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不幸中のWi-Fi!? 緊急時でもすぐにガイダンスとIVRを変える

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宮本知宜

2022.07.06

先週末、世間はauの通信障害で大混乱でした。不便を被った方や大変な状況だった方も多くいたのではないでしょうか。「家にいて、不幸中のWi-Fi」がTwitterのトレンド入りしていました。
また、同じ通信キャリアつながりだと、ここ最近の最も大きなニュースとして「NTTグループ、原則在宅勤務」がありました。
これは、日頃社内のIT基盤の保守運用に関わる情報システム部門の方や、保守ベンダーの方々も大きく働き方を変革するきっかけとなるようなニュースだと思いました。

トラブルや何か緊急事態が発生した際に、昼夜問わず対応を迫られる情報システム部門の皆さん。まさに「不幸中のWi-Fi」でクイックに対応できる仕組み(BCP)が必要な時代ですね。

そこで今回は、Omnia LINKで実現できるIVRや音声ガイダンスの差し替えの利用シーンについてお話ししたいと思います。

歴史でみるBCP

コンタクトセンターの運営におけるBCPも90年代から時代とともに大きく変遷してきていると思います。それは、その時代の中で起こった災害や事故、さまざまな社会現象からBCPの重きを置くポイントが変遷しているのではないでしょうか。



労働集約型のモデルであるコンタクトセンターは、その場所に出勤しなくてはならない、そして多くの人が密集する空間になってしまう為、自然災害やパンデミックにとても弱い側面がありました。

今回KDDIのコールセンターにも相当な問合せ増があったと推察します。
このような自社のシステム障害等で予測される問合せ増に対して、ある程度「現在何が起きているか」「お急ぎではない方は改めておかけ直し頂く」等の案内ガイダンスを流すだけでも、コンタクトセンターの運営面としてとても助かると考えます。

2025年には太陽フレアによって、電気系統やシステム障害が発生するリスクも叫ばれており、人間にはどうしようもない自然災害による被害をどう低減するか、その選択肢を多く持つ事が必要です。

この案内ガイダンスの変更をはじめとする「お客様が電話をかけてから、オペレーターにつながるまでの流れ」をコールフローといいます。急なシステム障害や災害によって、電話応対のリソースが不十分な時、この「コールフロー」を変更し、適切な誘導を行うことが、結果として功を奏すことがあります。

コールフローについては、以下のサイトでも詳しく解説しています。
なるほど!コールセンターシステム Vol.16 コールセンター構築時に必要な「コールフロー図」、失敗しないための要点をチェック

そのコールフローの変更ツールとして、Omnia LINKのコールフロービルダー(GUIベースのコールフロー作成ツール)の機能を紹介したいと思います。

コールフローの作成変更機能

Omnia LINKのコールフロービルダーは、GUI(Graphical User Interface)に対応したコールフロー作成ツールなので、ソースコードやコマンドは不要で、誰でも手軽にコールフローを作成できます。

オペレーターの追加設定や新しい窓口の開設・設定変更なども自社で簡単に対応する事ができる為、システムの保守ベンダーに依頼していたコストと時間を大幅に削減する事ができます。


また、このGUIベースのフローはコピペできる為、別業務のあのプロンプティングに似ている、といった場合はコピペして、新しく設定する業務の仕様に微修正する事で設定時間の大幅な短縮にも寄与できます。

テキストから音声ガイダンスを作成

これまでは、音声ガイダンスの録音は静かな部屋(スタジオ)やナレーター役となるオペレーターの手配に時間を要する上に、反映させる為に情報システム部門の方が対応したり、保守ベンダーに依頼したりと、さらに数日かかってしまっていました。

そのため、緊急時や災害時でもすぐに音源の変更を行う事は難しい仕組みが多かったと思いますが、Omnia LINKではこのTTS(Text to Speech)を標準で実装しており、緊急時でも最大10分程度で対応する事ができます。

※TTS(Text to Speech)については以下の記事でもご紹介しています。
なるほど!コールセンターシステム Vol.12 録音はもう古い?「テキスト音声合成」を活用した音声ガイダンス作成の最前線
現場ドリブン『まるで人間!?音声合成技術の現在地』



設定ミスもしっかり防ぐ

GUIベースだと、コネクタの接続ミス等心配な部分もあるかもしれませんが、Omnia LINKではエディタにミスや不整合があると、設定保存する際にエラー内容が表示され、保存できないような仕様になっています。


<エディット画面の下部にエラー一覧が表示>

そして、エラーをクリックすると修正箇所をガイドしてくれます。


<エラー一覧をダブルクリックで、修正箇所を赤枠で表示>

オペレーターが出勤できない緊急時は自動化/自己解決誘導

Omnia LINKはSMS機能も基本機能として実装しています。待ち呼ガイダンスを○回流したら、SMS誘導するガイダンスを流し各種URLを送る事ができます。

<送るURLは多種多様>
  ●チャットボットが埋め込まれているサポートサイトのURLを送る
  ●ビジュアルIVRのURLを送る
  ●ユーザーサポートやFAQサイトのURLを送る
  ●顧客特定をする為に、マイページのログイン画面のURLを送る
  ●問合せフォームのURLを送る
 
以下は、とあるユーザーのSMS誘導を含めたコールフローイメージです。



このフローもGUIベースのコールフロー作成ツールにて「携帯電話のみ」SMS送信確認ガイダンスが流れるように設計されています。


<発信元端末判定種別アイコン>


このアイコンを使って、070/080/090から着信の場合のみSMS送信確認ガイダンスを流し、待ち呼の低減/自己解決を促す事で呼量が爆発した際も、ある程度の呼をエスケープさせる事が可能です。

情報システム部門も含めて、完全在宅コンタクトセンター

コロナ禍で、在宅コンタクトセンターニーズは一気に加速しました。ビーウィズも2022年1月に『Bewith Digital Work Place2.0』を発表しました。これは、採用面接・研修・勤務すべてに於いて、在宅で完結させるというニューノーマルなモデルです。

ただ、この陰に現地で作業をする「誰か」がいたり、それを出勤して支える「誰か」がいては、真の完全在宅コンタクトセンターではないのかもしれません。
 
システムを保守・運用する情報システム部門の皆さんも家から設定変更をする。地方からガイダンス変更をする。出先で緊急時に急遽ガイダンス変更が必要な場合でもWi-Fi経由でVPNを張ればすぐに設定変更ができます。まさに、不幸中のWi-Fiです。

コロナ禍が後押ししたリモートワークですが、介護や育児でなかなか出勤ができないすべての方の雇用創造をこれからも考えていきたいと思います。

ビーウィズが提供するクラウドコンタクトセンターシステム(クラウドPBX)「Omnia LINK(オムニアリンク)」は、コールセンター事業社であるビーウィズの現場ノウハウから生まれたコールセンターシステムです。

高精度な音声認識による「リアルタイムテキスト化」をはじめ、コールセンター向けの数々の先進機能を搭載しており、オペレーターとSVの業務を大幅に効率化し、コールセンターの生産性と品質の向上、在宅コールセンターの推進など様々な効果をもたらす、使いやすさにこだわったシステムです。


詳しい資料は、以下からご覧いただけます。
https://www.bewith.net/gemba-driven/download/entry-126.html


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