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あなたのミス傾向は?上手いミスとの付き合い方
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2021.07.14

うちの息子は、よく“うっかり”しています。登校時には着ていたはずの上着を忘れて帰ってきますし、漢字の宿題の途中に、熟語を調べようとタブレットを手に取ったら最後、宿題をしていたことすら忘れているなんて日常。
ついこの間は、「お風呂に入りにいく」と言って、なかなか戻ってこないなと思って様子を見に行くと、部屋で漫画を読んでいて「あ、そうだ、お風呂行くんだった」と、まあこんな調子です。

これは成長に合わせて改善するものなのか・・と悩んでいたのですが、そんな私も先日、PTAの集まりのLINEグループに、「夕飯の買い物リスト」を送るというミスを犯したばかりです。種類は違う気もしますが、もう強くは責められません。親子そろって、とんだうっかりです。

日常では「あら、うっかり!」で済む平和なエピソードも、仕事に置き換えると大変なことです。仕事で同じようなことをしてしまったら、「スケジュール遅延」「約束不履行」「納期遅れ」「送信先間違い」「セキュリティ事故」など、どれも本当に怖いミスです。できるだけ、ミスとは無縁で過ごしたいものです。

では、これらのミスは、根っからのうっかり者でも、仕事モードにスイッチして「意識する」だけで回避できるものなのでしょうか。私の先日のヒヤッとした体験が冷めないうちに、今日は改めて仕事におけるミス防止のためにできることを考え、再度気を引き締めて日常、そして仕事に向き合っていこうと思います。皆様も日常を振り返るきっかけとして、お付き合いいただけたら幸いです。

自分のミスタイプを知ろう

手始めに、自分のミスの傾向を簡単に振り返ってみましょう。下のチャートは、性格的傾向から、陥りやすいシーンを想定しミスタイプを分類したものです。自分の傾向を把握しておくことで、起きやすいミスに事前に注意を向けることが出来ると思います。

さて、迷う部分もあるかもしれませんが、気軽に直感で下記のチャートをたどってみてください。


ミスタイプ診断

※ミスタイプ診断シートはダウンロードが可能です。ダウンロードはこちら

左の「負けず嫌いである」から順にたどっていくと、A連携ミス、Bドタバタミス、Cこっそりミス、D判断ミス、E仕事のムラミス、Fうっかりミス、のいずれかに行きつきます。自分のミスの傾向、そして他にもこんなケースもあるなと整理しておくことで、ミスをしやすいシーンで適切な注意を向けることが出来るようになると思います。

下の結果一覧でそれぞれのタイプについて、得意なことと苦手なことにも注目して詳しいミス傾向を確認してみましょう。


ミスタイプ結果

どれか一つが該当する方も、「あれもこれも自分のことだ・・」そう思った方もいるかもしれません。私自身も「連携ミス」も「仕事のムラ」も「うっかりミス」もコンディションによってはすべて当てはまると感じるところがあります。その時々によって、「準備が足りなかったな」と反省したり、「責任感だけで進みすぎて、全体が見えてなかったな」なんてことは、しょっちゅうです。

タイプ分析は、自分の次の行動に活かすポイントを見つけるきっかけになればよいのだと思います。同時に他者への理解を深めるきっかけにできたら素敵ですね。苦手なポイントをフォローするようにチームでミスを回避すればよいのです。

ちなみに冒頭に登場した息子にやってみてもらったところ、「仕事ムラのミス」傾向があるようです。勉強と置き換えると、確かに子供ですので、夢中になったかと思えばすぐ飽きているし、計画性もないし、かなり自由人なので、こうなりますね。ムラしかないので納得の結果です。対策としては、一緒に計画を作ってやってみたり、都度モチベーションに繋がる褒めなんかが必要なのかもしれません、、頑張ります。

ミスとのかしこい向き合い方は?

ミスのタイプが分かって安心するばかりでは、実はミスを減らすことはできません。まだあるのか・・と思われた方に向けて、ミスの概要を簡単に捉えるための「ミスに関する3つの説※」を唱えたいと思います。※筆者の見解

◆「ミスは個人のせいじゃない、仕組みのせい」説
組織におけるミスは、ミスをしてしまった本人のせいにして終わらせることが最ももったいないことです。なぜなら、組織は、様々な人、そしてシステム・環境などから成り立っており、自分の行動だけを改善しても足りないのです。


上記は、「m-SHELLモデル」と呼ばれる安心・安全にかかわる現場で多く用いられている考え方です。私も初めて触れたとき、すごいモデルだなと感じました。【Live-ware】(本人)を中心において、その周りを取り巻く【Live-ware】(仲間・関係者)、マニュアル・ルールなどの【Soft】、システムなどの【Hard】、その時々の環境【Environment】、そしてそれら全体を見る立場の【Management】の視点で考えるものです。このように視野を広げてみると、人のせいにするばかりでなく、ルールや仕組みに目を向けた方が改善は明らか、ということはたくさん見つかります。

例えば、コンタクトセンターで、ミスオペレーションをしてしまった場合、当人が知識を整理し正しく理解しなおすことはもちろんですが、【L】周りにいるSVやLDRのフォローの仕方は適切だったか、【S】 マニュアルはわかりやすいか・情報が網羅されているか、【H】システムで制御できることはないか、【E】落ち着いてオペレーションできる働きやすい環境か、【M】全体を最適化しようとしているか など、対応できそうなことは多く見つかります。私自身、これまでミスに直面した際、この視点を使って十分に根本原因にアプローチ出来ていたかというと反省ばかりが浮かびます。

m-SHELLの考え方は、ミス抑止に有効ですが、それ以外にも、人の成長などあらゆる場面で使えるモデルだと思っています。先日、日曜劇場のある場面で、阿部寛が「東大に受かるためには、リビングをきれいにしろ」や、「両親仲良く」等と言っていました。これも「本人の勉強」という本人の問題だけでなく、環境や周りの人が影響するということなので、m-SHELLに繋がるなと妙に納得してしまいました。

◆「“注意が足りない人”が、ミスをする」は間違い説
そもそもミスは「ミスの結果に対する注意が足りない」ということに他なりませんが、言い換えれば「他のことに注意を向けすぎていた」という現象だと整理することが出来ます。注意が足りないのではなく、注意の矛先がずれてしまった時なのです。皆さんは、下記の動画を見たことがあるでしょうか。
「白い服のプレーヤー間で、ボールが何回パスされたか数える」というお題が課されています。
是非数えながら見てみてください。


実験では約半数の方がゴリラに気づかなかったそうです。ゴリラが見えない理由は「選択的認知」といわれるものらしいです。私たちの頭の容量には限界があるので、一つのことに注意を払っているときは、他のものが視界に入ってきても認識できない特性です。逆に、ゴリラに気が付いてしまい、パスの数を間違ってしまった人もいると思います。私はそのタイプでした。人によって注意の深さや範囲は違うものなのだな、と改めて感じさせられます。

「ミスしないようにする」こととは、「注意する矛先を一つに絞る」ことです。それが正解の場合もありますが、周りのリスクに気づけないという怖さもまたあります。よって、組織における「ミス対策」は、「全体像」と「注意すべきポイント」を共有すること、そして「別の視点でもう一度チェックすること」が大切だといえます。

◆「ミスの自覚が無い時こそ、注意」説
最後に、一番良くないと感じるのは、ミスに目を向けずに突き進んでしまうことです。「大したことじゃない」「ちょっと聞き間違えただけ」「ちょっと計算ミスをしただけ」「相手が聞いてなかっただけ」・・こんな風に片づけてしまうことはないでしょうか。「私はミスをしていない」という人は、周りの人がそのミスをフォローしてくれているかもしれませんし、いつか大きなミスにつながるリスクに気づけないまま過ごしている可能性もあると思います。

コールセンターで管理者をしていた際、私はまさにこの体験をしてしまいました。「ちょっと落ち着けばみんなできるはず」「忙しいからミスが目立つだけ」「今だけ」・・・このようにミスとして捉えるのではなく「忙しいせいだ」「頑張っている」という守りの思考に陥り、励ましあうばかりで、対策らしい行動に繋げられていませんでした。結果防げるはずのミスにつながってしまったこともあります。
逃げずに正面から受け入れることの大切さを痛感しています。

ミスは、向き合ってこそ救われる

さて、ここまで色々な角度からミスについてみてきましたが、改めてまとめてみて気が付いたのは、「ミスは、見つけたもん勝ち」ということです。
ミスに気付かない人より、ミスに気づき、それを自分事として捉えて解決していける人は強いですし、素敵で憧れます。

組織も同じで、ミスに気づけない組織は表面上うまくやっているように見えても、やがて大きな問題に直面します。一方、ミスの定義を「明らかな大きなミスだけ」とせず、小さなことも「ミス」と捉え忙しいながらも取り組もうとしている組織は当然強くなります。

うっかりの私自身もチームも会社も、そんな組織となれるよう、一層気を引き締めてミスに向き合おうと改めて思った次第です。皆様、そして皆様の組織の改善のご参考にしていただければ嬉しく思います。

記事内でご紹介したミスタイプ診断チャートだけでなく、職場でのミスの原因を整理し改善したり、ミスを仕組みで防止するためのチェックポイントをまとめたブックレットをプレゼントいたします。


下記URLより、ダウンロードしていただけます。
https://genba-driven.jp/download/entry-212.html


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