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『知識の違いが、コミュニケーションの決定的差でないということを教えてやる』を考える

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RobotA

2023.08.09

久しぶりの実家での出来事

先日、機会があり実家に帰省しました。元々頻繁に帰省するタイプではありませんでしたが、ここ数年は不要不急の外出自粛等もあり、かなり久しぶりに実家に足を運ぶことになりました。そのためか駅前の景色の変化や良く通っていた店舗の閉店など、街の雰囲気にそれなりの時間経過を感じましたが、それ以上に驚いたのは実家の状態でした。

まずトイレの電球が切れたままで、夜間は真っ暗な状態でした。あまり想像できないと思いますが、暗闇のなかでトイレに入るのはとても不安なものです。また既に利用していない有料サービスの継続可否手続を案内する書類が大切に保管されていましたが、その手続きの煩雑さから不要な料金を支払い続け、無駄な出費も相当額になっていることに気付きました。さらにはケーブルテレビの電波が途切れ途切れで、多くの時間帯でテレビが見られない状態でした。この影響はケーブル回線に依存した固定電話も利用できない状態でした。連絡手段はスマートフォンで代替可能ですが、高齢者にとって限られた娯楽や情報からも断絶されていることもあり、大変危険を感じました。

これらは一例であり実家での不便や危険な状態はさまざまでした。久しぶりの実家でゆっくり過ごそうと思っていたものの、帰省中の多くの時間をこれらの解消に費やすことになりました。

コミュニケーションロスにより静かに離脱する

なぜこのような状況が放置されていたのか事情を聞いてみると、高い場所や重いものの移動など危険だからという理由もありますが、なかには何度か企業に問い合わせをしても、事情を理解してもらえないためにサービスの利用を断念して放置されているものもありました。実際はWEB上での簡単な手続や故障した機器の交換程度で解決するような内容でしたので、問い合わせの際に企業担当者に伝われば、満足してサービスを利用していたと考えられます。ただ残念なことに、これまでの不満の蓄積によりほとんどのサービスを静かに解約することになってしまいました。

この時、ふとチームビルディングやマネジメントの文脈で扱われる「マズローの欲求5段階説」を思い出しました。これは、心理学者・Abraham Maslowによって提唱されたもので、人間の欲求を「生理的欲求」「安全欲求」「所属と愛の欲求」「承認欲求」「自己実現欲求」という5つの階層に分類する理論です。これらは階層的なピラミッド構造であり、下位の階層の欲求が満たされることで、より上位の階層の欲求が現れるとされています。

国内市場における競争激化やサブスクリプション型サービスの流行などの背景もあり、企業と消費者の長期的な関係の評価指標としてLTV(Life Time Value)が注目されています。「マズローの欲求5段階説」に当てはめて考えてみると、企業は消費者に対して、「生理的欲求」や「安全欲求」は当然のことですが、より上位の欲求を満たすことで高い付加価値を提供することが求められています。

ただし上位欲求である「所属や愛の欲求」や「承認欲求」や「自己実現欲求」を満たすには商品やサービスの良し悪しだけではなく、ブランドイメージや顧客とのコミュニケーション、顧客体験の向上などが必要と言われています。まさにわたしの実家で起こっていたことは、新たなサービスにより快適な生活を期待していたものの、企業とのコミュニケーションの不満が蓄積された結果、企業・サービスとの関係を静かに終了させている例だといえます。

知識の違いはコミュニケーションの難易度を高める

企業と消費者との間のコミュニケーションという点で考えてみると、企業は新たな製品やサービスに関する専門的な知識を持っていますが、消費者はそうではありません。デジタルデバイドが顕在化しているように、新たな技術や商品、サービスの登場で私たちの生活はより便利になりましたが、企業と消費者の知識の差は拡大する傾向にあります。これが企業と消費者の意思疎通を難しくしているといえます。

特に実家のような地方では人口減少や過疎化などもありインフラの維持が難しくなりつつあり、ビジネス面でも実店舗を統廃合するような例も増えています。これまで安心して相談できた場所や機会が失われつつあることも事態を深刻なものとしています。

では、コミュニケーションの問題により静かに離脱してしまう消費者を減らすための検討方向性を考えてみます。

1.    企業と消費者の知識の違いがあることを前提としたアプローチ
企業担当者が商品・サービスのみならず顧客対応の専門知識を持つことにより、消費者の不安感を解消させるようカスタマーサポートの拡充を図る。

2.    企業と消費者の知識の違いを問題としないアプローチ
従来のコミュニケーション手段に対して、写真など画像データのやりとりをすることで、消費者の状況を迅速に把握し、コミュニケーションストレスを軽減させるよう画像などの視覚情報を活用する。

3.    企業と消費者の知識の違いを解消させるアプローチ
商品やサービスの利用方法やトラブルシューティングなどオンラインコンテンツやイベント、ワークショップなどを通した積極的な情報提供、オンラインコミュニティーを活用した情報交換の場の提供など教育コンテンツの拡充を図る。
また使いやすく理解しやすいサービス設計とするためにUI(ユーザインターフェース)やUX(ユーザエクスペリエンス)の注目が高まっているのも知識の差を埋めるための異なるアプローチとも言えそうです。

わたしの実家の例は特殊でかつ複雑な事態だったわけではなく、前述の通りWEB上での簡単な手続や故障した機器の交換程度で解消できるものでした。ただし企業と消費者の知識の違いから生じるコミュニケーションロスが如実に出た事例といえます。テレビが見られなくなった事例では、「午前中や特定の曜日はダメなことが多い」など長時間かけて困っている状況を説明するのですが(わたしに対して説明したように企業担当者へ説明しただろうと想像)、企業担当者には解決ができませんでした。

しかしわたしは短い帰省の期間で解決できました。それはわたしに上手に聞き取れる専門的な技術があったからではなく、目の前で発生している事態を確認できたためです。前段のアプローチで言えばわたしには視覚情報が与えられており、知識の違いが問題にならなかったためです。

企業における消費者との重要な接点であるコンタクトセンターでは、効率性や利便性の追求を目的に顧客サポートチャネルを拡充しつつありますが、リアルタイム応対という点では従来通り音声コミュニケーションが中心です。しかしこのような課題に対してこそデジタル技術を活用すべきです。技術が進歩し、高速インターネット通信が当たり前という環境変化もそれを容易にしています。従来の複雑なコミュニケーションによるストレスを軽減し、実際目にすることで円滑なコミュニケーションを目指すべきでしょう。

知識の違いが、コミュニケーションの決定的差でないということを教えてやる

専門的な技術(や知識)を保有しなくとも決定的差をうまないということを証明するための手段を持つことができます。

『オンラインでも対面同等の安心感を醸成し、誰一人取り残さない』をコンセプトとしたクラウド型非対面サービス支援システム『UnisonConnect』は、視覚情報を活用したさまざまなコミュニケーション機能により、企業と消費者に生じる知識の違いを埋め、コミュニケーションを円滑化することにより、消費者の安心感を醸成し、企業やサービスから静かに離脱する消費者を減らすことができます。

今回の短い帰省は、「知識の違いが、コミュニケーションの決定的差」とならない手段の重要性を再確認する機会となりました。改めて「誰一人取り残さない社会の実現」に向けて一層の努力をしていきたいと思います。

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