私は子供の頃、パクチーが得意ではありませんでした。
よく聞く話だとは思いますが、恐らく最初に口にしたのは生春巻きかなにかだと思います。
普段食べ慣れないということもあってか、その香りや味に強い拒否反応を起こしたことを覚えています。
そんな出会いをしたパクチーですが、気が付けば大学生の頃から普通に食べられるようになっていました。
ところで、私の実家は農作も行なっているような家でしたので、子供の頃の好き嫌いは許されない教育を受けていました。そんな中だからこそ、当時「本当に食べられない!」と思った記憶が強く残っています。
(それでも無理やり、口にねじ込まれたから記憶にあるのかもしれません・・・)
そんな思いをするようなパクチーが、なぜいつの間にか食べられるようになったのか、改めて思い返すと色々な要素があったのではないかと感じます。
子供の頃の好き嫌いの多さは、幼少期において人間の味覚はより鋭敏なものであるという要因が一般的です。
もちろん、これも大きな要因にあたると思いますが、ほかにも要因があります。
その一つは、環境や経験によるものという考え方です。
子供の好きな食べ物といえば、やっぱりカレーやハンバーグがあげられます。このメニューが必ずしも“味覚の鋭敏さ”でランクインするわけではないでしょう。
やっぱり、子供はカレーやハンバーグが好きだからと、食卓に並ぶ機会が多いことから好きな食べ物になるのではないかと思います。
(ちなみに、昔の子供の好きな食べ物2位はオムライスでしたが、今はお寿司だそうです。)
鹿児島県内の保育園で調理師を務めている親族から聞いた話ですが、給食でカレーやハンバーグを出すよりも煮物を出した時の子供たちの喜び方が凄いらしいです。
お子さんにハンバーグの方がおいしくない?と聞いたことがあるらしいですが、煮物の方がよく家で食べるから好き、と言っていたそうです。
話は戻りますが、私にとってのパクチーも結局食べ慣れないもので強く印象的だったが故に苦手意識をもったのではないかと思います。東京に出てこの15年ほどでみれば、私が子供の頃と比べてパクチーを含む料理を提供する本格的なお店も増えていますし、スーパーにいっても本場生春巻きを目にすることも多くなったと思います。
そうして、知らず知らずにパクチーに触れる機会が増え、なんの問題もなく食べられるようになったのではないかと思います。
子供の好き嫌いのために、工夫して調理し食べさせてきたことで苦手なものが食べられるようになった、という世の中のお母さんの努力も往々にしてあると思います。必ず子供自身が努力して食べられるようになる、というだけではないでしょう。
つまりは、環境が作る、という側面を切り離せないということです。
少し飛躍しますが、テクノロジーの活用も同様なのではないかと思います。
最新の機器や技術の使い手が、その技術に合わせて勉強し、活用できるように努力を続けるだけが、成功への道ではないと考えています。特に、その技術が社会的に広く活用されるには、使い手が自ら技術に適合していくだけではなく、技術側が使い手によって一般化することが不可欠なのではないでしょうか。
AI inside社が目指す、社会におけるAIの在り方
前回の記事でもご紹介したAIテクノロジーを提供するAI inside社も、AIの社会的浸透において、「AIを導入する使い手が意識的に適応しなければならない」といったスタンスだけでは、浸透における障壁になるとしています。
AI-OCRは「本当に使えるの?」から「どう活用するか!」の時代に変化した。 | DIGITAL | オペレーションを進化させる現場のWebマガジン 現場ドリブン
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AI-OCRと出会って、4年が過ぎようとしています。特に当初、AI-OCRをご紹介した際の反応は、「昔、OCRの導入を検討したけど、うちの帳票では読み取ってくれなかったんだよね」という、AI-OCR...
AIーOCRのリーディングカンパニーとして、64%の市場シェア・導入実績を有するからこそ、AI inside社が掲げるミッションを達成するために、ビジネスシーンのAI導入におけるこのスタンスを緩和させることを命題としています。
AI inside社が掲げるミッションとは、『世界中の人・物にAIを届け、豊かな未来社会に貢献する』。
そしてこれを実現させるため、つまりビジネスシーンにおけるスタンスの緩和のためのテーマが『AI inside X』です。
“X”とは様々な環境を指します。
つまり、AI導入に向けて、AI inside社は“様々な環境に溶け込むAI”を実装し、特別な意識をせずともAIの恩恵を享受できるサービスを目指しています。
そんなAIが隅々まで溶け込んだ社会を実現させるために、AI inside社が新たに提供を開始した新サービスがノーコードで高精度なAIモデル開発ができる『Learning Center』です。
今後のAIの在り方 ユーザーに合わせたAIをいかに作り上げるか
『Learning Center』は、“誰でも安く、早く、高品質なAIを作って、使える”をコンセプトに、ユーザー自身が自分たちに最適なAIを生成することができるノーコードサービスです。
ユーザーは、生成したいAIにおけるデータを用意し、『Learning Center』上で学習データの作成・学習・評価を簡単な入力とクリックで進めていくことができます。
この『Learning Center』は画像認識を活用しており、生成できるAIの幅が広がりました。AI-OCRリーディングカンパニーであるAI inside社ですが、OCR=文字認識のAIに限定していません。
導入事例として、ごみ処理場における危険物検知AIが挙げられています。ごみ処理場において電池やガスボンベなどをAIの画像認識によって危険物として検知している事例です。AIが危険物を検知したのち、それらを分別する効率化を図ることができるそうです。
このように、自分たちが必要なAIを自ら生成し、業務フローにAIを組み込み活用することで、業務効率を向上させることが可能になります。
更に、AI inside社は今後の展望として、「誰でも簡単にAIを生成する」だけではなく、ユーザーが生成したAIモデルを販売・購入が可能なマーケットプレイスの構築を目指しています。
マーケットプレイスにより、より簡易にAI導入を検討する方法が増え、よりAIの利用が一般化することに期待しています。
さて、ここまでAI inside社の新サービスをご紹介するとともに、今後のAI普及に対する期待を述べてきましたが、当社もこの新サービスに対してユーザー企業として、当該サービス利用企業様へのご支援をAI inside社と協業の上、取り組んでいきます。
具体的には、自社でAIを生成する際に必要となる「学習データの用意」について、生成するAIに必要なラベル付けのような作業、“アノテーション作業”が必要になります。
この“アノテーション作業”に対して、当社の実績を活かしながらAI inside社と共同提案を行うようなご支援サービスを用意していきます。
“アノテーション作業”は、AI生成の前段階として非常にアナログな処理作業を要する工程でもあります。この工程をアウトソースサービスとしてご提供することが可能です。
また、今後はこの“アノテーション作業”に限定せず、様々なシーンで企業様におけるAI導入に対するご支援を拡充していきたいと考えています。
これは、誰しもがプロフェッショナルな知識や経験をもたずとも、AIを活用できる社会の実現に向け、AI inside社と連携を取りながら、我々がもつノウハウや実績をサービス化することで、近づけることができるのではないかと考えています。
我々も今後のAI社会の発展に期待をするとともに、お客様とともに歩んでいきたいと思います。
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