RPA開発現場では「じゃない感」から逃げられない

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良い選択はしたいが、選択疲れしたくない

「どの洋服を着て出かけようか」
「傘をもって出かけるべきか」
「どこで食べよう、何を食べよう」
「間に合うには、何線に乗るべきだろうか」
「これにしようかな、こっちの方がお得かな」

ヒトは1日に9,000回(35,000回とも)の選択をしているそうです。

その一つ一つと真剣に向き合うことを考えると、疲れてしまいますね。
なので「歓送迎会用コースメニュー」「コーディネートまるごとファッションレンタル」「レディース雑貨福袋」などの悪くない選択をしたいが、選択疲れはしたくないにこたえるサービスはあるのでしょう。

日常生活では大きな買い物や人生を左右するような選択を除き、ヒトはできるだけ真剣に選択することを避け、選択疲れしない工夫をしているのではないでしょうか。

日常は「じゃない感」で溢れているが、ビジネスシーンでは極力避けたいもの

話は変わりますが、我が家のリビングには「ぬいぐるみ専用席」があります。
決して無類のぬいぐるみ好きというわけではありません。

「専用席」誕生の経緯は、

  1. 1.
    新しいテレビとテレビボードの購入を検討
  2. 2.
    テレビは充分な機能、テレビボードは無垢材に一目ぼれして選択
    (良い選択ができたという「満足感」)
  3. 3.
    実際に設置したところ、中途半端なスペースに気付く
    (選択の失敗からくる「じゃない感」)
  4. 4.
    スペースにイスを設置、何か寂しいためぬいぐるみを座らせ専用席の誕生
    (「じゃない感」に蓋を)

選択を失敗した結果の「じゃない感」に蓋をし「ぬいぐるみ専用席」です。

このような大きな買い物などの機会でその存在に気付かされますが、「傘を持ってくれば」「思っていたより味が薄い」程度の小さなものを含め、私たちの日常生活は「じゃない感」で溢れているのはないでしょうか。

ただそうはいかないのがビジネスシーンです。
多くのビジネスパーソンが常に最適な選択を追求するために情報を整理し、その分析に多くの労力をかけ「じゃない感」を極力回避しています。

しかし私が担当するRPA開発現場では「じゃない感」を回避することができません。

RPA開発現場では「じゃない感」を回避できない理由

その理由の前にRPAについて簡単に説明するとRobotic Process Automationの略で、ホワイトカラーの業務プロセスを自動化する技術です。

AI技術とならんで労働力人口の減少、働き方改革などの企業課題に対する打ち手として、既に「導入済」「導入検討中」の国内企業は2/3※1を超えており、その割合は日々増加しているといわれています。

またロボットがヒトに代わってパソコン操作をおこなうため莫大な費用を要する既存ITシステムの改修を必要としないという特徴により急激に普及しています。
(このような特徴から仮想知的労働者(Digital Labor)とも呼ばれています。)

まさにこのRPAの特徴が「じゃない感」を回避できない理由となります。

一般的にITシステムの導入には、期間や費用などの制約で断念する機能やその時点では把握できなかった機能の漏れが起こります。

結果としてITシステムとビジネスルールとの間で「じゃない感」が生じますが、そのままでは事業が成立しないため「ヒトの業務」で補います。

言い換えると、ヒトは「じゃない感」を解消するために業務をおこないますが、ロボットはヒトの代わりを担うため、RPA開発現場における要件定義の段階で「じゃない感」を正しく把握することが不可欠となります。

RPA開発現場での「じゃない感」解消のポイント

私たちが日々の業務のなかで注意しているポイントを担当者とのやりとり(イメージ)を交えてご紹介します。

ポイント① ハッキリさせるアプローチ

担当者であれば担当業務の手順を再現できる場合がほとんどです。またマニュアルや手順書がしっかりと用意されている場合もあります。
しかし良し悪しはあるもののヒトは曖昧な基準のまま業務を進めることができます(進めてしまっている場合があります)。

ポイント② スッキリさせるアプローチ

ビジネスの源泉となっているような場合を除き、ある条件において個別的におこなっている処理にも要注意です。ロボットは手順の意味を理解する必要ありません。ただし本当は「じゃない感」ですらない処理はこれを契機になくすことを考えます。

RPA開発には高度なプログラミング知識が不要な開発環境が整備されていることから、多くの方がその開発に関わっていると思います。ただし「じゃない感」の上手な解消には業務改革とプログラミング知見の双方が必要となります。

いまだに「ぬいぐるみ専用席」を見るたびに、あの時の中途半端なスペースが頭をよぎります。

私たちは全国の「じゃない感」を単に蓋をするだけでない解消に取り組んでいます。

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