PROJECT 02

ビーウィズが掲げる「ミライ転換力」
コールセンター新時代に
応対品質で挑む

BPO・コールセンターのアウトソーシングサービスを主業とするビーウィズは、転換期にある業界の中で「ミライ転換力」という独自の応対メソッドを掲げ数多くのプロジェクトを成功に導いてきた。
その中で、新たに始動したのが、福岡に拠点を置く化粧品や健康食品などの通信販売を行う大手企業のプロジェクト。多くの課題を抱えながらのゼロスタート、さらにクライアントからは1カ月に満たないタイミングで、コールセンター拡張の要望を受けることになったメンバーは…。

  • 羽生智
    生活サービス本部
    九州事業部
    部長

  • 西本舞
    生活サービス本部
    九州事業部
    九州第2ユニット

  • 末信麻衣子
    生活サービス本部
    九州事業部
    九州第2ユニット

異例!プロジェクト開始直後に業務拡大

日本全国をまたにかけ、ビーウィズが展開しているコールセンターにまつわるプロジェクトの総数は数百。ユニットマネージャーの羽生智は、福岡、長崎、横浜のコールセンターで、その中の20程度のプロジェクトを担当している。「クライアントと一緒にゼロからスタートし、プロジェクトを育てていく面白さが、コールセンターの運営にはある」という羽生だが、今回のプロジェクトは勝手が違った。

「今回のクライアントは、化粧品や健康食品などを通信販売している企業で、プロジェクト自体も特に変わったものではありません。しかし、福岡にあるクライアントのコールセンターでスタートさせた業務が1カ月もたたないうちに拡大されることになり、横浜にある当社のコールセンターを稼働させることになったのは、非常にレアなケースです。提案段階から携わった案件ということもあり、当初は運営のイメージもできていたのですが、蓋を開けてみると、想定していた以上の慌ただしさが、そこにはありました」。

新プロジェクトがスタートしたばかりの福岡は、円滑な業務を行うためのノウハウが確立しているとは言い難い状況で、数十名のオペレーターは、業務習熟に取り組んでいる最中だった。そんな中、コールセンターの拡大が決まったことで、福岡にはさらに数十名、新拠点となった横浜ではその2倍以上のオペレーターが増員され、それぞれの拠点で火急に研修を行う必要に迫られた。

「福岡の顧客応対のレベルを上げつつ横浜にノウハウを展開し、両者の応対に差が生じないようしなければならないので現場は大変でした」。福岡と横浜のコールセンターで、運営や管理、オペレーターの教育・育成などを受け持つスーパーバイザー(管理者)の任に就く、西本舞と末信麻衣子は、口をそろえて当時を振り返る。

通常、新しいプロジェクトを始めるにあたっては、まずスーパーバイザーが、クライアントの商品や顧客の特性、通信販売の注文処理システムなどについての知識や情報を学ぶことになる。今回も、西本・末信たちはクライアントから100時間を超える研修を受けた。スーパーバイザーは、その中から業務に絶対に必要なものを抽出してカリキュラムをつくり、オペレーターに伝えるとともに、実際の業務の中でOJTを行って顧客応対のレベルを上げていく。システマチックな部分を確立することが重要なコールセンター業務においては、このようなフローを踏むことは非常に重要なことといえる。

常識的にはコールセンターの拡大は、プロジェクトが軌道に乗ってからで、たいていは1年から2年後。それだけに、始動まもないタイミングでコールセンターの拡張を言い渡されたのは、2人にとっては信じがたいことだったようだ。特に西本は「プロジェクトの立ち上げの手助けをしてほしいといわれて福岡に行ったはずなのに、すぐに横浜に異動になってしまった」と、あまりの急展開に、思わず笑いが出てしまったという。

コールセンターの拡張を急いだ背景にあるものとは!?

プロジェクトがスタートしたばかりで、成果が明らかになっていないにもかかわらず、クライアントがコールセンターの拡張を急いだ背景について、羽生は「これまでのコールセンターのあり方やお客様応対に限界が見えてきたことがあると思います」と分析。今回のプロジェクトでも、売り上げの確保もさることながら、「応対品質の向上」がミッションになっていると明かす。

近年、マーケティングでは「カスタマー・エクスペリエンス」が重要視されている。カスタマー・エクスペリエンスとは「顧客体験」あるいは「顧客体験価値」と訳され、製品やサービスを購入したり使用したりしたときに、顧客が体験する感動や驚き、誇らしさなどの感覚的な付加価値や、企業とのすべての接点における顧客の評価を指す。カスタマー・エクスペリエンスを高めるためには、これまで以上に顧客発想に基づく高品質の応対が、コールセンターには求められる。

高品質の顧客応対を実現するポイントについて、西本は「お客様の話に共感を示すことが大切です。共感することが、お客様との距離を縮めることにつながります」と強調する。続けて末信は「いくつになっても美しくなりたい、健康でいたいというお客様の思いに寄り添い、お客様の生活に合わせて商品を提案することが求められます」と力説する。彼女たちにカスタマー・エクスペリエンスの思想が根付いていることは、福岡や横浜のコールセンターで、「ただ商品を売るのではなく、コミュニケーションをとることを重視した応対の徹底」が図られていることからも理解できる。

「コールセンターでオペレーターが応対する限り、人にしかできない応対を追求すべき。ビーウィズにはそれを可能にする知見と実績がある」とは羽生の言葉だ。実際にビーウィズでは、高品質で満足度の高い顧客応対を「ミライ転換力」と名づけ、社員教育をおこなっている。

一方で末信は「お客様満足の高い応対をするためには、オペレーターが気持ちよく働ける環境づくりが必要」と考えている。そして、全社で約5,000名になるオペレーターとスーパーバイザーとのより良い関係の構築、オペレーターの都合に合わせた働き方の実現に力を入れているという。「お客様だけでなく、オペレーターにも選ばれるビーウィズ」が目標と3人は口をそろえる。

柔軟な対応を可能にする「チャレンジを恐れない文化」

今回のプロジェクトのように、混乱しながらもクライアントのニーズに応えられたのは、「枠にとらわれずにチャレンジするという、ビーウィズの文化があるから」と羽生は胸を張る。そもそもコールセンターのあり方に「正解」はなく、より良い形を求めてチャレンジや変化を続けることが大切ということだろう。

西本は「新しいプロジェクトの立ち上げには、今回のような大変なこともありますが、それだけにやりがいも大きく、視野も広がります」と語り、社員が成長を実感できる機会にもなっていると評価する。「少なくとも退屈するヒマはありません」とは、西本の正直な実感だ。一方、末信は「そのチャレンジを支える仲間や上司、バックアップするシステムが、ビーウィズにはあります」といい、スーパーバイザーが安心して企業活動の最前線に立てる環境にあると、その強みをアピールする。

こうしたビーウィズの企業文化、培ったノウハウにクライアントの文化を掛け合わせ、新しい価値を提供したいというのが、3人に共通した願いなのだという。

※組織名称・掲載内容は取材当時のものです。

羽生智
九州でおこなっている通販や金融、家電メーカーのコールセンター業務を統括する事業部長。社内の若手育成プロジェクト「ミライ塾」の講師も務める。

西本舞
横浜のアウトソースセンターの運営、スーパーバイザーを統括・育成するリードスーパーバイザー。派遣社員として入社し、エリア正社員を経て総合正社員となった。

末信麻衣子
福岡のクライアント社内でインソースによってコールセンター運営に携わるスーパーバイザー。前職で金融系コールセンターのスーパーバイザー業務を経験している。