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現場のWEBマガジン
愚痴に潜む改善の第一歩。伝わらないのは部下が悪いのか、聞き流す上司が悪いのか。
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HUMAN

仲江洋美

2022.11.09

言ったところで気温は変わらないのに「暑くてイライラする」と言い、さすがに死にはしないだろうに「寒くて死にそう」と言う。

言っても仕方がないことを言って嘆くことを“愚痴”と言う。

仕事に愚痴はつきもの。
「あの人はいつも締め切りを守らない」
「急に言われても困る」
「フォーマットが使いづらい」などなど。

改善する気は無くても、ただ愚痴を言いたい時はある。でも、愚痴には改善につながる課題が潜んでことも多い。

私はコールセンターのスーパーバイザーに研修をしているが、受講者から「自分の改善提案が通らない」という相談を受けることが度々ある。

新人スーパーバイザーには、会議という舞台はまだ用意されていないことが多く、ランチや飲み会、または1on1の面談といった場面が、上司に改善提案を伝える絶好の機会となる。ところがうまく伝えることができず「改善提案」どころか「愚痴っぽい人」と捉えられてしまったと悩んでいることすらある。伝えているつもりの改善提案が、聞き入れられないのだ。

上司の反応はこんな感じらしい。
「○○さんと○○さんは、いつもうまくいかないね」
「そう思っているのは、○○さんだけじゃない?」
「ロジカルじゃない。それは感情論だよ。」

まるで伝わってなさそうだ。伝え方をものすごく間違ったんだろうなという推測と同時に、それにしても上司だってもっと歩み寄ってくれても良いのではないか、とも思う。

このように、改善提案をしているつもりなのに「愚痴っぽい」と思われる人もいれば、「愚痴っていいですか?」と始めた割には、いつの間にやら改善の具体案をイキイキと語り、「いいね、それさっそくやろうよ」と上司の了承を得る人もいる。

後者は良い、実にたくましい。多少の弱音や批判を言おうとも、それを上回るアイデアとパッションで突破したのだろう。

今日のお題は前者。愚痴っぽく聞こえるのが理由で、改善の第一歩が聞き流されてしまうことが、とてももったいない。こういう事象はさまざまな職場で起きているんだろうなあ。

うまく伝えられない部下が悪いのか、聞き流してしまう上司が悪いのか。

改善の第一歩を見落とさないよう、伝え方・聞き方のポイントをお伝えすることで、部下という立場の方にも、上司という立場の方にも、お役に立ちたい。両者を応援したい。

感情的な要素を取り除く

愚痴っぽく思われる話には、たいてい余計な情報が多い。感情的要素が多く含まれるため、上司は「感情論だね」と言い「ロジカルじゃないね」と言う。では、どのような情報を減らしたら良いだろうか。

「人の情報」を減らす
なぜ改善提案したいのか、その背景を伝えるために実際の出来事を話すのは悪いことではない。そうなると、実在する身近な人物がたくさん登場する。実はこれがやっかい。「○○さんとは、同じ意見だねって盛り上がったんです」と味方がいることをアピールをしたり、「○○さんが作ると、いつもわかりづらいですよね」と、つい誰かを蹴落とすようなことを言ってないだろうか。個人名は不要に出すと人間関係の問題だという誤解を招く。そのような空気を感じたら「○○の担当者は」など、できるだけ役割名に言い換えた方が良い。

「私が」を減らす
改善提案するのは「私」だから、「私が」は多くて当然なのだが、熱量が入れば入るほど「私が、私が」が加速する。上司がわかってない様子であれば、悪いことに焦ってさらに加速する。でも、業務改善の主役は「私」ではなく「みんな」であり「業務そのもの」である。

「私のWantではなく、みんなのMustにしよう」
これは当Webマガジン現場ドリブンで生まれた名言である(原文での表現とは少し異なるが意味は同じ)。詳しくは、人気記事「会議は戦場だ。丸腰で挑めばケガをする」を読んでほしい。この名言に私は何度も救われている。


「否定」を目的にしない
改善とは少なからず過去や今の否定である。しかし、過去や今のやり方には、背景や事情がある。歴史があって、今のルールが存在する。なぜそうなったかの理由や事情に興味を持たず、先にだけ進もうとすることは、良く言えば革新的であるが、傍若無人にも見えかねないことを理解しよう。また、伝える相手である上司が、過去にその基礎を築いた当の本人であることも珍しくない。上司だって人間だ、真っ向否定は面白くはない。あくまで提案の目的はミライへの改善であり、カコとイマの否定ではないことを忘れてはならない。

定量情報を追加する

「効果を定量的に提示せよ」となると、いよいよ愚痴ではなく、改善提案の雰囲気が出てくる。でも難しそう。ハードルを上げすぎると諦めたくなり、改善の灯はふっと消えてしまう。ここで怖じ気づかないでほしい。まずは、ほんとに簡単でよい。四則演算(+/−/×/÷)だけでいいから計算してみてほしい。

効率化のためにフォーマットを変えるならば、「1回あたりの削減時間×月の利用回数=月の削減時間」。
研修時間を増やしたいのであれば「増やす時間×受講予定人数×給与=増える人件費」。
これだけでいいから計算してみよう。

そして何かと比べて天秤にかけよう。やりたいことの価値の大きさが見えてくる。

「月の削減時間」と「フォーマット変更にかかる労力」が見合うか見合わないか
「増える人件費」と「研修実施による効果」が見合うか見合わないか

量を測ると見え方が変わることは多い。ひとつでいいから数字を準備すれば、今よりぐっと自信を持って提案できるはずである。

愚痴をこぼしたり愚痴を聞いたり

若い頃の私は、不満も愚痴も少なかった。なぜならば、決まったことに疑問を持たずに、ただこなしていたから。経験を積み、成長し、自分でできることが増えると、人のことが気になり始めた。一定数、ミスをしがちな人がいることや、処理が遅い人がいることを知り、時に苛立つこともあったかも。

少し立場が変わると、人を悪く言うのではなく、悪く言わなくて済むように、仕組みで解決しようと考えるようになった。上司に提案し、自分だけでなく皆で動き、チームでの改善ができるようになった。

さらに、上司といわれる立場になり、自分自身は現場の最前線ではなくなった。どれだけ現場経験があろうとも、今起きている現場の課題を、部下以上に日々体感することは絶対にできない。だから、部下の愚痴からドロっとした課題もろとも拾い上げるのが専らである。会議では優等生的な課題しか出てこないからね。個人的には、感情も提案もないまぜで伝えてくれる方が大歓迎。それくらい熱っぽい方が私は好き。でも、皆が皆、そうではないだろう。

だから。愚痴っぽくなる自覚のある部下は、感情を除こう、数字を足そう。
愚痴を聞くことになる上司は、聞きながら感情と提案を切り分けよう、数字は一緒に計算しよう。
こうすることで、何かひとつでも、職場の問題が改善されることを願っている。

ああ、ずいぶんグチグチ言ってしまった。
心の湿度が高い。
次はもっとカラっと明るい記事を書くことにしよう。

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