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【驚愕】オフラインでここまでできる!ローカルLLMの限界に挑戦

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  • #LLM

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nabe

2025.04.02

みなさん、生成AI使ってますか?
私はもうそれはそれはお世話になっています。私の業務のほとんどで活用しているといっても過言ではありません。プログラムを書く時、ちょっとした文章を書く時、もらった資料の内容をざっと確認したいとき、何かアイディアが欲しいとき、たくさんの資料から情報検索したいとき・・・などなど枚挙に暇がありません。ちなみにこの記事も生成AI(Geminiの新機能「Canvas」)にお世話になって書いています。

この記事では、Windowsなどのローカル環境で手軽に利用できるLLM(大規模言語モデル)に焦点を当て、その魅力や活用方法、利用する上での注意点などを解説します。

ローカルLLMという選択肢

さて、生成AIが非常に便利であることは皆さんも感じていることと思いますが、利用する上で気になるのは、

●ネット環境がない場所でも使いたい
●重要なデータを外部に送信したくない
●もっと手軽にLLMを試したい
●APIの利用制限などを気にせずに使いたい

といったことではないでしょうか。
特に、企業や組織においては、セキュリティポリシーの関係で、外部のAPIを介してLLMを利用することに制限がある場合も多いでしょう。また、個人利用の場合でも、プライバシーへの意識が高まる中で、自身のデータを外部に送信することに抵抗を感じる方も少なくないはずです。このようなニーズに対して、ローカルLLMは非常に有効な選択肢となります。

ローカルLLMとは

ローカルLLMとは、その名の通り、自分のPCなどのローカル環境で動作するLLMのことです。通常、LLMはクラウド上で提供されているものをAPI経由で利用しますが、ローカルLLMはモデル自体をダウンロードして自分の環境にインストールします。この方式であれば、インターネット接続がなくてもLLMを利用できますし、データが外部に送信されることもありません。

ローカルLLMのメリット

●オフラインで利用可能
・インターネット接続がない環境でも利用できます。飛行機の中や、ネット環境が不安定な場所でも安心です。
・例えば、災害発生時など、インターネット回線が利用できない状況でも、ローカルLLMがあれば、必要な情報にアクセスしたり、文章を作成したりすることができます。また、研究者がフィールドワークを行う際など、インターネット環境が整っていない場所で作業を行う場合にも、ローカルLLMは非常に役立ちます。

●高いセキュリティ
・データが外部に送信されないため、セキュリティ面で非常に有利です。機密性の高い情報を扱う場合でも、安心して利用できます。
・企業が内部の機密情報をLLMで処理する場合や、医療機関が患者の個人情報を扱う場合など、情報漏洩が許されない状況では、ローカルLLMの利用が不可欠となります。また、政府機関や金融機関など、特に高いセキュリティ基準が求められる組織においても、ローカルLLMは重要な役割を果たすでしょう。

●カスタマイズ性
・モデルを自分の環境に合わせてカスタマイズできる場合があります。
・ローカルLLMは、特定の用途に合わせてファインチューニング(追加学習)できる場合があります。例えば、自社の製品に関するFAQ応答に特化したLLMや、特定の業界の専門用語を理解できるLLMなどを作成することができます。これにより、より高度な業務効率化や、新たなサービスの創出が期待できます。

●利用制限がない
・APIの利用制限などを気にせずに、好きなだけ利用できます。
・クラウドLLMのAPIを利用する場合、通常は従量課金制となっており、利用量に応じてコストが発生します。また、1日あたりの利用回数制限などが設けられている場合もあります。ローカルLLMであれば、これらの制限を気にすることなく、好きなだけLLMを利用できます。これにより、コストを抑えつつ、LLMを様々な用途で活用することができます。

ローカルLLMのデメリット

●高いPCスペックが必要
・LLMは非常に大きなモデルであるため、動作させるためにはある程度のPCスペックが必要です。特にメモリ容量が重要になります。
・一般的に、LLMの規模が大きくなるほど、必要な計算資源も増大します。そのため、高性能なCPUやGPU、大容量のメモリを搭載したPCが必要となる場合があります。また、処理速度も、PCのスペックによって大きく左右されます。

●セットアップがやや複雑
・モデルのダウンロードやインストール、環境構築など、ある程度の技術的な知識が必要になる場合があります。
・クラウドLLMは、API経由で手軽に利用できますが、ローカルLLMの場合は、モデルのダウンロードやインストール、必要なソフトウェアのセットアップなどを自分で行う必要があります。これらの作業には、ある程度の技術的な知識が求められるため、ITに不慣れなユーザーにとっては、ややハードルが高いかもしれません。

●利用できるモデルが限られる
・クラウドで提供されている最新のLLMに比べると、利用できるモデルの種類は限られます。
・LLMの開発は日進月歩であり、常に新しいモデルや、既存のモデルを改良したものが登場しています。クラウドサービスでは、これらの最新モデルを比較的容易に利用できますが、ローカルLLMの場合は、新しいモデルが登場するたびに、自分でダウンロードしてインストールし直す必要があります。

●性能
・クラウドLLMに比べると、性能が劣る場合があります。
・クラウドサービスでは、最新のハードウェアやソフトウェアを活用してLLMを最適化しているため、一般的に、ローカルLLMよりも高い性能を発揮します。特に、非常に大規模なモデルを動作させる場合や、大量のデータを高速に処理する必要がある場合は、クラウドLLMの方が有利となることが多いでしょう。

ローカルLLMの始め方

ローカルLLMを始めるための方法はいくつかありますが、私も使っているものを2つ紹介します。

1.    LM Studio
・Windows、Mac、Linuxで動作するアプリケーションです。
・GUIで簡単にLLMをダウンロードして実行できます。チャット形式でLLMと対話できます。

LM Studioは、ユーザーフレンドリーなインターフェースが特徴で、技術的な知識がない方でも比較的容易にLLMを試すことができます。また、様々な種類のLLMをダウンロードして切り替えて使用できるため、色々なモデルを比較してみたいという方にもおすすめです。
LM Studio

2.    Ollama(オーラマ)
・LLMを簡単にセットアップ・実行するためのツールです。
・様々なLLMをコマンド一つでダウンロードして実行できます。
・APIサーバーとしても機能します。

Ollamaは、コマンドラインインターフェース(CLI)で使用するため、ある程度のIT知識が必要となりますが、その分、柔軟なカスタマイズが可能です。また、APIサーバーとして機能するため、他のアプリケーションからLLMを呼び出して利用したいという開発者の方にも適しています。
Ollama

ローカルLLMで利用できる代表的なモデル

ローカルLLMを始めるにあたって、どのモデルを選べば良いか迷う方もいるかもしれません。ここでは、主要なツールで利用できる代表的なモデルをいくつか紹介します。

●Llama 3
・Metaが開発したオープンソースのLLM。様々なタスクで高い性能を発揮します。
・Llama 3は、Meta社が開発したLlamaシリーズの最新モデルであり、以前のバージョンから大幅に性能が向上しています。特に、文章生成能力や、複雑な推論を行う能力に優れており、様々な用途での活用が期待できます。

●Gemma

・Googleによって開発された軽量かつ高性能なオープンモデルです。様々なタスクで優れたパフォーマンスを発揮し、開発者が自身のアプリケーションに容易に組み込むことができるように設計されています。
・Gemmaは、Googleによって開発されたオープンモデルで、特にその効率性と多様なタスクへの対応力が魅力です。軽量ながらも、高度な言語理解と生成能力を備えており、開発者が様々なアプリケーションに組み込みやすいように設計されています。

●phi-4
・Microsoftが開発したオープンモデル。高い言語処理能力と効率性を持ち合わせています。
・Phi-4は、Microsoftが開発したオープンモデルであり、特にその高い言語処理能力と効率性が際立っています。限られた計算資源でも優れたパフォーマンスを発揮できるように設計されており、エッジデバイスやモバイルアプリケーションなどでの利用に適しています。

●DeepSeek-R1
・DeepSeek AIによって開発された強力な言語モデル。特にコード生成と複雑な推論タスクに優れています。
・DeepSeek-R1は、DeepSeek AIによって開発された強力な言語モデルであり、特にコード生成と複雑な推論タスクにおいて優れた能力を発揮します。プログラミングの自動生成や、複雑な問題解決を必要とするタスクにおいて、高いパフォーマンスが期待できます。

●Qwen
・Alibaba Cloudによって開発されたモデル。多言語処理能力に優れ、様々なタスクに対応可能です。
・Qwenは、Alibaba Cloudによって開発されたモデルであり、その際立った多言語処理能力が特徴です。様々な言語でのテキスト生成や翻訳、質問応答など、幅広いタスクに対応できる汎用性の高さが魅力です。

セキュリティについて

ローカルLLMを利用する上で、セキュリティは非常に重要なポイントです。

●モデルの入手元
・信頼できるソースからモデルをダウンロードするようにしましょう。
・改ざんされたモデルを利用すると、情報漏洩などのリスクがあります。
・LLMのモデルファイルは、比較的容易に改ざんが可能です。悪意のある第三者が改ざんしたモデルを配布し、ユーザーがそれを利用した場合、情報漏洩や、最悪の場合は、PCが乗っ取られるなどのリスクも考えられます。そのため、モデルをダウンロードする際は、公式サイトや、信頼できる研究機関など、確かな情報源から入手するようにしましょう。

●PCのセキュリティ
・ローカルLLMを利用する場合でも、PCのセキュリティ対策は非常に重要です。OSやソフトウェアの脆弱性を放置すると、そこからマルウェアに感染し、情報漏洩につながる可能性があります。また、ウイルス対策ソフトを導入することで、これらのリスクを低減することができます。

その他注意点

●アップデートの速さについて
・LLMの世界は、技術の進歩が非常に速く、数ヶ月前、ここ最近では数週間前までの情報がすぐに古くなってしまう、ということがよくあります。この記事の内容も、執筆時点での情報に基づいていますが、今後、新しいモデルや技術が登場する可能性があります。常に最新の情報を確認するようにしてください。

●日本語でのやりとりについて
・この記事で紹介したLLMは、主に英語や中国語などのデータで学習されているものが多いため、日本語での利用においては、十分な性能を発揮できない場合があります。特に、複雑な文章の生成や、微妙なニュアンスの理解が必要なタスクでは、その傾向が顕著になることがあります。
・もし、これらのモデルを実際に使ってみて、日本語の精度に不満を感じる場合は、日本語のデータで再学習・追加学習(ファインチューニング)を行ったモデルが公開されているので、そちらの利用を検討してみてください。日本語に特化したモデルを利用することで、より自然な日本語での文章生成や、高度な日本語処理が可能になる場合があります。

まとめ

ローカルLLMは、オフラインでの利用や高いセキュリティなど、クラウドLLMにはないメリットがあります。一方で、PCスペックやセットアップの複雑さなど、デメリットも存在します。自身の利用目的やPCスペックなどを考慮して、ローカルLLMが自分に合っているかどうかを判断してみてください。

もし、ローカルLLMに興味を持たれたら、ぜひこの記事で紹介したツールを試してみてください。

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