Omnia LINKが売れている。
お客様向けの販売実績として、1,000ライセンスに迫る勢いで前年同期比+24.4%と加速的に実績が伸びている。その要因について今回は触れたい。
社会的な背景
言うまでもなくコロナによるビジネス環境の変化への対応が必要になっている。コールセンターにおいても、コロナ対策として在宅化やサテライト化を掲げつつも、実行できている企業と進まない企業がある。
オンプレ環境においては多くの会社が在宅化を断念したり、もしくは携帯に転送することなど工夫した在宅化をしているが、通話状況の把握など運用面において課題は残置されたままとなることが多い。
また在宅環境においては使える機能が限定されるというシステムもある。何かを犠牲にして通常とは異なる環境を作るということは、迅速に暫定対応する時の機動力としては必要な動きではあるが、恒久的な対策なく繰り返される波のたびに場当たり的な対応からいかに脱却するかが問われている。
予期せぬことの流れでいうと、震災などにより企業側が持っているシステム環境云々ではなく、そもそもNTT等のキャリアが提供している環境が崩壊状態になり、電話が一切つながらないということを近年経験している。
電話を常に使えるという神話は既にくずれている。
その限りにおいて、システム環境をガチガチに冗長構成をとり、不通状態を作らないということへの意義やモチベーションが下がりつつある傾向を以前に比べると感じる。
また、その要因のひとつとして顧客対応を行うチャネルが多様化してきており、電話のみがシステム環境的に屈強でありすぎる必要はなくなってきている。コロナで電話対応がやはり必要と再認識されたことは記憶に新しいが、それでも、である。
それよりも多様化に柔軟に対応できるような方法論を探すべく、検討を重ねている企業がより熱心にお声がけいただくことが多くなってきている印象がある。
コンタクトセンターとして専門の組織をつくることもあるが、とある部門の1つの役割として電話を受けるという会社もある。前者の場合はシステム導入もプロジェクトチーム化され、IT部門も参画していることも多い。
機能面やセキュリティ面などいろいろな角度から検討が実施されるが、コロナ禍以降、後者のような専門的ではないけどでも電話を受ける環境を作りたいという相談が増えている。
確実に電話環境を作るハードルが下がっている。
技術的な背景
次に技術的な点であるが、それに先立ってPBXの歴史的なことについても触れておきたい。
PBXに限らずではあるが、2000年頃まではオンプレが主流であり、自分たちの手元環境にサーバ類も置かれていることが多くの企業でのシステム導入方法であった。
その後、技術的な進展により、制御をつかさどるメインのサーバが独立して離れた場所でも使えるようになった。
データセンターにメインのサーバを設置して、ネットワークを介してオフィスから利用することが可能になったのである。プライベートクラウドとも呼ばれた環境は、これによって生み出され多くの企業が利用する形態となった。
その後にGoogleやAWS環境を活用したクラウド型の利用方法が広まってきているのが、現在の状況である。
サーバ類が置かれる環境がクラウドかデータセンターかの違いがあるものの、ネットワークを通じて利用することや拠点にはシステム環境を極小化できることにクラウドとオンプレ(プライベートクラウド)の環境に実は違いはあまりない。
クラウドだと一方的にサービス終了するリスクがある、と黎明期は話題になったこともある。
ただもはやこれほど全世界で広まっているクラウド環境がなくなることは考えにくく、サービスを提供している側も一蓮托生ではなく、必要に応じてクラウド環境を別に変えることができるようになっている。
それほど利用しやすい状況が現在のクラウドである。チュートリアルに沿って設定を実施していくことにより、電話を受ける環境を自分たちで作ることも可能になっている。
オンプレ環境においてはシステムベンダーに設定をお任せしており、少々の設定変更でも時間とコストがかかるという声を聞くことがよくある。設定する方法やアクセス権限すらもらえてない・・と。その真逆の状況を、今は手にいれることができる。
でも、それでもクラウドには踏み切らないこともよく聞く。
しかし、セキュリティ面も自分でサーバを購入し環境をつくるより、専門の対策チームがいて専門的な方法を実行してくれて安心安全であろうし、そこに労力をかける必要もない中、踏み切らない理由も極小化していると思う。
さらに言えば、公衆電話網も実態はよくわからないながら、使える環境を提供されているクラウドの走りともいえなくもない。(言い過ぎかも)フリーダイヤルなどの設定もwebから可能であって、クラウドというのは今に始まったことではなく、古くから親しまれてきたと言ってもよい。
シリコンバレーに憧れ感があったころから、先進的なシステムなどは海外から輸入され、いち早く取り入れてさらに先に進んでいく先駆的な企業の数年後にようやく日本で導入が始まる。そんな状況は以前からあったが、今も根強くその傾向が強い面も現実的にはあると感じる。
Omnia LINKの良さ
最後にそのような背景があるうえで、Omnia LINKが評価を受けている点について触れたい。
ここはシステムとしての観点のみではなく、ビーウィズという会社の強みにも触れることになる。
ひとつには導入がしやすいこと。
電話の仕組みはオフィス用途も含めると多種多様なサービスがある。そのどれを選ぶか、それ自体が大変な作業になる。電話を受けるもしくは発信する際に必要な機能が何か、業務視点で何を検討しておく必要があるか、検討漏れがないか。この大前提ともいえるシステム導入デザインを支援することができる会社は少ない。
トライアル的に使ってみつつ、業務に合うか確認したいという声もよくいただく。その際に必要な機能が付いていない、となるとその時点で検討がとまってしまうこともある。その意味でOmnia LINKはコールセンターに必要な機能が全て含まれている。電話回線の手配など結構面倒な調達も不要で、パソコンさえあればコールセンターができる。数週間で。
コールフローなどもビーウィズならではの視点でモデルを複数用意し、比較検討しながら最適なコールフローを提供することが可能である。Omnia LINKの設定も、実はPBXのばりばりエンジニアではなく、営業出身者が設定したりしている。設定画面含めユーザビリティの高い環境が整っていることも一因といえる。
導入のしやすさは既存のオンプレ環境との共存も可能にしている。オンプレで数億かけてコールセンターシステムを導入したけど、在宅化に対応できない時などそのような要望が生じる。しかも既存環境への影響は一切なく導入できるので設定変更なども不要である。
また、必要な機能を本当に使える状態で提供している。
これは実際にコールセンターを運営している現場の方々から高い評価をもらっている点。ビーウィズも以前はオンプレ環境で世界的にもメジャーなシステムを利用していた。確かに良い機能ではあるものの必要なのだろうか、使いこなせているだろうかという議論が常々生まれてきた。
そこに打開策として出てきたのがOmnia LINKである。グローバルでもよく使われているシステムを使ってきた経験と、日々コールセンター業務を行っている経験がうまく融合してOmnia LINKはできているし、それは今もなお継続している。
全国に6,000席ほどあるビーウィズでもOmnia LINKは利用しており、外販としても現時点で1,000席ほどOmnia LINKは利用されている。その使っている現場の声を収集して開発につなげるというサイクルができている稀有なものがOmnia LINKである。
そのため音声認識の活用や付加価値として提供しているFAQレコメンド機能などが独りよがりではないものとして利用できる。
一例としてSVがオペレーターを効果的に支援するにはどうするべきなのか、そのためにwatchoverというツールがあり、その活用方法を現場の方が納得できるものとして伝えることができる。またAIを活用した業務支援が実効的に利用可能なので、応対精度や生産性の向上をより確実に生み出すことが可能になるのだ。
コスト部門としてとらえがちなコールセンターを、投資する価値や利益創出の柱とすることが可能になる。投資に対する決断を誰が行うかは企業によってそれぞれではあるが、現場の方々が良いと判断できる。
Omnia LINKの良さを考える際には、メジャーな企業が先を走ってくれたことへの影響を感じる。つまり後発者優位の構図だ。後発的にリリースされたOmnia LINKがここまで売れるようになったのは、そのようなシステムがあったがゆえである。
機能面など影響は大きい。そしてそのようなシステムを提供しているシステム会社の先人たちの苦労を目の当たりにしてきたことも大きい。
クラウドサービスがゆえに手離れよくサービスを提供するという発想は生まれるものの、一方でコールセンターの現場の方々に対しては手厚くサポートすることも時には必要である。
この業界でシステム提供してきた人たちの、例えば深夜帯でないと導入作業ができないときの対応する懐の深さは尋常じゃない。そしてビーウィズにおいてもその考えは十分すぎるほどに浸透していると感じる。
Omnia LINKは自社で開発しているけれど、ビーウィズのコールセンターを運営している現場の人々や、利用してもらっているユーザーの方々をはじめとして、皆で育てているサービスであると感じる。
いろいろな背景はあるものの、その進化が時々によって、柔軟に加速度的に継続して進んでいる。それがOmnia LINKが受け入れられて、売れている最も大きなポイントかもしれない。
ビーウィズでは、基本の通話・管理機能はもちろん、AIを利用した通話音声のリアルタイムテキスト化できる、クラウド型IP-PBXを基盤としたクラウドコールセンターシステム『Omnia LINK(オムニアリンク)』をご提供しております。
『Omnia LINK(オムニアリンク)』の詳しい資料は、以下からご覧いただけます。
https://www.bewith.net/gemba-driven/download/entry-126.html