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駆け出しスーパーバイザーのリーダーシップ論
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HUMAN

形柳亜紀

2022.06.22

新年度を迎えて、おそらく1年で一番「駆け出しスーパーバイザー」が多い時期だ。
当社でも6月1日付で、数名の新入社員が「駆け出しスーパーバイザー」として現場に配属になった。
この「駆け出しスーパーバイザー」は、ほかの部門(例えば営業・コーポレート部門)と大きく違う点がある。

「駆け出しスーパーバイザー」は、今日からスーパーバイザーになったばかりの「ひよっこ」なのに、センターでリーダーシップを発揮して、マネジメントしないといけない、という点だ。

きっと配属日においては、オペレーターの方がセンターのことをよく知っていて、お客様対応も上手であろう。
それでもスーパーバイザーなので、ひよっこは先輩をを指導しないといけない、というねじれがあるのである。

私自身も、社会人としてのキャリアのスタートは、「駆け出しスーパーバイザー」だった。このねじれとどう向き合うか、それが社会人になった私の最初の課題だったように思う。

今日は、この「駆け出しスーパーバイザー」にとっての「リーダーシップ」とは何なのか、について考えていきたい。

リーダーシップとは何なのか

最初に、「リーダーシップ」という言葉について、辞書を引くと以下のように記載がある。

========================================
指導者としての地位または職責。指導権。主導権。統率力。指導者としての能力・資質
========================================
指導者、指導権、統率力、と言われるととても強い意味のように感じてしまう。

世の中的には、「みんなを引っ張ること」というニュアンスもあれば、「部下に考えさせる」のような引くニュアンスもある。
これらの要素は、しばしば断片的に取り上げられ、自分にはあまりフィットしないことも多いと感じる。

リーダーシップ論は、この瞬間も世界中の学者に研究されているテーマであり、時代によって求められるものが変化している。それと同時に、発揮する本人の経験値やキャリアのステージによって変わって来るものなのだろうと考えている。

はじめは、1人の部下に対する小さな世界でのリーダーシップ。次に企画推進などのプロジェクト型のリーダーシップ。さらには組織マネジメント型のリーダーシップへと変容していくのだ。
もっと言えば、本人の性格やキャラクターによっても発揮されるべき「リーダーシップ」はきっと違うのだろう。

誰かの型をマネするのではなく、自分らしい「リーダーシップ」を模索すること。それは「駆け出しスーパーバイザー」だけでなく、社会人全体の課題なのかもしれない。


社長だって、総理大臣だって、詰まるところ求められているのは「リーダーシップ」だ。それほどに「リーダーシップのゴール」は常に可変し、完成しないものなのであろう。

「駆け出しスーパーバイザー」が陥りやすいこと

「駆け出しスーパーバイザー」に求められることは大きく分けて2点ある。

1点目は、「業務を覚えること」である。具体的な業務ルールや商品知識を覚えることだ。
2点目は、「スーパーバイザーとしての汎用的な能力」をスキルアップさせていくことだ。この汎用的なスキルは「オペレーターとの接し方」「トレーニングスキル」「ブースコントロールスキル」「数字分析スキル」など、これらはスーパーバイザーとして身に付けた後、マネージャーや部長になっても必要とされる、自分にとっての資産のようなものだ。

「駆け出しスーパーバイザー」は、業務習得のために、オペレーター業務から開始することも多い。その期間は、オペレーターの業務の苦労や、喜び、モチベーションの維持などをオペレーターの立場で味わうことのできる貴重な期間だ。せっかくなので、業務を習得する目的のみに使うのではなく、先輩スーパーバイザーの個性をつかみ、そのうえでどう対処しているのか、を客観的に見る期間にしてもらいたい。先輩スーパーバイザーも悩みながら、今に至っているはずなので、学べることがあるはずだ。

短期間のオペレーター経験を経て、いよいよスーパーバイザーとして、業務運営に参加する。「駆け出しスーパーバイザー」は、業務がわからないために、問題解決ができないことが多くなる。知らないのだから、当然だ。
「自分には知らないことが当然ある」という前提を「駆け出しスーパーバイザー」はよく理解し、知らないことに動じない力が必要だ。

知らないことに動じてしまう「駆け出しスーパーバイザー」は、業務知識を覚えていない自分への劣等感から、オペレーターからのエスカレーション時に自分が答えられなかったことを責めてみたり、ひどい場合は、不確実な情報をオペレーターに回答してしまうリスクすらある。

「業務を覚えること」は初動の重要なミッションであるが、「知らないことに動じない」、そして「冷静に確認をして、問題解決できる」スキルがあれば、極論を言えば業務知識がなくても業務遂行は可能なのだ。(全員がそういうスーパーバイザーでは困るけど)
このスキルは、上述した「スーパーバイザーとしての汎用的な能力」の一部である。

コンタクトセンターは業務内容が年々難しくなっていて、習得が簡単ではなくなっている。特にスーパーバイザーのレベルになると、ある程度の時間が経過しなければ、真の理解までには到達できない。すぐに覚えられないのはあなたのせいではない。

「業務習得には時間がかかる」ということを理解した上で、まずは「知らないことに動じない」という汎用的な力でカバーしよう。オペレーターはあなたをテストしているのではなく、問題解決を求めているだけなのだ。

ただし、業務知識の習得に向けた改善努力を怠らないこと(メモを取る、情報を整理する、なぜそのようなルールなのか、までを深く理解する)は、「スーパーバイザーとしての汎用的な能力」であり、しっかりと取り組んでほしい。

さて、ここまでの話はあまり「リーダーシップ論」っぽくなかったかもしれないが、できないことが多くても自分なりの立場でセンターの一員として「どうすればセンターをよくできるか」を考えることは、立派なリーダーシップだ。
そこから、小さいリーダーシップは始まっている。

業務習得が進んできて、現場運営が上手になってくると、与えられる情報と現場で目にすることがつながってくる。その時に「駆け出しスーパーバイザー」には次の課題が訪れる。

これまでは、対オペレーターと信頼関係を築くことが主であったが、コスト削減や品質の向上など、センター全体のマネジメントに目が向いてくるのだ。これは上述した、1人の部下に対するマネジメントから、企画推進などのプロジェクト型のリーダーシップへのステップアップでもある。

その時に、オペレーターさんとセンターのマネジメントの間にコンフリクト(論争・争い・衝突)が生じてしまうことが、悩みになろうと思う。例えば、全体のACW(後処理時間)を短縮させようと、「駆け出しスーパーバイザー」は努力をしているけれど、あるオペレーターさんはその動きをよく思ってなさそう、というような組織と個人のギャップ等があげられる。

その時に「駆け出しスーパーバイザー」が陥るパターンが2つあり、1つはコンフリクトを過剰に恐れてしまうことである。コンフリクトは組織において避けられないものである。そして、コンフリクト解消のために相手とコミュニケーションをすることで理解が深まるなど、プラスの側面もある。コンフリクトも逃げずに、しっかりと対峙して解消していく必要があることを理解しておこう。(もちろん無駄にコンフリクトを起こす必要はない。)

もう1つは、オペレーターを集団として把握し、個々人との対面を重視しなくなることである。
これまでのリーダーシップの粒度はオペレーター1人1人であったのに対し、自分のステージが変わることでセンターのKPIがマネジメントの粒度になってしまうのだ。その結果、センター全体で生じていることの背景にある1人1人のオペレーターの感情や人間性の把握がおろそかになってしまう。

1人1人の努力の積み上げで今日のセンターは作られている。それをいつも忘れないスーパーバイザーであってもらいたい。

この記事を「駆け出しスーパーバイザー」が読んでくれたらとてもうれしい。
しかし読んでくれたとしても、きっと同じ過ちを犯すだろう。現場はそんなに単純ではない。

それでも毎日、もがき苦戦しながら目の前の課題に取り組んでいけば、気が付けば初めの課題であった「ねじれ」は解消されている。

「ねじれ」解消の即効性のある突破策はない。目の前の課題に真摯に取り組んでいこう。

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