「推進」は何もしない宣言、「効率化」は有名無実なのか? ~RPA『効率化』を考える~
  • #RPA
  • #効率化
  • #デジタルトランスフォーメーション

DIGITAL

RobotA

2022.10.26

不規則な生活が続いた時の「口内炎ができちゃった」とか、外出先で突然思い出す「家のカギを閉めたかな」、何度もうまくいかない時の「なんでまた同じ失敗をしたんだろう」とか、森羅万象に思いを馳せる「宇宙の端はどうなっているのだろうか」まで、わたしたちの身の回りには深く考えるべき事から考えても仕方がないものまでさまざまな気になることで溢れています。今回の記事ではRPAプロジェクトに取り組むなかで気になる曖昧言葉、ひいてはRPAの『効率化』とは何かを考えてみたいと思います。


曖昧言葉はその意味を具体化せずとも利用できるため大変便利ですが、その利便性の高さから頻発してしまいがちです。それによって考慮すべき場面での思考停止や相手との認識相違によるトラブル発生リスクがあるため細心の注意が必要です。

 

例えば「~~を管理」「~~を推進」のような活動がはっきりしない言葉、「基本的に~~」「重要な~~」のような一定の基準がないと程度が判断できない言葉、「早急に~~」「多めに~~」のような時間や数量が定量的に表現されるべき言葉を使おうとした場合、その活動や数量が具体的に考えられているかを確認し必要に応じて置き換えます。


※参考:ビーウィズのDX戦略(Bewith2.0)


わたしたちのRPAによる『効率化』としては、DX戦略の一環でRPA効率化時間(127,000時間)を掲げており、プロセスDX化の到達目標としてその取り組みを加速化させています。この『効率化』という言葉もそれ単体では具体性を欠いた表現であり曖昧言葉と言えるのではないでしょうか。

RPAがもたらす代表的な効果と『効率化』



『効率化』を考える前にRPAはヒトの業務を代替する技術である事から業務改善のフレームワークであるQCD視点で代表的なRPA導入効果を整理すると、処理ミスやエラーの発生を抑え、ルール通りの処理をおこなう品質(Quality)面、労働力人口の減少を背景に高騰傾向にある人件費に対して、技術の進歩にともない低減傾向のあるRPAライセンス費用の費用(Cost)面、1件あたりの処理速度の違いや担当者の出勤状況等に依存する状態から24時間・365日稼働する状態への変化による納期(Delivery)面をあげることができます。
 



一方、効率は投入リソースあたりに得られる成果の比率と言えるため、効率 = 成果 ÷ 投入リソースと表すことができます。さらに『効率化』は効率が高まる状態であり、品質や納期は成果、費用は投入リソースにそれぞれ影響するため、『効率化』は品質や納期を高める費用を下げることと言えます。言い換えるとRPA導入による『効率化』の実現には品質や納期を高めるアプローチや費用を下げるアプローチがあると考えられます。

ただし一般的に “従来の作業時間と比較して年間●●時間の削減に成功しました!”というようなRPA導入事例からも、多くの企業で従来の作業にかかる人件費等の費用を低減(費用を下げる)しつつ働き方改革やコア業務へのリソースシフトを実現する技術としてRPA導入が検討されています。

故にRPA『効率化』の指標として費用を下げるが代表的です。前述のRPA効率化時間も同様ですが、目標水準である127,000時間の削減目標とすることでより具体的に表現しています。しかし『効率化』アプローチは複数あることからも『効率化』が持つ本来の意味を測る指標としては限定的です。

RPAプロジェクトの良し悪しを測る『効率化』指標

効率化』≠費用を下げるであり、『効率化』=品質を高める×納期を高める(早める)×費用を下げるということがわかりました。では次にRPAプロジェクトの良し悪しを測るにあたりRPA処理結果や実行ログからRPAロボットのパフォーマンスやRPA導入プロセスを測る指標を考えてみます。

 

1.品質を高める

処理ミス率:処理ミス件数 ÷ 処理件数

RPAロボットはルール通り作業を行いますので目標水準は0%が求められます。ただし業務仕様の把握漏れにより処理ミスが発生する場合があります。要件通り開発がなされている前提としてテスト段階で気付いた処理ミスは要件定義、RPA稼働後の処理ミスはテストの確からしさを測ることができます。

 

処理完了率:処理完了件数 ÷ 処理件数

RPAロボットには条件に合致したものを処理し、それ以外をヒトに確認させる分岐を持たせる場合がよくあります。そのようなRPAロボットの処理完了(本来はヒトへ促す結果も正しい処理完了と言えますが、ここでは除外します)の度合いを指標とすることでRPA領域選定や業務ルール(処理を分岐させる条件)の確からしさを測ることができます。

 

稼働停止率:途中停止回数 ÷ 実行回数

こちらでも触れている通りRPAロボットは柔軟性を求められますが、システム画面の表示遅延や取り扱うデータ形式の違いなどにより途中停止する場合があります。この停止率からRPA実行環境やインプット情報の変化に対するRPAロボットの柔軟性の度合いを測ることができます。

 

2.納期を高める(早める)

納期遵守率:納期内処理件数 ÷ 処理件数

RPAが安定的に稼働する限り納期遅延は発生しないはずであり到達目標は100%が求められます。逆に言えばRPAロボットの安定性の度合いを測ることができます。

 

(平均)納期遅延時間:納期遅延総時間 ÷ 納期遅延件数

ヒトの作業により常に納期遅延が発生している業務の改善手段としてRPA導入するケースであれば、納期遅延時間の短縮度合いによりRPA導入の有効性度合いを測ることができそうです。

 

3.費用を下げる

削減時間:RPA導入前作業時間 - RPA導入後作業時間

RPA導入により削減されたヒトの作業時間は、さまざまなパターンが考えられます。

  • ✓既にヒトが実施している作業をRPAロボットが代替する場合
    前述の代表的なRPA導入効果であるヒトの作業が不要となった時間を削減時間とするものです。

     
  • ✓ヒトが断念している作業をRPAロボットが代替する場合
    本当はやるべき作業だけど時間が確保できないため断念している業務はありませんか。例えばWEBサイトを巡回してデータをスクレイピングする作業のように莫大な時間を要する業務へのRPA導入時はヒトが作業したとすると必要となる時間を削減時間(ヒトが作業したとすると削減されるはずである時間)と考えることができます。

     
  • ✓処理ミスによるリカバリー・再発防止のための時間
    RPA導入の動機がミスの軽減である場合、その軽減度合いは処理ミス率で測ることができます。ただし処理ミス発生時はミス自体をリカバリーする時間やミスの再発防止としてのチェック作業が必要となる場合がありますが、RPA導入によりこれらの時間を削減時間と考えることができます。

     
  • ✓納期遅延によるリカバリーのための時間
    納期遅延により本来発生すべきでない残業や休日出勤によるリカバリーをしているような場合、RPA導入によるリードタイム短縮で不要となった残業や休日出勤の時間を削減時間と考えることができます。

 

ライセンスあたり稼働率:RPA稼働時間 ÷ ライセンス数

RPAロボットは理論上24時間×365日稼働が可能です。よってライセンスあたりのRPA稼働時間からライセンス費用をどの程度有効活用しているかを測ることができます(同様にライセンスあたりの削減時間なども考えられます)。

当然ですが、現在のところRPAロボットの労働(稼働)時間に規制はないため、納期短縮に対する貢献度合いとして捉えることもできそうです。

名実一体とする『効率化』を進めよう

詳細を触れませんがQCD指標は相互作用の関係があるため、費用を下げるのみの単一的な指標による評価では本当の意味での問題点や改善策の立案につながりません。今回はRPAプロジェクトの良し悪しを測る指標の例を考えました。改めてRPAの代表的な指標である費用を下げるだけでない評価指標が考えられることを確認しました。また曖昧言葉の指す意味を具体的にすることで『効率化』アプローチが見えてくるということはRPAプロジェクトに留まらず必要な視点であるといえます。


では具体的は良い事で、抽象的は悪い事という簡単な話なのでしょうか。「の管理は任せたよ」とあえて抽象的に表現される業務指示(具体的に表現できるレベルまでイメージできているはず)や「要すれば何ですか」のような場面はよくある風景であり抽象化と具体化は双方求められる考え方なのだと、、、今日も気になることで溢れそうな状況は続きそうです。※RPA開発でもモジュール化の取組は抽象化がもたらす効果といえます。

 

わたしたちの取り組むRPA『効率化』の取組でも、具体化と抽象化を繰り返し「管理」や「推進」は抽象的な何もしない宣言ではなく、具体的な活動をする宣言、『効率化』は抽象的で有名無実でなく具体的で名実一体を目指してゆきたいと思います。

 

ビーウィズでは「デジタル&オペレーション」として、AIを活用したソリューションのご提供や、ロボットを活用した定型業務の自動化とオペレーターによる非定型業務の組み合わせでバックオフィス業務の効率化、品質向上をご支援しております。

最先端技術を手軽にご活用いただき、業務プロセスの効率化や品質向上のお手伝いをさせていただきます。


詳しい資料は、以下よりダウンロードいただけます。
https://www.bewith.net/gemba-driven/download/entry-129.html


関連記事