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今日も当然に動くFAQ自動表示は小さな努力の積み重ねだった。

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2021.10.27

今回初めて記事を書かせていただきます。

この春、新入社員としてビーウィズに入社して、Omnia LINK(オムニアリンク)事業部に配属になり、なんだかんだ半年になる私がこの場をお借りしてお話したいのは、seekassist(シークアシスト)です。その中でも今日は、seekassist のウラ側についてお話したいと思います。

と、言ってもウラとかオモテとか言う前にそもそもseekassist とは何ぞや?という方もいらっしゃると思うので簡単に説明させていただきます。seekassist は会話を聞き取ってFAQを自動表示してくれる便利なツールです。生産性の向上や教育期間の短縮、採用基準の見直しなどの導入効果があったりする優れものだったりします。

↓seekassist の動きがわかる動画はこちら。


コールセンターでの現場研修を受け大変さを肌で感じ始めていた私は「自動表示?!毎回FAQを探さなくていいんだ…文明開化の音がする…」と脳直で感動したのは最近の話。

現場で何気なく使っているな~という方や、社内やお客様に導入提案しているけど詳しく突っ込まれるとドキドキするな…という方は私と一緒に勉強する心持ちで、改めてここで説明されなくても分かるという方はつたい歩みをはじめた赤ちゃんを見守るような気持ちでこの記事を読んでくださると嬉しいです。

もちろん「FAQの自動表示、気になっていたんだよね」という方は、このまま読み進めていただいて「seekassist、良いじゃん!」とビーウィズに一報入れて下さったらライター冥利に尽きます。

seekassist のカッコイイポイント

まずseekassistの特徴ですが、AI自然言語処理という点にあります。自然言語処理についての詳しいお話は自然言語処理(NLP)分野の動向と活用にあるので、そちらを読んでいただきたいのですが、私なりに反芻を繰り返しまくった自然言語処理の解説をさせていただくと、「AIが文脈を理解して音を文字へと変換していくこと」です。

私が実際にseekassist をみて自然言語処理ってやつだー!と感動した例を挙げると、「会員番号がききっちにーいちにーさんす」という風に一度は変換したものに対して、文脈を読み取り「会員番号が12123451」と変換しなおした例があります。賢い!更に、聞き取れなかった部分もこの音声認識が聞き取って理解してくれていることがあります、私よりも耳の精度がいい…。


AI自然言語処理を有したseekassist。私は一人で何かやるのにかなり緊張するのですが、同時に、人につきっきりで面倒見てもらうのも更にプレッシャーに感じて空回るタイプなので、seekassistという機械にマンツーマンで面倒を見てもらえる適度な距離感がいいな~と思います。営業の電話でも導入してほしいですね…。

seekassist のウラ側

さて、今「営業の電話でもほしいな~」なんて気軽に言ってしまった私ですが、先日seekassistを導入するための打ち込み作業のお手伝いに行きまして、結構途方もない作業が裏に隠されていることを知ってしまったので前言撤回しようかと思ったりしています。

というのも、このseekassist、先ほど説明した通り現場でオペレーターさんやSVさんのお役に立つことは間違いなしだと思うのですが、『自然言語処理』『FAQ自動表示』といったカッコイイ字面の裏には意外と泥臭い作業が待ち構えているのです。

具体的にどういったところが泥臭いの?と思われる方もいらっしゃると思うので説明させていただきたいと思います。

seekassist の完成までの作業としては以下の手順を踏むことになります。

①FAQ準備
②FAQ整理
③FAQ登録
④チューニング


順を追って具体的に何をやってるのか、といったところを説明させていただきます。

①FAQ準備
まずはFAQの準備です。準備といって何をするのかといいますと、お客様から応対の中で培ってきたデータをいただくことにあります。そのためFAQの準備は、まずお客様の方に協力してもらい、データをご用意いただく必要があります。
「私のセンターにはFAQがない」という場合は、当社のFAQコンサルタントが御社のFAQ作成のお手伝いをさせていただくことも可能です。

②FAQ整理
FAQの整理では、内容が重複しているFAQの削除や、カテゴリー分け、電話の応対に本当に必要なFAQかどうかの精査、FAQを一問一答式に再編集することなどがあります。こちらもお客様が主導となって整理をしていただき、我々が作業のお手伝いをさせていただく形となります。

内容が重複しているFAQの削除というのは、例えば
「パスポートの受付時間」という項目と「パスポート受領窓口の対応時間」という項目が仮にあった場合、内容が同じことが予想されますよね。そういったFAQを見つけた場合、内容を確認しながら一つのFAQに統合していくことが必要となります。

カテゴリー分けというのは、seekassist が5つのカテゴリーに分けられることに関係します。


このカテゴリー分けをしていくためにはお客様の業務内容に合わせてどういった項目をカテゴリーにするのか、といったところから考える必要があります。そしてそれを踏まえて膨大なFAQを1つずつ内容の確認しながらカテゴライズしなければなりません。

電話応対に必要なFAQかどうかの精査、というのは言葉通りですが、つまり電話応対にあたって必要な情報となってくるのかという取捨選択です。お客様の会社として必要な情報でも電話応対の中で必要のない情報であればFAQに組み込む必要はないので分別をしていくことが必要です。

例えば、通販の応対窓口があったとします。その通販をしている会社の「自社の従業員数は何人であるか。」という情報は会社として必要なので、HPなどには記載があると思います。ただし通販窓口に電話をかけて「従業員、何人いるの?」と聞いてくるお客様は多くはないことが想定されます。そういった場合は会社情報として必要であっても、電話応対には必要のないFAQになるので、お客様と協議の上、削除したりします。

そしてFAQを一問一答式に再編集する作業もあります。お客様から頂いたデータがすでに一問一答式となっている場合はseekassist に組み込むだけとなるので比較的簡単な作業なのですが、お客様のFAQ中にはQがあってすぐにAという表記ではない場合もあります。seekassist のFAQは一問一答式の為、頂いたナレッジを読み解いて組み直す必要があります。

この作業が意外と大変です。表示されたFAQをオペレーターさんが応対をしながら理解できるものにしなければいけないからです。どこまでが必要なデータなのか、といったことを考え取捨選択をしていく必要があります。

このようなFAQの整理はお客様のお手伝いをさせていただく、という形で行うのですが、これが一つや二つではなく、400、500件とFAQの精度を上げようと思えば思うほど、データも増えていくわけですから、かなり時間を要する作業となります。

③FAQ登録
FAQの整理が終わると、ひたすら入力作業です。FAQに組み込みたいデータを開いて、seekassist のデータを入力する画面を開いて、ひたすらドラッグ&ドロップで入力をしていきます。FAQの整理と比べるとめちゃくちゃ単純作業で、簡単そう!と思われるかもしれません。

おっしゃる通り、作業自体は簡単です。新卒一年目のペーペーの私でもやれる作業です。ただ、seekassistの精度を上げるためにはそれなりのデータ量が必要になることは先にお話ししました。単純作業といえど、一つのデータを入力するのに、平均5分程度かかります。

私がこの間お手伝いしたデータは400件くらいでした。これがだんだんと苦しい作業になるのです。いや、ドライアイの人はさておき、苦しくはないのですがだんだん緊張感が薄れてしまうこの作業、いかに集中力を保てるか、といった戦いになります。

私は入社してから一番の集中力を発揮した気がします。目標のデータ分の入力を終えたときは軽く立ち眩みがしました。

簡単なこの作業、最後には承認をしないとseekassist に反映されないようになっており、抜け漏れへの対策もしっかりとしています。二重の承認で、現場の皆さんには安心して利用してもらえるようになっています。その分山のような作業に追われるわけですが、安心と信頼の為には致し方のないこと…。(承認作業は上長がやっていたので私は実際にはその苦労は被っておりません。)

④チューニング
ここまで終わったらチューニング作業です。こちらに関してはVOC分析は、名著を読み解くが如くの中で詳しい話が載っているのでそちらを参照していただきたいのですが、簡単に言うと、専門用語など固有の表現の登録、類義語や同義語の抽出と登録、ストップワード辞書登録が必要となります。これらを通してチューニングがなされ、seekassist は完成となります。

いかがでしょうか。このように小さな努力の積み重ねでseekassist は動いているということが、ご理解いただけたでしょうか。seekassist が現場にある皆さんは、ゴリゴリに使っていただいて、少しでも快適なオペレーションライフ(?)を送っていただけたら、と思います。

まだ現場に導入していないけど気になってきたぞ、という方は是非お気軽に下記のリンクからお問い合わせください。皆様のお力になれるよう、私も誠心誠意、データを打ち込ませていただきます。

当社がご提供するクラウド型IP-PBXを基盤としたクラウドコールセンターシステム Omnia LINK(オムニアリンク)は、AI自然言語処理を駆使し、リアルタイムに対話内容を分析し必要なFAQの候補を予測し画面に表示させる、オペレーションナビゲート機能「seekassist(シークアシスト)」を搭載しております。FAQを含めた様々な情報を自動表示し検索時間短縮、劇的な応対時間短縮が可能になります。

詳しい資料は、以下からご覧いただけます。
https://www.bewith.net/gemba-driven/download/entry-126.html


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