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通販業界の「プロ」を量産。~専門知識の体系化・情報共有への挑戦~
  • #ナレッジ

HUMAN

sasaki

2021.06.16

組織の規模が大きくなり、関わる人数が増えれば増えるほど、考え方や方向性をメンバー全員に浸透させて、理解の均一化を図っていく事は難しくなっていきます。
コップ一杯のカルピスを美味しく作る事は簡単でも、50メートルプール分のカルピスを同じ濃さで均一に作れと言われたら。。。それはもう至難の業ですよね。

しかも、時代はコロナ禍。面と向かっての研修もままならなくなり、飲みニケーションなんて言葉はもはや絶滅危惧種になりつつあります。
その難易度はさらに上がってきていると言っていいでしょう。
今日はそんな中で私が今まさに直面している知識の体系化・情報共有の奮闘についてお話したいと思います。

私が所属している部門はコンタクトセンターの中でも主に通信販売業界に専門特化した組織です。発足以来、担当するコンタクトセンターの数や規模は順調に拡大。当時とは比べものにならない規模に拡大しました。

喜ばしい事ではありますが、課題として重くのしかかってくるのが人材の確保。
一般的なコンタクトセンターの運営はもちろんですが、同時に通販業界の固有のアクションも強く求められるため、その要件を兼ね揃えた管理者を育成する必要があります。

通販コールセンターにおける固有のアクションとは一体どんなものがあるのでしょうか。
・定期お届けサービスの継続提案(解約阻止/リテンション)
・入電者に対するクロスセル/アップセル/定期便への誘導
・肌状態や体調をヒアリングして適切なアドバイスを行う「カウンセリング」
・サンプル希望者/休眠顧客に対するアウトバウンドでの商品提案
・テレビCM放送時などの突発的な入電増に対する対応
・クライアント企業の思いやポリシーを反映したトークの実現
などなど。

このご時世、クライアント企業の要望は単に応答率を確保し、注文を受けるという事に留まりません。
エンドユーザーにいかに商品に愛着を持ってもらい、長く愛用してもらえるか。
その結果、どれだけクライアント企業の売上に貢献する事が出来るのか。そういった応対の実現やコンタクトセンターの運営が求められています。

そんなクライアント企業の思いに応えるために、通販固有のアクションを実行出来るプロフェッショナルを育てる事が今まで以上に必要になってきました。しかも、札幌、横浜、大阪など複数の拠点で同時多発的に複数のセンターが立ち上がるなんて事も。。。

こうなってくると、1名、2名の職人を育てるだけでは到底間に合いません。
拠点を超えた教育体制、情報共有の仕組みを作り、専門的な知識を有するプロを数十名単位で育成する必要があります。そこで部門内にプロジェクトを立ち上げ、2020年6月から本格的に始動しました。

夢と希望を抱きつつ、先の見えない霧に包まれたような不安が交錯する中、プロジェクトの方向性を決める初回のミーティングでメンバーとブレストを行いました。そしたらもう出るわ出るわ、やりたい事、教えたい事、ドキュメント化したい事のオンパレード。
通販業界研究、通販の物流フローに始まり、化粧品やお肌の知識、薬機法の理解、通販に求められる応対品質、人材育成フロー、外部団体との連携強化。。。アイディアはホワイトボード1枚ではとても収まり切りませんでした。


さて、どこから手を付けるか。ある程度絞っていかないととても収拾がつきません。
そこからさらに議論を重ねる事数日。今まで我々がセンターを立ち上げていく中で一番何に苦労したのか。どこを理解していればもっとスムーズに運営出来たのか。
その視点で考えた時、まず最初のターゲットを通販センターが抱えるKPIに絞りました。

受注率、クロスセル/アップセル率、定期引き上げ率、定期解約抑止率、ミス率、メール時間内返信率、チャット応答率など。
通販センターで必ず求められ、苦しんできたKPIをピックアップ。この数値目標を達成するための打ち手や指導方法、数値管理の手法をまとめて、虎の巻としてドキュメント化していく。
その内容を元に研修も出来るし、数字が伸び悩んだ時の参考書としても活用できる。幸い、多数の通販センターを運営しているから、その中で培った生の成功事例も失敗事例もナレッジやノウハウはごまんとあります。
これを活用しない手はありません。方向性は決まりました。
次の日から各センターの責任者を捕まえて、センターが抱えているKPIや現状の数値、向上のための取り組み、成功事例・失敗事例、抱えている課題などのヒアリングを始めました。

そこで集まってきた情報はまさしく宝の山。
KPIを達成するために悪戦苦闘してきた血のにじむような努力の結晶がどんどん蓄積されてきます。その情報量の多さ、バリエーションの豊富さに驚かされるばかり。成功のヒントは現場に隠されていると改めて思い知らされました。

さらに驚いたのは、実際にやってきた現場の方々は、その打ち手やアイディアの凄さに意外と気づいていないという事。それが「普通」、それが「スタンダード」だと思って日々淡々と実行している方がいかに多い事か。

でもその「普通」が外から見ると実は「秘策」だったり、必勝パターンだったりします。
沖縄の人がケンタッキーフライドチキンをお茶漬けにして食べているようなもので、沖縄県民にとっては一般的でも、他県の人から見たら「何それ!?」「そんな手があったか!?」と驚くようなアイディアがたくさん掘り起こされました。

こんな感じで目の前に集まった最高の食材。これをどう切り崩して、どう調理して、どう盛り付けていくか。決して無駄にはできません。
資料を数ページ作ってはもう一回戻って作り直す繰り返し。他部門の方にも意見を求めつつ、最終的には各KPIごとに、概念(理論)と実践(具体的な打ち手)作成する事とし、3ヶ月の激闘の末、ついに虎の巻の第一弾「リテンション(定期解約抑止)」編が完成しました。


しかも社内の研修チームの協力の下、教育プラットフォームでの展開も決定。これで全国どの拠点にいても全てのスタッフが必要な時に参照出来て、研修として受講する事も出来るようになったのです。

公開直後から自部門だけでなく、他部門の方から「センター運営だけでなく、クライアント企業と話をする上で有効」「他の管理者への刺激になる」など反響があったのは感無量な出来事。
今回は通販という切り口でしたが、知識の体系化→情報共有の進め方は他部門でも活用できる手法なのだと、今回の取り組みの予期せぬ意義を噛みしめています。

知識の体系化、情報共有は悪戦苦闘の中でやっと一歩目を踏み出しました。
でも、勝負はこれからです。他のKPIの虎の巻も作る必要もあるし、その資料を浸透させる取り組みや、活用出来ているかチェックする体制も必要になります。もちろん、効果測定だって必要です。

でも、このような形で現場で体得したナレッジやノウハウを集約し、展開し続けていけば、目標に掲げてきた専門性を持ったプロフェッショナルの育成が実現できるかもしれない。少しずつですが確かな手ごたえを感じ始めています。

今回の取り組みを通じて実感したのは、
・体系化は大胆に!思い切って的を絞る。
・成功のヒントは現場に落ちている
・自分にとっての「普通」は他人にとっては「秘策」かもしれない
・情報展開の宛先は全体に(思わぬメリットがある)
という事です。皆さんも、一度頭をリセットして、日常の職場を観察し、スタッフと話をしてみてください。思いがけない成功のきっかけが見つかるかもしれません。

ナレッジマネジメントと言えば、野中先生のSECIモデルについて以前現場ドリブンでご紹介しております。ぜひこちらもご覧ください。


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