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「Share」の中にある“分ける”と“共有”の違い
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2022.07.27

「お前の一口ちょうだいは、一口じゃないんだよ!」

高校時代、部活の帰りにコンビニに寄って買い食いなんてありふれた情景ですが、友人の食べているパンを貰って、よく突っ込まれていた思い出があります。
(というか、未だに当時の仲間たちと集まったときにそんな思い出話になり、食べ物の恨みは怖いぞ!なんて笑われますが。)

社会人になってから、今の風潮として友人同士で食事をシェアする事が流行っているとテレビ等で目に触れる事が多くなった気がします。
その時は自分も「シェアしていたなー」なんて思って見ていましたが、よくよく考えると今のシェアする文化とは違い、私たちの場合は一部を貰ったりあげたりと、分けるというのが正しい表現だったと改めて感じます。

シェアという言葉には、2つの意味があります。

1つは「分けること」 これは、分けた人の取り分が減り、分けられた人は取り分が増えるという性質のものです。よって分けることで、対象となる物質は消滅するわけです。
また、「分けること」は一過性のものになります。つまり、上記の友人からパンをシェアしてもらうという行動は、そのパンがあるときだけになるので、継続的にはなり得ません。

一方で、現代社会における「シェア」という言葉は、「共同で持つこと」という意味で使われています。具体的な例としては、「シェアリングエコノミー」の発想はまさに「共同で持つこと」を具現化しています。

この関係性は「分けること」と異なり、共同で利用しているので「共同で利用したこと」によって、対象物は消滅せず継続的である、ということが大きな特徴であろうと思います。

都内では、自転車のシェアリングエコノミーが急激に増えていますが、自転車を借りる人と自転車を貸す人(事業所になりますが)の間で、損も得もありません。多少自転車が使い込まれていくということはありますが、パンのように決定的になくなるものではないのです。

「シェア」という言葉が持つ意味合いには2つある、という話を長々と書きましたが、以下のように改めて整理します。



世の中のシェアリングエコノミー市場には5つのカテゴリがあります。
このうちの一つである、フリマアプリ等のサービスは、前述の分類によると分けるに該当します。分けることで対象物が消滅し、一過性であるからです。

一方で、シェアリングエコノミーにおける市場規模で最も高い伸長率になると予測されている「スペース」に分類されるシェアリング事業は、シェアの中でも共有にあたるものであると言えます。スペースのシェアリングをしてもスペースは消滅しませんし、継続性があるからです。

また、近年よく見かける「スキルのシェアリング」は、共有になります。スキルを誰かに提供しても、スキルは消滅せず継続性があるからです。「スキルのシェアリング」はシェアリングエコノミーでも「スペース」に続き、2番目の伸長率が予測されています。

ここまでご紹介したシェアリングエコノミー事業において、非常に高い伸長率が見込まれる上位2つのカテゴリはいずれも、共有するタイプの事業であるという点が共通点です。

つまりは、フリマアプリのような最も目に触れる「モノ」のシェア、資産の所有権を移転するような事業(=分ける)よりも、保有している資産を所有者だけで活用するのではなく、利用者が活用できる場を整える事業(=共有する)が拡大していくということが言えると考えています。

(参照 「シェアリングエコノミー関連調査 2021年度調査結果(市場規模、経済波及効果)」 株式会社情報通信総合研究所)

AIにおけるシェア=共有の形とは

共有する事で発展を目指すという点において、AIの今後の活用のされ方にも共通する事が多いと感じています。特に、弊社でもサービス化しているAI-OCRに活用される画像認識AI技術において、その傾向が非常に顕著です。

画像認識AIの利用範囲は、これまで推進されてきたデータ入力の効率化、つまり書類上に記載される手書き文字の画像を判別し、文字データ化するAI-OCRでの利用はもちろんですが、車体の損傷度合を写真等から情報を取得し判別するような利用と、広範囲化してきました。

そして今のトレンドとして、利用範囲を更に加速化させるために取り組まれているのが、非定型への対応を可能とする画像認識AIの開発です。特に、AI-OCRにおける非定型AI活用がイメージしやすいと思いますので、以降ではAI-OCRに特筆してご紹介します。

AI-OCRの非定型対応というと、皆さんどのような印象を持たれるでしょうか。

「どんな書類でも文字を読み取る事が出来る(データ化できる)」と、イメージを持たれる方が多いのではないでしょうか。

ただ、ここで触れる非定型とは、正確に言えば「特定の書類の種類に対して、どのようなレイアウト(見た目)であっても文字を読み取る事が出来る」となります。ここでいう書類の種類とは、請求書・領収書・発注書といった書類の分類になります。

大きく違いがないと見えるこの2つにおいて、何を理解しなければならないかというと、書類から何の情報を取得すればいいか、この取得情報の種類が書類の種類によって大きく変化する事、そしてAIにも書類の種類ごとに取得情報の種類を学習させなければならないという事です。

AI-OCRの導入をする場合、間違いなく、書類をテキストデータ化した後の処理が生じるはずですが、その後続処理において何の情報を利用するのか、これが書類の種類によって変わるという事です。

そして現状、AI-OCRの非定型対応において、世の中にある全ての帳票種類に対応が出来ているものはないというのが実態となります。

将来的なAIの成長という観点で、世の中の全帳票種類を一つ一つ対応するために非定型AIを開発しなければならないという事はないでしょう。各種類の類似性や傾向から自己学習により対応が可能になる事もあるかもしれませんが、一足飛びの実現は難しいでしょう。

その実現のためにも、まずはメジャーな帳票種類に対した非定型AIを開発し、そのAIの種類を増やしていく事が出発点となります。

ここまで非定型AIの開発がトレンドであるとお伝えしていますが、具体的にこの非定型AIの開発はどのように行っていくのかをご紹介します。

非定型AIの開発 ビーウィズのアプローチ

弊社でのAI開発に対するアプローチでは、いわゆるノーコードAI開発を実現する仕組みを活用した取り組みを行っています。

弊社が活用しているAI-OCRの提供元であるAI inside社が提供する「Learning Center」は、AI-OCRに搭載されたAI、つまりこれまで学習してきた基盤を活用し、開発と呼ばれるAIパラメーターのインテグレーション等を不要とするAIの生成を実現するものです。

Learning Centerでの開発の肝となるのは、以下の2点のポイントがあげられます。

A:学習データの生成
✓アノテーションと呼ばれる処理を施し、画像データを学習用の教師データにする作業
B:学習データの収集
✓そもそも、AIに学習させるための元となる画像データの収集

Learning CenterでのAI生成においては、学習させるための画像データに対して、アノテーションという工程を踏んで、学習データ化を行うところから始まります。

アノテーションとは、先ほども触れたような、その書類の中で何の情報を取得するのかをAIに判断させるために、画像データ上で目印をつけていく作業です。
この目印を付ける作業は、単純な処理作業となり、AI生成において工数が生じるネックともなり得ます。

弊社では、新規AI導入を検討されるお客様に対して、このアノテーション作業をアウトソーシングとして集約頂くサービスを、AI inside社とも連携しつつ行っております。

さて、AI生成においてこのアノテーション作業を経た後の工程は、Learning Centerが自動で学習をしてくれます。学習を経た後、出来上がったAIのプロトタイプに対して、その効果を評価し、どれ程の精度が出るのかを確認していきます。精度が上がらない場合は、アノテーションのパターンを変え、更に学習させる。この工程を繰り返す事でAIが出来上がるのです。



つまり、AI開発におけるポイントAであげたアノテーション作業のノウハウが、AI生成において大きな要素を占める事になります。そして、ポイントBとしてあげた学習データの収集、これはAI開発の前提となる要素です。

非定型AIの重要性をご説明した中で触れた通り、非定型AIはそもそも、多くの帳票種類に対応するための取り組みです。また、様々な企業がもっている帳票は、その企業によってレイアウトのパターンも千差万別です。

多くの企業が非定型AIの効果を最大限にしていく、つまり非定型AIの一般化には、それらのパターンをAIに学習させる事が重要となります。

弊社では、多くのお客様に対して業務の効率化を実現するため、AI-OCR導入を前提とした事務処理業務のアウトソーシングサービスをご提案しています。

そして、現在は非定型AIの開発を含めたAI-OCR導入をご提供し、様々な帳票の種類、レイアウトをAI学習に活用させて頂くHubの機能となる事を目指しています。

ご説明してきたトレンドの初期段階である現在において、この非定型AI開発にご協力頂く事で、そのお客様の業務要件に沿った、つまり取得情報の仕様等を鑑みた非定型AIのご提供も可能となっている状況です。

まさに、クライアント企業様、AI提供元企業、弊社の3社間で「データ」・「AI」・「スキル」を共有し合い、効率化を図る取り組みが進んでいると言えます。

そして、この取り組みは3社間に留まらず、より多くのクライアント企業様に参画頂く事で、共有のネットワークを広げる、まさにシェアリングの恩恵を受けて頂けるものとなります。

NFTやトークン技術の普及に伴い、情報資産の在り方が更に変容しようとしているこの先、ある意味シェアリングの障壁は高まる可能性もあるのかもしれません。

そういった意味でも、先行者利益を逃すだけでなく、先行しなかったが故にAIの恩恵を受けられないという最悪の展開を避ける為にも、AIを共有していく流れに乗るのも一つなのだと思います。

ビーウィズでは、手書き帳票を簡単にデジタル化する『ANNIM(アニム)』をご提供しています。

突発的な業務量の増加(データエントリ)を社外に委託する新しいタイプのBPOで、手入力の手間とコストを削減することができます。
少額サブスクリプションモデルのため、帳票量が少ない企業様でも、手軽にご利用いただけます。


詳しい資料は、以下からご覧いただけます。
https://www.bewith.net/gemba-driven/download/entry-127.html


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