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【実はそこじゃない】AI-OCRに任せっぱなしにならない効率化の実現
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2022.04.06

視点を変えると物事が解決する、なんて言葉は慣用句的に使われます。
実際にそのような経験が、皆さんにも大なり小なりあるのではないでしょうか。

私が最近困るな、と思ったのは最新のアプリケーションやシステムにおけるUI、フォント色の薄さです。
最近のシステム等は、白背景にグレーの文字色を使用するケースが多く長時間見ていると見え辛く感じる事が多々ありました。

アプリケーションによってはダークモードが搭載されているケースもあり、設定で変更する事も可能ですが、全てのシステムがそうではないと思います。

流行りですし、大半の方が問題なく利用されているのでしょうが、目の悪い私にとっては「前の方がいいなー」「設定で変えられるようにしてくれないと困るな―」なんて四苦八苦しながら作業をしておりました。

そんなある日、ふと眼鏡をはずして画面を見ていたら、いつもより色味が見やすい事に気が付きました。実は普段使っているブルーライトカットのレンズが見辛さの一端であったようです。

このように、「見辛さ」を解消するという観点においては、システムの設定を変えずとも、取れる手段はこのようにいくつかあります。ブルーライトカットレンズは一例ですが、モニターのコントラストを調整するなども有効でしょう。

さて、私の実体験は間の抜けた話ですが、“視点を変える解決法”はあるかもしれません。

新しく導入するアプリケーションやシステムに対して抱える“問題”は、しばしばこの体験談に共通する部分があるのではないでしょうか。

それは、アプリケーションの仕様を、問題そのものとして感じてしまうという点です。
特に、新しく使い始めるもの、仕様が変わったことを「使いにくくなる」ように感じるということです。

多くの場合はシステムやアプリケーションが新しくなったとしても、業務の内容自体が変わる事はありません。

そのため、従来の方法で作業する事を前提に新しいシステムを使おうとするために問題がシステムにあると感じてしまうのだと思います。

まさに、四角い箱に丸いものを入れようとして上手くいかない状態です。

AI-OCR利用における問題は書類自体に

やっと本題のAI-OCRに話が移ります。

AI-OCR導入を検討される企業様においても、先述のような問題を抱えるお客様は多くいらっしゃいます。
その中で今回ご紹介するのは、業務のフローをAI-OCR特性に合わせて解消する“問題”ではなく、帳票そのもののレイアウトを見直す事で大幅な効率化が見込まれるような方法です。

事例①:従来OCRによる読取が前提のレイアウト
最も多く目に触れる事象が図1のケースです。択式の記入項目においては、従来のOCRによる処理で一般的であった“枠線になぞって印を記入させるマークシートタイプ”が、OCRによる読取を行っていない場合でも帳票レイアウトを作成する上で利用されています。


図1.マークシートタイプの記入欄

勿論、このような帳票の場合でも、AI-OCRによる読取は可能です。
その場合、図2のような記入から、以下の様にデータの取得ができます。


図2.記入イメージと生成データ

例えば、マークがついている回答を「1」、ついていない場合は「0」として、
一つの設問につき3つの項目のデータを取得します。
つまり、回答パターン数と同一の読取項目設定が必要となってきます。

設問数や、回答パターン数が少数であれば、大きな問題にはならないケースもありますが、読取項目数が増えれば増えるほど、煩雑なデータが生成される=データ整理に工数がかかる、また、仮に読取結果を目視確認する場合はその数に応じて工数が肥大化してしまう要因となります。

更に、極端なケースではありますが、図3のように必ずしもマーク位置に正確なマーキングをして頂けるとは限らず、実態として一定数こういった記入物が生じる事は、実際にこういった帳票を取り扱っていらっしゃる皆様には周知の事実でしょう。


図3.記入イメージ_イレギュラーパターン

これらの事や、AI-OCR最大の強みである“手書き文字の読取”を鑑みると、図4のようなレイアウトにする事で効率的な読取を実現できます。


図4.改善レイアウト_マークシートタイプ

回答番号を記入頂く形式にする事で、記入方法の揺らぎを抑制しつつ、読取項目を1項目にする事ができるため、非常に効率的なAI-OCR活用が実現します。

このように、従来のOCR読取に倣う様式から、AI-OCRの特性を活かす新様式の捉え方が重要になってくるのです。

事例②:印字による記入誘導
続いての事例も、実は実例①と同様に、“手書き文字読取”を前提に検討するとより簡素なデータ生成が可能となるケースになります。

住所情報等を記入する項目において見られるケースですが、図5のように、「都道府県」や「市区町村」を選択式にしつつ、記入する欄を印字により物理的に分割するような帳票レイアウトです。


図5.一部印字による住所情報記入欄

このようなレイアウトにする背景としては、「都道府県」「市区町村」「町名以下」等を分割してデータ取得をしたい場合に見受けられます。

このように印字をしておくことで、そのように取得は可能になりますが、「都道府県」等の情報もデータ化しようとした場合、図5にあるような生成データになってしまいます。

事例①と同様、この場合はマークシートタイプになってしまうため、読取項目数が増加する事に加え、“煩雑なデータ生成=データ整理工数が発生”という点で非効率な運用になってしまいます。

そういった意味では、事例①における改善ポイントとの合わせ技として、図6のようなレイアウトにする事で、生成データをシンプルかつ、必要情報に限定する事が可能となります。


図6.改善レイアウト_印字情報(住所)

選択式から記述式に変更する際には、記入例等を加える事で取得したい情報に近づける工夫をこらす重要度が増していきます。

事例③:記入位置の制限
これまでにご紹介した事例は、より効率的な活用を実現する改善でした。
最後にご紹介する事例は、AI-OCRが苦手とするレイアウトの改善ケースとなります。

特に“定型帳票”読取において最も難易度が高いレイアウトは、情報を記入する位置が記入者によって変動してしまう事を許容するレイアウトです。

より正確にご説明するならば、記入欄の位置は固定されている(=“定型帳票”)だが、記入欄の中で記入する箇所が任意になってしまうケースです。


図7.記入位置が不特定な項目記入欄

図7をご覧頂くとイメージがつきやすいかと思います。この一例のように氏名記入欄において、よみがなも記入いただくタイプにおいて、「ふりがな」を記入する位置が、記入者によって「氏名」の直上にあるケースや、“ふりがな”印字の横に記入頂くケースなど千差万別になります。

AI-OCRの定型帳票読取において、読取箇所を座標で指定するタイプでは、図7の色分けのように設定するしかなく、上手くその枠に記入頂けるとは限らない、つまりAI-OCRに向いていないという事となります。

このケースでは、シンプルに図8のように記入箇所を指定するようなレイアウトにするだけで、AI-OCR読取に向いている帳票に変貌します。

この際も、取得したい情報がどのようなものかで分割する範囲を分ければ、事例①・②でご紹介したような改善が見込めます。(姓名を分割する場合は、「姓」「名」の記入欄を作成する)


図8.改善レイアウト_記入位置が不特定な項目記入欄

こういった分割を行うケースでは、全体の記入欄を大きくする事で小さくなってしまった記入欄を広げ、より書きやすく・読み取りやすくする事が更なる改善に繋がります。
ちなみに、読取位置から多少であればはみ出してしまった場合でも、AI-OCRは読取を行ってくれる機能がついています。優秀です。

さて、今回の記事では3つの事例を通じて、AI-OCR導入において問題を抱えてしまい“上手くいかなかった”際の解決策をご紹介しました。

先述の通り、今回の解決策は帳票レイアウトの変更によるもので、AI-OCRシステムの進化を待たずに行える手法です。冒頭でお話した事は、どうしても新しいシステムを使い始めた際、これまでとのギャップからシステム・アプリケーションの進化を待つ・もしくは諦めて多少非効率でも利用する、まさに改善前のレイアウトのような状態でしょう。

こういった場合に重要なのは、見るものではなく、“眼鏡”を変えるという視点での工夫、ことAI-OCR活用においては、”どんな情報を取得する必要があるのか“という点に着目した帳票レイアウト作りなのかもしれません。

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