プロジェクトストーリー2

始動1カ月で新拠点設立
変化するコールセンターと
オペレーターのあり方

BPO・コールセンターのアウトソーシングサービスを主業とするビーウィズは、転換期にある業界の中で「ミライ転換力」という独自の顧客応対メソッドを掲げ数多くのプロジェクトを運営しています。
福岡に拠点を置く化粧品や健康食品などの通信販売をしている大手企業のプロジェクトでは、クライアントからの要望で、1カ月に満たない異例のタイミングでコールセンターを拡張することに…。メンバーはどのような思いで、この難しいプロジェクトに立ち向かっていったのでしょうか?

  • 羽生智
    生活サービス本部
    九州事業部 部長

  • 西本舞
    生活サービス本部
    九州事業部
    九州第2ユニット

  • 末信麻衣子
    生活サービス本部
    九州事業部
    九州第2ユニット

まずは、ビーウィズでのそれぞれの仕事や役職について聞かせてください。

羽生ビーウィズの主要な事業のひとつがクライアント企業のコールセンターの運営。業種は金融、食品、化粧品など多岐にわたり、現在、全国で数百のコールセンターを稼動させています。私はユニットマネージャーとして、そのうち20程度のプロジェクトの管理、クライアントとの折衝などを担当し、営業的な活動もしています。

西本コールセンターの運営や管理、コールセンターで働くオペレーターの教育・育成などを担当するスーパーバイザー(管理者)です。前職もスーパーバイザーでしたが、管理者としてのスキルをもっと学びたく、研修制度などが整ったビーウィズに転職しました。

末信ホテル業界や金融機関のコールセンターでオペレーターとして働いた後、ビーウィズにオペレーターで転職して、数年後にスーパーバイザーになりました。私は朝が苦手なので、勤務時間の融通が利き、服装も自由なオペレーターが天職だと思っていたんです(笑)。

羽生当初は、これほど長く勤めるつもりもなかったのですが、新人オペレーターのトレーナーを任されたことから、スーパーバイザーの楽しさに目覚めてしまった。オペレーターのスキルやモチベーションを上げるためであれば、かなり自由にやらせてもらえますし、クライアントと一緒にコールセンターをゼロから育てるという面白さもあります。そうこうしているうちに気づけば10年以上働いています。

現在、皆さんが担当しているプロジェクトは、どのようなものなのでしょうか。

羽生今回のプロジェクトを一言でいいますと、化粧品や健康食品などを通信販売している企業のコールセンターの運営です。クライアントの課題の解決や自社の席数拡大など、大きく捉えると、そのミッションに他のプロジェクトとの違いはないのですが、クライアント独自のシステムを読解することや、ムダや非効率を最適化する作業には苦労しました。また、福岡にあるクライアントのコールセンターで始めたプロジェクトが、1カ月もたたないうちに拡大されることになり、横浜にある当社のコールセンターを稼働させることになりました。これは非常にレアなケースで、「ゼロベースから短期間で両拠点を機能させた」という点では、かなり難易度の高いプロジェクトといえます。

末信コールセンターの規模を拡大してオペレーターを増員するのは、プロジェクトが軌道に乗ってからというのが、一般的です。拡大するにしても、たいていは1年から2年後。ところが、横浜の稼働が決まったのは、福岡で新しいプロジェクトが立ち上がったばかりで、約30名のオペレーターはまだまだ業務に習熟しているとはいえない状態でした。そんな状態にもかかわらず、福岡ではさらに数十名、横浜ではその2倍以上のオペレーターが新スタッフとして採用され、新たに研修する必要が生まれたのです。「福岡の顧客応対のレベルを上げつつ、横浜にノウハウを展開しなければならない」という、かなり密度の濃い時間を過ごすことになり、現場は大変でしたね…。

西本私たちスーパーバイザーは、新しいプロジェクトを始めるにあたって、まず商品や顧客の特性、通信販売の注文処理システムなどについての知識や情報を、クライアントから教えてもらわなければなりません。クライアントからの研修は100時間を超えました。その中から業務に絶対に必要なものを抽出してカリキュラムを作り、あらためてオペレーターに伝えるとともに、実際の業務の中でOJTを行って顧客応対のレベルを上げていくのが私たちの仕事になります。私は、プロジェクトの立ち上げの手助けをしてほしいと要請を受けて、当時の勤務先だった大阪から福岡に行くことになったのですが、すぐに横浜に異動になりました。

羽生成果を出せていないにも関わらずコールセンターの拡張となったのは、これまでのコールセンターのあり方やお客様対応に限界が見えてきたこと、クライアントの顧客に合わせた応対というビーウィズの提案が評価されたことがあると思いますね。

従来のコールセンターのあり方とはどのようなもので、なぜ限界を迎えているのでしょうか。また、新しいコールセンターには何が求められるのでしょうか。

末信今回のクライアントのお客様は中高年の女性が中心で、商品の成分などの特性をお伝えしても、お客様にはあまり響かず、購買にも結びつきにくいケースが多いと思います。大切なのは、「いくつになっても美しくなりたい、健康でいたい」というお客様の思いに寄り添うこと。お客様の生活に合わせて商品を提案することが、オペレーターには求められるのです。オペレーターには、お客様の日常生活を知ろうとする姿勢や、さり気なく暮らしぶりや行動を聞き出す話術が必要になります。

羽生企業が売りたいものを売るのではなく、お客様がほしいものを聞き出して売ることが、これからのコールセンターのあり方、オペレーターの仕事です。今回のプロジェクトでも、売り上げの確保はもちろん、「応対品質の向上」がクライアントから与えられたミッションでしたから。

西本応対品質を高めるポイントは、お客様の話に共感することです。そうすることで、お客様がお話しされた内容を理解していることを示すことができお客様との距離を縮めることができます。

羽生こうした高品質で満足度の高い顧客応対を、ビーウィズでは「ミライ転換力」と名づけ、社員に教育しています。最近、マーケティングでは「カスタマー・エクスペリエンス(※)」の重要性が強調されています。カスタマー・エクスペリエンスを高めるためにも「ミライ転換力」は必要になってくるはずです。コールセンターが単に商品を売ったり、商品情報を伝えたりする場なら機械で代用できます。しかし、そうならないのは人にしかできない「応対」があるからです。

末信お客様満足の高い応対をするためには、オペレーターが気持ちよく働ける環境を作ることも必要です。そういった面では、私たちスーパーバイザーの役割がより重要になると思います。

  • 顧客体験、あるいは顧客体験価値と訳され、製品やサービスを購入したり使用したりしたときに、顧客が体験する感動や驚き、誇らしさなどの感覚的な付加価値や、企業とのすべての接点における顧客の評価を指します。

ビーウィズで働く意味・面白さとは、どのようなことでしょうか。

西本今回のプロジェクトのように、新しい業務を立ち上げるのは大変なことも多いのですが、それだけにやりがいも大きく、自分の成長を感じることもできます。少なくとも退屈するヒマはありません。

羽生ビーウィズには、枠にとらわれずにチャレンジするという文化があります。その文化やこれまでの経験を、クライアントの文化と掛け合わせて新しい価値を生み出したいと思います。

末信チャレンジできる会社であり、チャレンジを支える仲間や上司、システムがある会社といえますね。スーパーバイザーとして働くことはチャレンジの連続で、私は企業活動の最前線に立っていることを意識して行動するようになりました。

羽生智
九州でおこなっている通販や金融、家電メーカーのコールセンター業務を統括する事業部長。社内の若手育成プロジェクト「ミライ塾」の講師も務める。

西本舞
横浜のアウトソースセンターの運営、スーパーバイザーを統括・育成するリードスーパーバイザー。派遣社員として入社し、エリア正社員を経て総合正社員となった。

末信麻衣子
福岡のクライアント社内でインソースによってコールセンター運営に携わるスーパーバイザー。前職で金融系コールセンターのスーパーバイザー業務を経験している。